参議院 厚生労働委員会で質問
4月26日 参議院 厚生労働委員会で質問
★2022年4月26日 参議院 厚生労働委員会 Youtube録画 https://youtu.be/wJyUPL3xFQI
令和四年四月二十六日(火曜日)
参議院厚生労働委員会(未定稿より転載)
○石垣のりこ君
立憲・社民の石垣のりこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。今ご説明いただきましたように、今回の改正案の目的、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックにおいて必要な医薬品を早期に使用可能とする制度を創設することで、人々の命を救い、健康被害の拡大を防止し、保健衛生の向上を図ることにあると認識しております。しかし、承認プロセスの簡略化は、いや応なく薬機法が規定している有効性と安全性の確保に留保を与えるものと考えます。ゆえに、承認プロセスの簡略化による医薬品の有効性、安全性がどの程度まで、どのように確保され得るのか、その妥当性がこの度の改正のポイントであると考えております。薬機法の第1条には、この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医薬機器、あっ、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、中略しますが、保健衛生上の向上を図ることを目的とするとございます。今回の改正案における緊急承認は、安全性は確認、有効性は推定となっておりますが、まずは、この通常の承認とこの度新たに設けられる緊急承認の安全性に違いはあるのか、あるならばどのような点が違うのか、ご説明ください。
○国務大臣(後藤茂之君)
医薬品の承認審査において、その安全性については、非臨床試験や臨床試験を通じて確認された毒性や副作用等が、効能効果に比して著しく有害なものでないかどうかを評価し、確認しております。緊急承認制度においても、そのようなベネフィットとリスクのバランスを考慮しつつ、許容可能な安全性を担保するという意味で、安全性の確認を要件としております。第3相試験が実施されない場合であっても、一定期間に高頻度で生じる副作用については確認しなければならないものであり、これらはプラセボ群との間で発生頻度に明確な差が生じることが多いことから、後期第2相試験など比較的少数の症例に基づく試験であっても、安全性を確認することは可能であると考えています。他方、一定期間を超える長期的な副作用の発現状況や極めてまれに発生する副作用等については、通常の承認審査においても承認までの間に確認することは困難であり、承認後も情報を収集していくことにより安全対策を行っています。これについては緊急承認制度においても同様です。このため、第3相試験を実施しないことによって情報量の違いはあるものの、一定期間内に生じる副作用の種類や頻度といった安全性に関して得られる情報に違いはないというふうに考えております。
○石垣のりこ君
4月12日の衆議院厚労委員会の参考人質疑で、東京医科大学茨城医療センター病院長で京都大学名誉教授の福井参考人がこのようにおっしゃっています。治験の第3相レベルまではやらないレベルでの安全性の確保というのは、今通常にやられている、安全性については平時と同じレベルのものを、まあ緊急承認でもということだと思いますが、求めるということになっているというふうにお答えになっているんですね。安全性の確保というのは通常承認においてもこの第2相までの判断で、有効性は第3相と分けて考えられるものなのか、厚労省のちょっと見解をお願いします。
○政府参考人(鎌田光明君)
お答え申し上げます。通常の承認審査におきましても、医薬品によっては1つの試験だけで実施される場合もございますし、複数の試験が実施される場合もございます。主として、第1相、第2相で大体のその、また、第1相、第2相で大体のその安全性が確認されているというふうに考えてございます。例えば、治療薬において、第2相試験の規模としては数百例程度の臨床試験が想定されますが、その場合であっても、大体安全性については確認できると考えます。一方で、緊急承認の場合でございますけれども、ワクチンにつきましては、そのワクチンの特性から、健常時に多くの方に接種いただくというワクチンの特性から、第3相試験を基本的には実施していただくと、原則として実施いただくということを考えているところでございます。
○石垣のりこ君
薬によって違うということはもちろん理解するんですが、とはいえ、やはりこの緊急承認制度でかけられる新しい薬、新しい効果が期待できる薬というものに関しては、やはりしっかりとした承認プロセスを経てというのが本来であろうと思います。その部分を、時間を短縮するがゆえに簡略化するというのが、今回の緊急承認の基本的な構造といいますか、プロセスになっておりますので、やはり、通常の承認というふうに一般の方が聞いて思い描くものと今回の緊急承認での安全性のこの確定と確認というものがイコールではないというふうに考えられるわけですよね。お手元にお渡ししております資料の2枚目、医薬品の基礎研究から承認審査、市販後までの主なプロセスというのがございます。こういういろんな審査を、治験等を経て最終的に市販されると。市販された後も再審査、再評価等でその効果、安全性について検証されていくというのが一般的だと思うんですが、この治験における第3相、黄色で囲んでおりますけれども、総合的な有効性、安全性の検証というのがこの部分にも示されておりますし、次の3、あっ、2枚目、3枚目ですね、3枚目の臨床試験、治験の基本的な流れというところで、第3相は検証的臨床試験という部分、有効性、安全性の検証というのは、やはりここでも示されております。そういう点では、やはり今回、この緊急承認では、第3相の部分の、特にワクチン試験が一旦省かれると、まあ後からまた追加承認という形ではなるんですけれども、追加申請という形にはなるんですけれども、やっぱりこの部分がないことによって、本来ここの部分で確認されるべき安全性というのがどうしても確認できない、先ほど大臣は、情報量の違いと、あとはまれな例としてそういう安全性が確保できないような事例というのはあるかもしれないがということで、あくまでもこの第3相で示される例というのがごく少数であるというお話はされていましたけれども、ごく少数であろうと、やはりより多くの方に治験が行われたときにこそ分かる安全性というのがあるわけです。としますと、1枚目の部分でポンチ絵で示されるこの通常の承認と、あと今回創設される緊急承認の部分のこの安全性に関しては、確認、確認と同じ言葉で示されておりますが、通常の承認の安全性の確認と緊急承認の安全性の確認は違うものだと。ただし、緊急性に鑑みて最低限はもちろん安全性は確保されているということが基本的な認識であろうと思います。その点、私はそのように考えるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
繰り返しの趣旨になってしまうところは申し訳ございませんが、先生からお示しいただいた資料におきましても、第3相でも200人以上という書き方なされております。もちろん先生がご紹介いただきましたように、こうした試験の規模ですとかは医薬品の特性あるいはその対象となる疾患によって異なるものでございますが、大体、我々想定しておりますその緊急承認における治療薬の第2相の試験というのも数百例程度の臨床試験が想定されるところでございまして、そうすれば、ここにございますような第3相の数百人程度と同等規模となります。したがって、先ほど大臣からご答弁申し上げましたように、その一定期間内に生じる副作用の種類や頻度というものは確認できるというふうに考えているところでございます。また一方、これも大臣からご答弁申し上げ、先生からもご紹介いただきましたが、通常の承認であっても、一定期間を超える、その後、超長期的な副作用の発現というものは、状況、あるいは極めてまれなものは通常の承認審査におきましても承認後に一定期間を掛けて集めるものでございまして、そうした安全対策というものは緊急承認も同じでございまして、繰り返しで恐縮ですが、我々としては、そうした承認前の臨床試験を通じまして、安全性を確認して緊急の承認を与えるということを考えているところでございます。
○石垣のりこ君
緊急性に鑑みてこの安全性に関しても2相までで判断するということはもちろんあり得ると思うんですが、一般の方が説明を受ける際に、今回の緊急承認で承認された医薬品に関しては、安全性に関しては緊急承認と同等であるというような言い方をされてしまうと、あっ、一般に私たちがふだん使っているところで、効くか効かないかはまだ分からない部分はあるかもしれないけれども、安全性に関しては通常私たちがふだんから使っているものと同じだけちゃんと検査がなされて、こうやって承認を国がしたんだというふうに受け取られると思うんです。こういう承認制度だって一般の方は分からないわけですから。なので、通常と同等の水準とか、リスクとベネフィットに鑑みて通常と同じ基準で推定される安全性とかという言い方をされても、非常に分かりにくいというか認識の錯誤を招きかねないというふうに私は考えておりますので、後段でも申し上げたいと思いますけれども、この辺のことをちゃんと周知していただく段階においては、この安全性は基本的には、最低限はもちろん担保されているものではあるけれども、この緊急承認がなされた段階では通常承認とは別なものであるというところの認識はちゃんとお伝えいただくということが非常に肝要であるというふうに考えております。 その上で参りますが、あっ、じゃ、この部分に関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
まず、安全性に関しては、私どもはきちんと確認した上で承認を与えるということでございますけれども、先生がご指摘の、そのいわゆる制度の違いですとか、どういった試験、検査など経たことについては、ほかの先生方からも、きちんと、そもそも国民の皆様に今回のその承認によって、承認をした医薬品について安心して使っていただく、あるいは医療現場の先生方からきちんとその趣旨や内容も含めてご説明いただくためには丁寧な周知ということを言われておりますので、また、この制度を議論した審議会におきましても、きちんと、いろんな制度があるわけですから、その制度の違いというものを分かりやすく説明が必要であるというご指摘を受けておりますので、この緊急承認制度がどういった趣旨で、またどういった内容かということについては丁寧に周知してまいりたいと考えております。
○石垣のりこ君
既にこのシステムというか、緊急承認についてどういうものかという説明を受けたときに、通常承認と安全性においては同じレベルですというふうに議員が説明を受けておりますので、そういうことが一般にもなされると、これは違うものだというふうに私としては言わざるを得ないので、その点を十二分に注意していただきたいというふうに改めて重ねて申し上げたいと思います。その上で、ちょっと安全性の確保に関してなんですが、品質の管理の担保に関してなんですけれども、どんなに安全性が高く有効と見込まれる医薬品でも、品目の品質、並びに企業が品質を担保した製品を製造販売して供給することができなければ、やはり担保されなければ、正しく効能を発揮することができないと考えます。ゆえに、医薬品の承認制度に関して、承認申請者は申請に際して、通常、審査当局、PMDAですね、医薬品の品質、有効性及び安全性を審査するために必要な資料を提出しなければならないというふうになっているんですが、この特例承認と同様、今回新設される緊急承認もこのGMP調査であるとか国家検定とか容器包装等が免除されるということで、これらが免除されることによってこの段階で欠けてしまう安全性というのはどういうものなんでしょうか。また、この調査、検定等は、緊急承認後は無期限に免除されるのか、その点もお答えください。
○国務大臣(後藤茂之君)
緊急承認された医薬品につきましては、通常承認と同水準で安全性の確認を行うということとしておりまして、安全性の点で通常承認と比べて欠けるという指摘は当たらないというふうに思っております。その上で、緊急承認制度においては、薬事承認の迅速化の観点から、GMP調査、国家検定、容器包装等を承認の要件とはしない特例を設けることとしているものの、これらの規定は品質の確認や適正使用を目的として行うものであり、安全性の確認が目的ではないということだと考えられます。これらの特例につきましては、緊急承認後、期限が到来し改めて申請を行う際には適用されないため、その際、調査を受けるなど、各種規定の適合する必要がございます。また、期限が到来する前であってもGMP調査を受けることができるよう、緊急承認の規定においても明示するなど、品質の確保に努めることといたしております。
○石垣のりこ君
緊急承認で適用されるその各種特例措置のうちでも、やはり今幾つか挙げたうちのこのGMP調査、製造工程のこの安全性の確保だと思うんですが、この医薬品の質を担保する上で非常に重要な要素であると思うんですね。高く有効性の期待できる医薬品であっても、やはりこの製造工程で問題があれば安全性も有効性も損ないかねないと思います。実際、ワクチンでも、どういうこれは過程で異物が混入になったのか分かりませんけれども、モデルナに金属片が混入されていたというようなことが実際起きております。ですので、2年後のその期限までに再度承認申請されたタイミングでは、改めてこのGMP調査等についても申請がなされるということだと思うんですけれども、やっぱりこの最低限のチェックというのか、これは承認段階でも一定なされるべきだと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
ご指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、その法律の規定上、GMP調査は免除というか、事後的でも構わないという猶予という考え方を取っておりますけれども、その際であっても、例えばいずれにしても承認時には薬の承認とは別に製造所としての許可が必要でございますので、製造所としての製造業の許可があることが当然前提で、そうすれば大体、我々別の薬でそういった製造所、工場に査察に行ったりとかしております、そうした情報も考えますし、また、当然、書類上、医薬品の製造方法や規格などについて申請資料を出していただきますので、そうした情報を合わせて品質面では問題がないことを確認いたしています。また、今回の新型コロナに関係する治療薬やワクチンにつきましても、海外の規制当局と連携して、海外規制当局で確認した内容をこちらでも確認するとか可能な限りのことをしつつ、緊急性に対応するような形での品質確保ということをやっているところでございます。
○石垣のりこ君
是非とも、どんなにチェックを重ねてもミスというのは起き得るものではありますが、でも、やれるべき、やるべきことはしっかりとやっておくという点で、有効性の推定の段階で、あくまでも安全性を最低限保つ上でも、この点はしっかりとチェックをしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。そして、通常、既製、既存の製品と異なる性質の医薬品というのは製造販売後の使用に関する調査というのが求められておりまして、有効性や安全性を審査当局が再確認する再審査制度が設けられていると承知しております。この緊急承認においては、期限までの再度承認申請とこれ別に実施されるんでしょうか。既にこれ販売後ということになると思うんですけれども、どのタイミングから行うのか、教えていただけますか。
○政府参考人(鎌田光明君)
整理してお答えいたしますが、先生おっしゃったように、緊急承認制度は有効性について推定の段階で承認を行うものですから、その後に、一定期限内に改めてデータを出していただく意味で、通常の承認を行いますのは有効性を確認するわけでございますが、この改めての承認申請におきまして有効性が確認されれば、その際、ほかの医薬品、通常の医薬品と同様に、再審査期間が付与されて再審査の対象となるという仕組みを取っているところでございます。
○石垣のりこ君
ということは、既に緊急承認で承認が得られたものに関しては、もう既に販売はスタートするけれども、その後の2年の期限をもって再度承認申請が行われた後に改めてこの再審査制度というのは適用になるということですよね。プラス2年、まあどのぐらいかはちょっと期間分かりませんけれども、そのぐらいからこの再審査制度が適用されるということで承知いたしました。続いての質問ですが、大臣承認に係る医薬品のうち新医薬品については、承認に関してあらかじめ薬事、食品、食品審査会、薬食審ですね、の意見を聴くこととされておりますけれども、緊急承認においては事前の聴取というのは行われるんでしょうか。特例承認では緩和されているというふうな解説も見かけたものですから、確認をさせてください。
○国務大臣(後藤茂之君)
緊急承認制度は、改正法案におきまして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて承認を与えることができると規定されておりまして、緊急承認に当たっては、専門家により構成される薬事・食品衛生審議会への諮問を行うことになります。
○石垣のりこ君
この部分は省かれずに諮問は行われるということで、分かりました。続いて、緊急承認の要件に関して伺います。緊急承認の要件として、ほかに代替手段が存在しないことというのが挙げられていると承知しております。この点について、3月31日の衆議院本会議で岸田総理が、代替の困難性については国民への供給の観点等も踏まえて判断することとしており、ほかの複数の医薬品が既に承認されている状況においても、治療の選択肢を拡大し、より安定的な供給に資するような場合は緊急承認制度の適用が認められますと答弁されています。この答弁からしますと、ほかに代替手段が存在しないことという点は、ほかに類似の効果が得られると推定される医薬品が存在しないことという文字どおりの解釈よりも幅があって、言ってしまうと、類似の効果が得られる医薬品が存在しても供給量が十分に確保できなかったり、例えば、ほかの医薬品との組合せの問題とか、あるいは価格が廉価であったりする場合には承認され得るという拡大解釈が可能となるようにも読めます。しかし、そのような運用が許されるならば、ほかに代わる手段がないという、その薬でなければ得られない有効性を期待するという必然性ゆえにその有効性を推定時点で許可するという、この緩和を行う理由が希薄になるのではないかと考えます。あるいは、恣意的承認を誘発することにもなり得るというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤茂之君)
緊急承認制度の要件であります代替の困難性につきましては、国民への供給の観点も踏まえて判断することといたしておりまして、他の複数の医薬品が既に承認されている状況においても、治療の選択肢を拡大し、より安定的な供給に資するような場合等には緊急承認制度の適用が認められると考えております。具体的な適用対象の考え方につきましては、今後ガイドライン等でお示しをさせていただきまして、運用の適正化に努めていきたいと思います。また、個別具体的な医薬品等の審査プロセスにおいて、審査報告書を当日ないし数日以内に公表いたしまして、新型コロナに関しては特設サイトで開発中の医薬品の情報を公開するなど、透明性、公平性の確保に努めることとしておりまして、議員ご疑念のように、無限定に適用が広がることにはならないようにというふうに考えております。
○石垣のりこ君
是非そのように運用していただきたいと思うんですけれども、4月12日の衆議院の厚労部会における、あっ、厚労委員会における参考人質疑で、薬害オンブズマンパーソン会議事務局長、弁護士の水口参考人が、承認薬があっても、それは供給が全然追い付かないということがかなり明白に分かるとき、こういうときはあり得ると思いますと、明らかな供給量の不足については緊急承認制度の拡大承認があり得るというふうに言及されていらっしゃいます。総理がおっしゃっていたように、治療の選択肢の拡大というのは、今回の改正の趣旨に照らすとあくまでも緊急時における承認という、この緊急性という点からするとやはりちょっと拡大解釈になり得るという懸念もございますので、今の大臣のご答弁のとおり、しっかりと運用の点で注意をいただければというふうに思います。続いて、有効性の推定について伺いますが、緊急承認では第3相の治験が免除されるということで、有効性のところでは、現行は確認だったものが推定に変わります。有効性の確認と推定、これどのように違いますか。
○国務大臣(後藤茂之君)
緊急承認制度における有効性は、個々の医薬品等の性質に応じた判断が必要になりますが、その時点で入手可能なデータでは、有効性の証明の程度は通常承認に比べて相対的に低いものの、有効性があると合理的に考え得る場合を有効性の推定のケースとして想定しております。例えば、治療薬について、いわゆる後期第2相試験程度の臨床試験において、一定の有効性を示すデータが得られている場合には、他の関連する科学的知見も踏まえて有効性が推定できる場合があるものと考えております。有効性の推定が可能なケースとしては、治療薬については、いわゆる後期第2相試験程度の臨床試験等において一定の有効性が示されている場合が想定されますし、ワクチンについては、検証的臨床試験、第3相試験で発症予防効果を確認することが原則でありますけれども、第3相試験の中間解析等の段階で有効性を推定できる場合も想定されるというふうに考えております。
○石垣のりこ君
今いろいろな例示をいただいたんですが、ちょっと詳しいお話をちょっと伺いたいと思いますが。4月6日、衆議院の厚労委員会で、有効性の証明の程度が異なる、今の大臣のご発言ですと、相対的にと、あと個別のケースということも関係してくるんだと思いますけれども、有効性の証明の程度は確認に比べて相対的に低いものの、有効性があると合理的に考えられる場合に有効性が推定できるという場合があると考えているところと、これ医薬・生活衛生局長のご答弁でございますが、個々のケースという前置きはあるんですけれども、有効性があると合理的に考えられる場合の合理的判断の何らかの基準というものはあるんでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
お答え申し上げます。先ほど大臣から申し上げたように、治療薬の場合には第2相でできる場合があるですとか、ワクチンの場合は基本第3相としての中間解析で示せる場合があるとか、そういうふうに今お答え申し上げたところですが、やはりその、何というか、個々の医薬品ですとか、その個々の疾病、対象疾患によって異なりますので、一律にということは正直難しいところでございますが、我々としては、その申請者から出された、提出に基づきまして、薬事・食品衛生審議会の専門家の意見を踏まえながら、今申し上げた医薬品の特性、あるいは疾患の特性に鑑みて入手可能なデータによって合理的だというふうに推定する場合を想定しております。いずれにしても、具体的な適用対象の考え方につきましては、今後ガイドラインなどにおきまして示すことで、基本的、なるべく恣意的な運用ですとか幅が大きくならないような形で、医薬品の特性に応じたものだというふうにご理解いただけるようにしてまいりたいと考えております。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。では、緊急承認後の取消しについて伺います。承認時に認められた有効性等が確認できない場合は速やかに承認を取り消すことができる仕組みがあるということなんですけれども、第3相における試験によって有効性についても「推定」から「確定」に変更されることが前提であるというふうに推定はしますけど、推測はしますけれども、速やかに承認を取り消すことができるというのは、有効性という観点から、第3相試験の結果を待たずに、その前にも行われる仕組みがあるということなんでしょうか。この第3相試験以外で速やかに取り消す手続というのがあれば具体的にはどのような方法なのか、いつそういうことが行われるのか、教えてください。
○政府参考人(鎌田光明君)
基本的には、先生からご紹介いただきましたように、この期限の間に第3相の試験を踏まえて判断するということとなりますが、併せて、我々、第3相試験に併せてリアルワールドデータの提出も求めたりしますし、また、様々な形で市販後調査を行い、その結果というのも見ております。多少、確かに、一般的に、リアルワールドデータなど市販後に収集された情報から医薬品の有効性の評価というものは、どういったものを評価項目にするかというような課題はある、ありますけれども、投薬による治療効果が明らかでない場合ですとか、アカデミアにおいて実施された臨床試験の結果から有効性が推定もされないということが明らかになれば、期限を待たずに、あるいは第3相試験の結果を待たずに取り消す可能性はあるというふうに考えているところでございます。
○石垣のりこ君
結構まれな例、ケースかとは思いますけれども、リアルワールドデータ等を参考にしてそのようなことも可能であると。ただ、基本的には再度承認申請のタイミングまでであろうというご答弁だったというふうに認識いたします。続いて、ファイザー社の新型コロナワクチンについてなんですけれども、これ、海外データのみで評価を行った場合、すなわち今回の緊急承認が制度としてもしあったならばという仮定の話だと思いますが、承認の時期は2か月程度早くなった可能性が資料等で指摘されております。これ、モデルナ製ではどのぐらい早くなったというふうに推測されていらっしゃいますか。
○国務大臣(後藤茂之君)
医薬品の承認に当たりましては、申請者から提出されたデータに基づきまして、専門家の意見も踏まえつつ総合的に審査することとしておりまして、緊急承認制度によってどの程度薬事承認が早期化されるかについては個々の医薬品の性質等に応じて異なるということでございます。その上で、仮にモデルナ社の新型コロナワクチンに緊急承認制度を適用した場合、あくまで仮定の話ではあるものの、海外の第3相試験で顕著な有効性が得られているとの前提の下、海外データのみで評価を行った場合には最大で承認が5か月程度早くなった可能性があるというふうに考えられます。なお、この期間については、日本の承認日と米国のEUAがなされた日の差を最大の期間として見積もったものでありますけれども、申請日や審査期間は事前の相談の有無や程度、申請データの整理状況、また追加試験の準備状況等により変わり得るために、必ずしもファイザー社のワクチンに比べてモデル社のワクチンの方が審査に長時間を要することを意味するわけではございません。
○石垣のりこ君
また複雑な物言いでご説明くださったんですけれども、この2か月と5か月と差が出てくるわけですよね、お答えの中には。審査そのものに大きな差があるわけではないということで、審査そのものだけを取り出すということになると、これは具体的にどのぐらい早くなったというふうに考えられるんでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
審査そのものという場合でございますけれども、先ほど大臣から申し上げましたが、医薬品審査を行う際に、全くその白地でいきなり書類が来て始めるという場合はまれでございまして、むしろ事前に相談して、それこそ治験の段階から治験の開発、計画を相談し、どんなデータが出るのかとありますし、また、データが集まれば、通常はまとまってから出していただくことになりますが、今回のその特例承認の場合もそうでしたが、とにかく私どもといたしても早く承認したいと、した方が当然いいという考え方から、まとまった段階でデータを出していただくということによって審査をしていきますので、要は並行的なデータ、企業がデータを処理して申請する作業と我々の審査をする、並行すれば、当然、審査、それを審査期間というかどうかということでありますけど、それは変わってきます。また、データも、出されたものによりましては、分かりやすく言えば、明らかに、もう完全に効果が明らかであるとか安全性が全くないという場合と、問題ないという場合と、多少そのデータについていろいろ様々な角度から検証をしたり他の論文を参照したりしなきゃいけないとかそういった作業も発生します。それはデータによって異なります。また、先ほど大臣の方から追加試験の状況で申し上げましたが、その審査の過程で、この承認する、あるいは今後承認した後に必要な試験はどうかといった検討も入りますので、一概に、単純にこの審査期間はどのくらい短くなるかということはお答えできないことについてはご理解賜りたいと存じます。
○石垣のりこ君
一概にではなくて、あくまでもファイザーとモデルナの話で今伺いましたので、具体的にファイザーのコロナワクチンに関しては、海外データのみで評価を行った場合、承認の時期は2か月程度早くなった可能性ということが示されていたので、ではモデルナの場合はどうだったんだろうかというそういう疑問が湧き起こったということで、さらに、2か月と5か月ということで差があったものですから、具体的に今回の例えば緊急承認があった場合であれば審査そのものに掛かる期間はどのくらいであったのかという、そういう単純な質問でございます。今のお話を総合すると、もちろんその今回の緊急承認を設けることによってそれなりに審査の期間というのは短くできるということはあると思うんですが、それと同時に、政府と製薬会社との交渉がやはり難航したりとかいろいろな課題が多かったりしたような場合にはそれだけの時間が掛かるわけですから、それも含めた承認までの期間というのを私たちというのは待っていなきゃいけない時間としてあるわけですよね。その中にこの5か月というのが含まれているのかどうなのかがちょっと今の1つのご発言の中でははっきりとはしなかったんですけれども、大体2か月ぐらいの早さで今回の審査が下りたであろうということを、今の私はご回答から推察をいたします。その上でですね、緊急承認の医薬品を使用する際、先ほどの、今までのお話をまとめますと、患者さん、多く、広く一般の方に対してもやはり丁寧な説明が必要だと思います。これまでの議論を踏まえまして、やはり緊急承認の医薬品であること、通常承認と大きな違いは有効性が推定であること、あと安全性に関しての記載も、同等の水準であるという説明ではなく、医療機関、患者の皆様への周知に対して、安全性に関してもより丁寧で正確な説明をしていただきたいということを改めてここでも申し上げます。続いて、電子処方箋について伺います。電子処方箋に関しては、個人的には、紙が少なくなることの煩雑性が減るというか、その利点を感じつつ、紙として物理的に手にできる形状でないとなかなか見ないという、そういう問題もあるかというふうに感じております。これ、電子処方箋が導入されてもしばらくは紙での処方箋も継続するというご答弁がなされておりますけれども、紙の処方箋と電子処方箋と両方を同時に使うことというのは可能なんでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
お答え申し上げます。 我々のご説明が不十分であったかと思うんですが、電子処方箋と紙の処方箋を同時に発行するということでございませんで、電子処方箋を発行する場合には、先生がおっしゃったように、紙で見た方が分かるですとか様々なご要望ございますので、当分の間、紙の控えを出すということでございますので、処方箋とは違うというものでございます。つまり、紙の処方箋か電子処方箋かのどちらか一方のみを発行できる仕組みというところになっているところでございます。
○石垣のりこ君
電子処方箋になった場合は、あくまでも紙は控えということなんですよね。ということで、そういう二重に医薬、治療薬を受け取るというようなことも基本的にはないというふうにお答えだったと思います。電子処方箋が進んでいくと、私たちが使っているお薬手帳との関係も気になるんですが、お薬手帳に関しては、一般のもちろん紙のものもありますが、アプリなども今出回ってきております。今後、情報連携などもお考えになっているんでしょうか。
○政府参考人(鎌田光明君)
お答え申し上げます。電子処方箋、まずは運用開始を目指しているところでございますけれども、その特徴といたしまして、マイナポータルに患者さんご自身が、そのご自身に処方された薬ですとか調剤の情報が閲覧できるというところはございます。一方、先生ご紹介いただきましたように、電子版お薬手帳というものが広まっているわけでございますけれども、この両方をどう連携させるのか。電子処方箋の方は処方薬でございますけれども、お薬手帳の方は場合によってはOTCといった情報も入っております。それが連携すればよかろうということで、我々としては、電子版お薬手帳を電子処方箋システムと連携して活用できるよう、具体的には、マイナポータルに載っている情報を患者さんお手持ちのお薬版電子手帳に情報を言わばダウンロードできるような形での連携を考えておりまして、そのためのガイドライン作りというものを今やっているところでございます。そうすれば、処方薬のみならず、一般用医薬品も含めた服薬情報の全体の把握、可能になりますので、患者さんの更なる健康増進、利便性向上に資するものというふうに考えているところでございます。
○石垣のりこ君
患者さんの利便性が図られるのはいいんですが、やはり皆さんが懸念されているのはこのシステムの情報流出等の安全性だと思います。今回の電子処方箋を推進するに当たりまして、厚生労働省は当初、今年の夏の運用開始を目指していて、この電子処方箋管理サービスを開発するための入札を始めたと。ところが、入札、昨年ですね、これ昨年7月の期日までに事業者からの入札はなかったという報道がなされておりましたが、これについて、簡単に事実関係を教えてください。
○政府参考人(鎌田光明君)
お答え申し上げます。ご指摘のとおり、昨年7月の支払基金における電子処方箋システムの開発に向けた調達におきましては、入札がございませんでした。その原因といたしましては、大手ベンダー各社が調達時期に別の大型案件に携わっておりまして、本件に人手が割けなかったというふうに伺っているところでございます。その後、昨年11月に改めて調達が行われまして、株式会社NTTデータが入札し、落札したというふうに承知しているところでございます。
○石垣のりこ君
この2回目の入札、1件しかなかったというのは本当ですか。
○政府参考人(鎌田光明君)
そのとおりでございます。
○石垣のりこ君
できるところがあったというのは良かったのかもしれませんけれども、結局入札が1件しかなかったということで、競合他社があって、それが競い合ってよりいいものを作っていくという競争原理の部分でも働かない可能性もありますし、入札は、価格に関しては相応なものであったからこその落札だとは思うんですけれども、こういうシステム構築していかなきゃいけないという現状の中で選択肢がないというのは、非常に今後懸念される事態だということは申し上げておきたいと思います。以上、電子処方箋に関して、しっかりとやはりデータの安全な管理、これに関しては改めて申し上げます。続いて、薬機法に関してからは少し外れますが、ワクチンに関連した質問をいたします。現在、オミクロン株に対応したワクチンについて報道等で耳にすることはあるんですが、開発の状況はどうなっていますか。
○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。オミクロン株に対応するワクチンの開発状況については、現在、ファイザー社やモデルナ社において人での臨床試験が行われているほか、ノババックス社においても開発に着手されているものと承知しております。
○石垣のりこ君
これに関してなんですけれども、次々と出現するコロナの変異株に対しまして、現在は初代の武漢型ワクチンを使用しているわけなんですが、様々な有効性もありつつ、やはり限界も指摘されております。 既に日本では4回目の追加ワクチンを購入したと、1億4500万回と報道で示されておりますけれども、今後の流行株に合わせてワクチンが開発された場合に、例えば今だったらオミクロン株対応ワクチン、開発の途中だということですが、この購入したものに関しての、有効性の面での交換というのは可能なんでしょうか。どのような契約になっているかということなんですが。
○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。ファイザー社やモデルナ社のワクチン、そして武田社のノババックスワクチンにつきましては、オミクロン株を始めとする変異株に対応するワクチンの開発に成功した場合には、既に契約締結済みの枠の中で供給を受けることも可能というふうになっております。
○石垣のりこ君
供給の枠の中で変更も可能ということで、今後、より効能が期待されるものに可能だということで、というご回答だったということでございますが。このワクチンに関してなんですけれども、もちろん、今は4回目のワクチンの計画がなされているわけなんですが、資料の4枚目及び5枚目、ご覧いただきたいと思います。ワクチンの接種を進めていくということは大事な一方で、そのワクチンの効果というのが一体どういうものであるのかということに関しては、しっかりと皆さんに正しい認識を持っていただく、データに基づいた正しい認識を持っていただくということが非常に重要ですし、ワクチンの接種を推奨することにもつながっていくかとは思います。又は自己の判断の材料にもなると思います。元ワクチン担当大臣の河野さんがこのようにお話しされています。3回目接種について、オミクロン株でも重症化する人がいる、軽症で済んでも後遺症で苦しんでいる人もいる、3回目までは若い人にも積極的に打ってもらった方がいい。これは全ての発言を書かれたものではなくて抜粋であるということも認識した上で申し上げますが、このように発言されていらっしゃる。もう1つ、資料の5枚目になりますが、つい先日の日本呼吸器学会で行われました厚労省の後遺症に関する調査結果の発表でございます。新型コロナウイルス感染症で入院した人のうち、およそ10%は退院から1年たった時点でも後遺症を抱えている可能性があるというような調査結果が発表されました。これは中等症以上だったおよそ700人を分析した結果ということで、最も多い症状は筋力の低下だと、分析対象者全体の7%ほどだったというような報道がなされております。私も以前の厚労委員会の方で、是非、厚労、後遺症の件に関してしっかりとご調査いただきたいということで、第1弾といいますでしょうか、公に向けてのこのような発表がなされたということで、この知見も含めて、現場で後遺症を見ていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃいますので、その知見、リアルデータも含めて、後遺症で苦しんでいらっしゃる多くの方を1日も早くしっかりと医療に結び付けて、1日も早い回復が図られるように体制を構築していただきたいと、改めて強く申し上げますが、その上で質問でございます。この今2つの発言を見てみますと、このワクチンと感染ということに関して、及びワクチンと後遺症ということに関して、ワクチンを打つことによって感染しにくくなる、あるいはワクチンを打つことによって後遺症が軽減されるというような受け止めがなされかねないような報道がなされているんですけれども、この点に関して今厚労省が把握しているエビデンス、データがありましたらお示しいただけますか。
○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。まず、ワクチンの感染予防効果につきましてでありますけれども、これは、例えばオミクロン株に対します1、2回目接種による感染予防効果、これは経時的に低下することは知られておりますが、3回目接種により一時的に回復するということも、これはまた確認されているところでございます。また、ワクチン接種した後にいわゆる感染、いわゆる後遺症といったものが発現しやすくなるのか、しにくくなるのかということでございますが、新型コロナワクチン罹患後の症状とワクチン接種との関係については、これはオミクロン株が出現する前のデータではありますけれども、ワクチン接種を2回受けてその後発症した方と、未接種でその後発症した方を、あっ、発症といいますか、感染した方を比較してみますと、28日以上発熱や倦怠感等の症状が続く頻度は、ワクチンを受けて発症した方の方が低いという報告も、これはランセットという雑誌でございますけれども、報告をされているところでございます。
○石垣のりこ君
今のご回答に関して更に伺います。予防効果は一時的に上がると言われました。その一時的というのはどのぐらいの期間であるのかということ、あと、今、後遺症に関しては、オミクロン株が流行する前ということで、オミクロン株が流行する前と言いますと1月の前になりますから、ほとんどの方は3回目のワクチンを打っていらっしゃらないと思いますし、あと、その検査された、試験を受けられた方の数というか、対象になった方の数がどのくらいであるのか、今もしお手元に資料がありましたらで結構ですが、それも含めて、今のお話というのは、これ重症化予防の話じゃないんですか。
○政府参考人(佐原康之君)
まず、最初の方に申し上げましたのは、いわゆる感染予防でございます。私の方で申し上げましたのは、ワクチン3回目接種後の感染予防効果、14日から60日までは70%まで回復するけれども、その後、60日、61日以降47%まで低下するというデータがございます。また、もう1つのそのいわゆる後遺症の方は、今我々の手元にありますのはオミクロン株が出現する前のデータでございまして、オミクロンが出てからのものというのは、やはり後遺症ですので一定の時間が掛かりますので、今のところ十分なデータ、今ないという状況でございます。
○石垣のりこ君
ということで、最初にお話しいただいたのは予防に関してご説明いただいたものと認識しております。具体的な数字を示していただきました。14日から、2か月後ですよね、およそ、60日で、の間では7割の感染予防効果がある。ただし、2か月を過ぎると半分ぐらいまで下がって、これも60日以降という、非常に、60日以降は4か月後も5か月後も含めるのかというところはあると思いますので、これ正確な数字がどこまで出ているのかというのがあったら今教えていただきたいと思いますが、あくまでも半分ぐらいと。オミクロン株の前のお話で、あくまでもやっぱり重症化を防ぐ効果であって、後遺症に関してのデータはないというご回答をいただきました。とすると、やはりここで後遺症の症状を出さない、若しくは後遺症を軽減させるためにワクチンの3回目の接種を推奨するというようなご発言が散見されるのは、これは聞く側の事実誤認を招くということになりかねないと思いますので、この点、厚労省さんの方でしっかりとその辺の認識を持っていただいて情報発信をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤茂之君)
今、ワクチンの効果について、感染予防効果については3回目接種により一時的に回復することが確認されていると、そこは一致していると思います。それから、オミクロン株が出現する前のものではあるものの、一応、新型コロナ罹患後の症状とワクチン接種との関係については、ワクチン接種を2回受けた方は未接種の方と比較して28日以上発熱や倦怠感等の症状が続く頻度は低下するという、これは査読済みの論文も出ていると。そういう形で今国際的には徐々に徐々にデータが積み上がってきている。当初、分かりにくかったのは、ワクチンの効果、重症予防効果と発熱予防効果はあるけれど感染予防効果は余りないのではないかというのが当初の頃のワクチンの効果に対する認識でありましたけれども、徐々にいろいろなところでいろんなデータが出てくることによりまして、感染予防効果についても若干の効果が、重症予防効果に比べて低いということはあっても、そういう形で一時的に回復する、しかし、しばらくたってくると、8週間とかたってくると大分下がってくるというような客観的なデータが積み上がっております。そういう意味では、国際的なデータも、そしてまた国内における専門家のデータも新しくなってきておりますので、我々としては、そうしたものを丁寧に分析して、そして専門家の皆さんのご意見もよく踏まえながら、最も的確な発信、最も的確な対応をしていく必要があるというふうに思っています。
○石垣のりこ君
的確な発信、エビデンスに基づいた発信をしていただきたいと思います。オミクロン株に関しては、やはり発症予防効果に関しては、まだそんなにデータが集まっていないというか、逆に言うと、発症予防効果は、やはりオミクロンに関してはこれまでよりも更に低いのではないかというデータが出ているというふうに私自身も認識しておりますので、3回目打ったから安心だとか、かからないというような認識が広まらないように、厚生労働省としてはしっかりと発信をしていただきたいと思いますし、ちょっと時間がないので次回に譲りますけれども、改めて、何ゆえに4回目を若い方たちに勧めないのかということも、勧めないという事実だけが、発信だけが先に行っていて、それがどういう理由があるのか、3回目までは大丈夫だけど4回目が勧められないのはなぜなのかと、これは不安を抱く理由にもなると思うんですよね。その辺のちゃんとしたご説明というのが非常に曖昧になっているなというふうに感じますので、この点しっかりとしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。最後に、ワクチンに関して。ちょっと先ほど追加で質問すればよかったんですけれども、これまでのワクチン、もう使わなくなったものに関してキャンセルされたものもあるというふうに認識をしておりますが、このキャンセル料に関しては掛かっているんでしょうか。
○国務大臣(後藤茂之君)
アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、1億二2000万回分を購入したものの、国としての供給を受ける必要がない分については供給を止めることが可能となっておりまして、同社と協議の上、既に約4000万回分はキャンセルをいたしました。このキャンセルに伴いまして、同社に対して日本政府から違約金を支払う必要はなく、既に支払済みの金額から4000万回分のために同社に生じた必要経費を除いた金額が日本政府に返還されるということになっております。
○石垣のりこ君
必要経費を除くということで、本当は金額も明らかにしていただきたいとは思いますけれども、まあ諸事情というか、様々な点を考慮してということで、一切その点については公表されないということで残念ではありますが、キャンセル料はそのようなことであるというふうに承知いたしました。この後もまた、薬機法に関しての審議、同僚の議員の川田議員の方から引き続き行いたいと思います。私からの質問は以上です。ありがとうございました。