参議院 東日本大震災復興特別委員会
12月23日 参議院 東日本大震災復興特別委員会で質問
★2024年12月23日 参議院 東日本大震災復興特別委員会で質問に立ちました。ぜひ録画をご視聴ください。
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/BPH3NZWCsck?si=Gi354kfzSdlKcmrM&t=2207
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/807893363
令和6年度12月23日
参議院東日本大震災復興特別委員会(未定稿より転載)
◯石垣のりこ君
立憲民主・社民・無所属会派の石垣のりこでございます。まず冒頭、今回の委員会の持ち方について一言苦言を呈しておきたいと思います。会期が延長されることになりまして、慌てて委員会の日程が決定をいたしました。金曜日の昼に所信、その日の午後5時までに質問通告で、月曜日の朝から質問という日程は通常あり得ないと思います。この日程だと、答弁を作る官僚の皆さん、土日の休日出勤を強いられることもあると思いますし、休日出勤が前提であるかのような日程というのはいかがなものかと思います。そもそも、外交日程などで臨時国会の召集が遅れました。召集と同時に補正予算も提出されませんでした。1週間後に補正提出になりました。で、政倫審の予定なども考慮されていなかったということですね。これ、政府も与党も、この国会日程、余りにもこれひど過ぎるのではないかと思いますけれども、まあ参議院の議員の皆様は、いや、衆議院の予定がというような思いがもしかしたらあるかもしれませんけれども、これ、一義的に与党の、この国会日程に関しては責任でございます。特別国会を閉じずに続ける方法もあったでしょうし、特別国会が終わってすぐに召集もできたはずです。来年の通常国会の日程が報じられておりますけれども、課題山積みにもかかわらず、随分ちょっとのんびりとした日程ではないかと。もちろんまだ決定ではございませんが、来年夏には参議院選挙もございます。報じられている日程ですと延長は難しいかと思います。今のような日程感覚で、必要な審議、そして熟議にもとるような、熟議が遠のくのような事態になりかねないと非常に懸念を持っております。通常国会では決してこのようなことがないように強くお願いを申し上げたいと思います。では、大臣所信への質疑ということで、まずは震災の記憶、記録の伝承について伺います。伊藤復興大臣、国立国会図書館が運営している震災アーカイブ「ひなぎく」、ご覧になったことありますか。
○国務大臣(伊藤忠彦君)
拝見をしたことはございませんが、ただいまお話をいただきましたので、是非見せていただきたいと思います。
○石垣のりこ君
復興大臣になられていろいろお仕事はたくさんあると思いますけれども、この所信で、東日本大震災の記憶と教訓を決して風化させることなく、後世に受け継いでいくことも重要ですと述べられているわけですから、震災アーカイブの必要性、重要性についても認識はおありになると思いますけれども、改めて、そのようなこの重要性についてどのようなお考えをお持ちか、お願いします。
○委員長(小沢雅仁君)
挙手をお願いします。
○国務大臣(伊藤忠彦君)
私が申し上げたことは、全国民の皆さんとともに、この記憶を失わない、忘れない、そして繰り返し繰り返しつないでいく、そうしたことをすることによって、今後またこうしたサイズの災害が起きたときにどう助け合うのか、そうしたことを参考にしていくためにも極めて重要なことだという認識をいたしております。
○石垣のりこ君
その一つにやはりこのアーカイブというのもあると思います。で、アーカイブそのものも非常に私も重要だと思いますし、地元の方が管理できなくなったサイトを引き受けて国会、国立国会図書館が運用してくださっていたり、本当に皆さんご尽力いただいているということは分かるんですけれども、やはり、使いやすさ、活用という点では今後やっぱりもっともっと改めていくところも多いかと思います。震災アーカイブ、語り部などの震災の記録、伝承に関しては、昨年の4月にこの委員会で私質問をいたしました。当時の渡辺復興大臣は、F-REIの中の大きな事業の目的の一つにして、今までの被災地の状況の中の伝承、様々な事案について研究する一つのセッションが設定してございますので、F-REIの中でもしっかりとそれを検討していっていただきたいと思っていますと答弁されているんです。そこで、F-REIのホームページで公表されている研究内容、該当するものがないかどうか見てみたんですが、残念ながらそのような研究が見当たりませんでした。F-REIで東日本大震災の記録、記憶の伝承について具体的に何か取り組んでいるか、ご説明ください。
○国務大臣(伊藤忠彦君)
F-REIでは、原子力災害に関するデータや知見の集積、発信の分野の研究といたしまして、原子力災害の被災地において地域社会等に関する調査と分析を行い、地域の安全性を高めるための科学的知見の蓄積と発信等を行うことといたしております。このうち、委員のご指摘の取組として、現在、例えば福島の経験に関わる情報発信のデータ収集や、それらの情報が人の行動心理に与えた影響の分析など、大規模災害時の情報提供のあり方に関する研究等を行っているということでございます。
○石垣のりこ君
今大臣からご説明いただきましたけれども、あくまで、このF-REIは、福島国際研究教育機構と、福島と付いておりまして、原発事故に関連することに特化してということで、例えば津波災害とか、被害に遭った地域のなりわい、文化の継承に至るまで、広く東日本大震災についての記録、記憶というのは一部であると、全部は対象になっていないということでよろしいですか。
○政府参考人(牛尾則文君)
F-REI、現在研究対象しておりますのは、福島を中心ということではございますが、当然、複合災害でございますので、原子力災害以外についても取り扱っているところではございます。
○石垣のりこ君
では、冒頭の質問に戻るんですけれども、今私が申し上げたような津波災害も含めた研究というのは行われているんでしょうか。
○政府参考人(牛尾則文君)
F-REIの研究、様々ございまして、例えばロボットという分野がございますけれども、こちらの中では災害時にも活用できるようなロボットの研究開発のあり方ですとか、そういった内容も研究をさせていただいているところでございます。
○石垣のりこ君
私、伝承の話で伺っていて、昨年の4月のこの委員会での質問で、渡辺復興大臣がF-REIの中でそういう研究をしていくというふうにおっしゃっていて、具体的に、じゃ、どのような研究がなされているのか、現在進行形のものが私が探した範囲では見当たらなかったので、それに該当するようなものがあるのかどうなのかという質問をしております。
○政府参考人(牛尾則文君)
大変失礼いたしました。先ほど大臣からもご答弁させていただきましたように、現在、F-REIで研究しているものの中には福島における様々な経験についての研究しておりますが、全てを網羅しているかということになりますと、現時点ではその中の一部を研究しているということになります。
○石垣のりこ君
私の質問の文脈の中ではあくまでもその福島の原発災害に特化した話ではありませんでしたので、当時の渡辺復興大臣が若干見当違いのご答弁をいただいたのかなというふうに受け取らざるを得ないんですけど、そのような認識で間違いはないでしょうか。
○副大臣(鈴木憲和君)
すみません。私が答えるのが適切かどうかあれですけど、先生のご指摘は恐らくその津波の部分についてもしっかりと伝承していくべきというご指摘だというふうに思っておりまして、F-REI、今始まったばかりであります。特に福島について重点的にやっているわけですけれども、津波も含めてどういうことができるのかは今後検討すべきかというふうに認識をしております。
○石垣のりこ君
広くやっていただくのはもちろん重要だと思いますが、説明資料を拝見する限り、原子力災害に関するデータや知見の集積、発信というところはあるんですけれども、津波災害という、もっと広く、この東日本大震災の中でどういうことがあって、どういうものを教訓として伝承すべきかということに関しては触れられていないんですね。なので、今後もし検討事項の中に挙げられることあるのかもしれませんけれども、当時、F-REIがちょうどスタートするときだったので、渡辺復興大臣がちょっと勘違いをしてご答弁をされたのかなということをちょっと確認したくて質問させていただきました。広く研究をしていただく分にはいいとは思うんですけれども。その伝承ということが非常に大事であるということは皆さんもうご承知であると思います。震災から時間が経過してハード面の復興も進んできますと、やっぱり全体のその予算というのは減少していくのだとは思いますけれど、逆に、この伝承、伝えていくということは、語り部の皆さん、もちろんどんどん経験された方というのは少なくなっていく。じゃ、そうしたときに、どういう形で伝承していくかというところに力を入れていくという点では、やはりこの部分の予算というのは逆に時間の経過とともにより手厚くしていかなければならないと考えますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤忠彦君)
私ども復興庁といたしましては、そもそも東日本大震災の記憶、教訓を後世へ継承していく、そのための取組といたしまして、震災遺構の保存に対する初期費用の支援をさせていただくとか、復興政策10年の歴史をまとめる作成をさせていただき、公表をさせていただいたところでございます。今後とも、復興ノウハウの講演会の開催、語り部団体へのハンズオン支援、そして復興大臣表彰の実施、伝承館を紹介するガイドブックの発刊、そしてまたその英語版の作成など、様々な復興の知見やノウハウの収集、提供を行ってまいる所存でございます。
○石垣のりこ君
来年度の予算がどういうふうに出てきて、その部分でどういう手当てがなされているかということも確認しながら、また継続して伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。続いて、汚染稲わらについて伺います。現在、宮城県内で保管されている汚染稲わらの量と保管の箇所の数を教えていただけますか。8000ベクレル以上と8000ベクレル未満と、両方お願いいたします。
○政府参考人(白石隆夫君)
すみません、数についてはちょっと手元にデータがございません。保管の量につきましてお答え申し上げます。宮城県内で保管されております農業系の廃棄物の量につきましては、県への聞き取りによりますと、平成26年時点では約5万3000トンでございましたが、令和6年時点では約1万4000トンとなっております。これは、各市町村において焼却等により処理を進められてきたことが保管量の減少につながったものと承知しております。それから、このうち放射性のセシウムの濃度が8000ベクレル・パー・キログラムを超えるものにつきましては、平成26年時点で約4万9000トンで、4900トンでございましたが、令和6年時点では約1000トンというふうになってございます。これは処理による減少ではございませんで、放射性セシウムがその間減衰いたしまして、平成27年から28年にかけて再測定を行ったところ、8000ベクレル・パー・キログラムを下回る数値を示すものが多数見られたということによるものでございます。
○石垣のりこ君
これ、それぞれ今後どのように処理していくという方針でしょうか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君)
お答えいたします。農業系廃棄物は焼却等により処理することが可能であり、これが保管量を減らす上で最も一般的な方法と考えております。環境省では、農業系廃棄物の処理を行う市町村等に対し、財政支援及び技術的支援を行っております。また、放射性セシウム濃度が8000ベクレル・パー・キログラムを超えることによって指定廃棄物となった稲わら等が、今お話がありましたように、その減衰により8000ベクレル・パー・キログラム以下になった場合においても、保管者からの申出等に基づき指定を取り消すことが、ことで焼却等により処理を行うことが可能となり、これも保管量を減らすための一つの方法であると考えております。これまで農業系廃棄物の焼却処理が進められてきた地域もある一方で、地域の状況などにより、指定の取消しや焼却等により処理を進めることが難しい地域もあると承知をしております。このような地域において、環境省では、日頃から県や市町村等とのコミュニケーションを通じて状況を伺っているところであります。引き続き、地域の実情を注視し、関係自治体と相談しながら、状況に応じ、財政的な支援はもちろんのこと、説明会支援など地元にご理解をいただく取組など、地元に寄り添って対応を進めていきたいと考えております。
○石垣のりこ君
それぞれ市町村と綿密に丁寧に話をしながらということなんですけれども、これ、進められている自治体と、お話しいただいたようになかなか進まない自治体あります。この進まない自治体に関しては、やっぱり住民、自治体からしますと、千年に一度の大きな地震だったとはいえ、人災ともいうべきこの原発事故を東電が起こして汚染を振りまいておいて、各地域で保管や処分はお願いしますと言われても、気持ちの上では納得できないと。原子力政策を進めてきた国の責任であり、直接的には東電が本来やるべきだという意見が非常に強いということで、このような住民のご意見について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君)
そういったご意見があることは承知をいたしております。そして、今お話をいたしましたように、しっかりと状況を説明し、今申し上げましたように、8000ベクレル以下になったところについては、これは指定を取り消し、焼却ができるということに対して理解を求めていきたいというふうに考えております。
○石垣のりこ君
この、元々、その8000ベクレル以下になったから安全に処理できるという環境省の方針ですけれども、元々、原発事故、福島原発事故以外の放射性物質で汚染されたものについては、安全な処理基準としては100ベクレル・パー・キログラム、この基準をしたままですよね、本来は。これ、ちなみに、その確認、通告していないので答えられなかったらいいんですけれども、この認識で問題ないですか。
○政府参考人(白石隆夫君)
ただいまご指摘のございました100ベクレル・パー・キログラムというのは、放射性汚染、放射性物質に汚染されていないものと差し支って、差し支えないというレベルのクリアランスの基準だと思っております。現在、8000ベクレルは、そういった中で、環境省が除染特措法に基づく処分の基準といたしまして、きちっとその最終処分を、処分を行うと、あるいは再生利用を行うと、こういったレベルできちっと処分ができるというものとして処分の基準を定めようとしているものでございまして、8000ベクレル以下のものに関しては、廃棄物処理の中で焼却をし、処分場に埋設をするということで差し支えがないということで定めているものでございます。
○石垣のりこ君
2つの基準でやっていることに関して、環境省は、100ベクレル・パー・キログラムを安全に再利用できる基準、8000ベクレル・パー・キログラムは廃棄物を安全に処理できる基準というふうにおっしゃっているんですけれども、あくまでも東日本大震災における福島原発事故以外の放射性物質、放射性汚染物質の処理に関するクリアランス基準が100ベクレルということで、パー・キログラムということで、これ、あくまでも特例でございます。そもそも、公害の問題、公害問題の原則として「汚染者負担の原則」というのがあるわけですが、実質的な処理責任、管理負担、そしてリスクの受容というのが住民と自治体に押し付けられているとう現状にあるのではないかと思います。ですので、これ、やはり国が率先して、この自治体の処理に関してちょっと、お任せというような状況、もちろん、いろいろお話を聞かれたり、この進展のために努力されていらっしゃることも分かるんですけれども、もうさすがにこの自治体にお任せしますという状況は、私たち、ちょっと無理なのではないかと、もう現場のお話を伺っていても考えるんですけれども、この点の見直しをされる予定はありませんか。
○政府参考人(白石隆夫君)
お答え申し上げます。まず、汚染されているその農業系の廃棄物等を一部その、一部集約をするであるとか、市町村の皆様あるいは個人の農家の方に一部保管をいただいているという現状が続いていることに関しては、大変政府としても心苦しく思っております。きちっと国としても、その処理責任を果たすという意味で、例えば、その何か費用面に関しましては、市町村等と保管委託契約を締結することによりまして、例えば、保管費用を100%国費で負担するとか、あるいは、指定廃棄物でないものに関しては保管費用を国が支援する仕組みございませんけれども、処理費用について国費100%の補助金で支援をするとか、きちっと財政的には責任を果たしてまいりたいというふうに考えてございます。また、処分の促進に関しましては、地元の市町村のご事情をきちっとお伺いしながら、我々としても、可能な方策、財政的あるいは技術的にもご支援をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○石垣のりこ君
進んでいる部分とどうしてもなかなか進まないところがあるということで、これはすぐに解決できる問題ではないかもしれませんけれども、ちょっと今後もしっかりと地元と対応しながら、環境省の方にも、そして復興庁の方にも申し上げていきたいと思います。時間が来ましたので、以上で質問を終わります。