参議院 予算委員会で質問

3月4日 参議院 予算委員会で質問
★2022年3月4日 参議院 予算委員会 Youtube録画 https://youtu.be/anbYQlNdgh8?t=764

令和四年三月四日(金曜日) 参議院予算委員会(未定稿より転載)

○石垣のりこ君
立憲・社民の石垣のりこです。よろしくお願いいたします。まずは、ウクライナ問題についてから伺います。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵略からもう1週間以上が過ぎました。おととい、岸田総理大臣は、ウクライナからの難民の受入れを表明されています。本日の本会議でもその旨に言及されていらっしゃいましたけれども、国連によれば、既にウクライナからの難民は100万人を超えていると。このまま戦闘が続けば450万人の難民が発生するとの推計も出されています。それでは伺います。ウクライナからの難民受入れについて、どのくらいの人数を想定されて、そして具体的にどのような体制で受入れをされていくのか、お答えください。

○国務大臣(古川禎久君)
お答えいたします。総理もこれまでも述べられておられますとおり、政府では、困難に直面するウクライナの人々のための支援に力を尽くして、我が国への避難民の受入れを進めていくということを決めております。まずは我が国に親族や知人がおられる方の受入れを想定しておりますけれども、しかし、それにとどまらず、人道的な観点から対応をしていく、こういうことになっております。法務省としては、今後、この問題はこれ政府全体で一丸となって行うべきことでございますので、この政府全体におけるこの検討を踏まえた上で、関係省庁としっかり連携をしながら、積極的かつ適切に対応してまいる所存です。

○石垣のりこ君
EUでは、難民の申請の簡略、手続も簡略して受け入れると、積極的に受け入れると、その後、受け入れた方たちの生活支援に関しても、そして子供たちの教育に関しても積極的な対策を打ち出していますが、その辺、より具体的にどのように対応されるのか、もう一度お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(古川禎久君)
お答えいたします。難民条約上の難民ということであれば、ありましたら、それは申請者ごとにその申請内容を審査した上で難民と認定すべきかどうかという、そういう判断をする段取りになっておりますけれども、しかし、仮にその方が条約上の難民と認定されない場合でも、この現下のこの情勢を踏まえて、人道上の配慮が必要と認められるものについては我が国への在留を積極的に認めていくということになります。

○石垣のりこ君
その難民申請の問題はもちろんあるんですけれども、仮に在留許可が出された場合、ビザが下りた場合には、在留許可は、理由は、あくまでもウクライナから戦火を逃れて避難をされてきたということであれば許可はされるということでしょうか。

○国務大臣(古川禎久君)
お答えいたします。その当該外国人の方がこの日本在留を希望するその理由などをよく聞いた上で、ふさわしい在留資格を積極的に交付してまいります。

○石垣のりこ君
すみません、ふさわしいという、その選別の理由というか、選定の理由というのは一体、具体的にどういうことですか。

○国務大臣(古川禎久君)
ふさわしいと申しましたのは、まあ在留資格にもいろいろ種類がございます。ですから、その、何と申しますか、例えばその御本人の御希望が、例えば就労みたいなものも含めて可能になるもの、そういうこの状態を希望しているとか、それぞれ事態があります、御希望があると思いますから、そういうものをよくお聞きしながら、御本人の御希望に沿うような形での、ふさわしいというのはそういう意味で申したんですけれども、御本人のこの御希望に沿うような形でそれに見合ったこの在留資格を交付するように努力をするということでございます。

○石垣のりこ君
仮に難民という申請を、難民を希望するということであれば、このようなウクライナの情勢に鑑みて積極的に難民申請を受け入れるということでよろしいでしょうか。

○国務大臣(古川禎久君)
難民と言いますよりも避難民と言った方がふさわしいのかなと思うんですが。というのは、その難民と申しますと、いわゆる難民条約というものがございます。その定義に当てはまるかどうかというような、そういう話になってまいりますから。ただ、私が申し上げておりますのは、こういう事態が現在起きているわけです。そして、人道上の理由から私は積極的に受け入れるべきだと思いますし、入管としてはそのように対応したい。そのときに、この難民条約というこの枠にとらわれずに、やはりきちんと受入れが進むように、その在留資格の付与を始め、そこは柔軟に対応する。その結果として積極的に受け入れるように努力をしたいと、こういうことを申し上げております。

○石垣のりこ君
いや、もちろん在留資格という方法もあるんだとは思うんですけれども、やはり日本で一定の期間暮らすと、その後どうなるかは分かりませんけれども、ことを考えた場合に、やっぱり難民として、しっかりと様々な生活の保障というか、権利も含めて認めていくということが必要になるんではないかと思いますので、積極的に難民申請を希望されて日本での暮らしを希望される方は、現在のこのウクライナ状況に鑑みてしっかりと法務省の方で対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(古川禎久君)
受け入れた後のその生活支援というようなことを含めて、私はそういう判断は必要になろうかと思います。その際、政府としてどのような形として受け入れるかというのは、法務省というふうに限定するのではなく、政府を挙げて、結果としてその生活支援につながるような、そういう工夫をしていく必要があるだろうというふうに感じております。

○石垣のりこ君
是非、責任のなすりつけ合い、押し付け合いにならずに、イニシアチブを取って積極的に、ウクライナでお困りになっていて、今、日本に逃れてくる方に対して生活を保障していただきたいと思います。

○森本真治君
委員長。

○委員長(山本順三君)
関連質疑を許します。森本真治君。

○森本真治君
立憲民主党の森本でございます。ウクライナ情勢に関しまして、関連質問、私の方からさせていただきたいと思います。私の方で外務大臣、官房長官の方に通告をしておりますので、私の方から質問をさせていただきます。午前中に大変心配なニュースが飛び込んできております。ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポリージャ原子力発電所でロシア軍の攻撃により火災が今発生しているというようなニュース、今日、先ほどもお昼のニュースでやっておりますけれども、大変心配する状況となっております。 今、日本政府として状況をどのように把握をされているのか、まずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(海部篤君)
お答え申し上げます。委員御指摘のございました発電所の現状につきましては、報道等を通じて、一定の事象、すなわち火災のようなものが生じているというふうなことを承知しております。それ以上の状況につきましては、現在、外務省、それからIAEAとも連絡を取りまして、現在、的確な、客観的な情報の収集に努めておるところでございます。

○森本真治君
今、国民の皆さんも大変心配だと思うのは、これやはり原発攻撃でございますから、やっぱり放射線ですね、放射線がどのような影響になっているのかということだと思います。今、情報収集というふうに言われましたけれども、例えば近隣諸国も含めて、モニタリングポストの値ですね、これが上がっているのではないかとかというようなことはすぐにこれ把握ができると思うんですけども、この辺りの今のこの放射線の流出についての状況だけでもこれはもう速やかに国民の皆さんにも伝える必要があると思いますが、確認できていますか。

○政府参考人(海部篤君)
お答え申し上げます。ザポリージャ原子力発電所以外のところも含めまして、現状をただいま的確に把握している最中でございます。一方で、昨日までの時点でIAEAとの間で定期的に連絡を取っているということはございます、我が方としてですね。それから、IAEA側もウクライナの原子力規制当局との間で毎日連絡を取っておると。で、その過程におきまして、昨日までの時点ではモニタリングポストを通じた放射線の数値の異常な状況は見られていないということでございますが、これは昨日までの状況でございますので、引き続き注意深く注視してまいりたいというふうに考えております。

○森本真治君
もうとにかく、これは情報も逐一やっぱり国民の皆さんにお伝えをしていく必要もあると思います。政府の方ではしかるべく方法を通じて情報発信もされると思うんですけれども、ちょうど今、予算委員会もやっておりますので、大臣か官房長官か、我々のこの会派の持ち時間の間で情報が入ってくればまたこれについてはこの委員会でも御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。ちょっと石垣委員の方に戻ります。

○石垣のりこ君
続いて、新型コロナウイルス関連について伺います。後藤大臣、現在の感染状況をどのように御覧になっているか、どのように受け止めていらっしゃるか、まずは御回答いただけますでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君)
足下では全国的にオミクロン株の感染拡大のペースが落ち着き始めておりますが、新規感染者の絶対数は多く、遅れて重症者数が増加するリスクもありまして、警戒を緩める状況にはないというふうに考えております。

○石垣のりこ君
お配りしている資料の1枚目、7日間の新規死者数のグラフを御覧いただいてももちろんですし、ちょっと飛びますけれども、7枚目、都道府県別のPCR等検査実施状況の推移の一番右側の欄ですね、検査陽性率、御覧いただきたいと思うんですが、今年に入ってから特に47都道府県の週ごとの陽性率、70%とか80%とか、中には100を超えているということ、ところもございます。この陽性率、どのように解釈したらいいんでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君)
PCR陽性率につきましては、地方衛生研究所、保健所、民間検査会社、大学及び医療機関におけるPCR検査実施件数を分母として、そして都道府県の発表日ベースの疑似症患者を含む新規陽性者数を分子として機械的に算出した値でありまして、感染状況の参考資料の一つとして公表しているところでございます。このPCR陽性率には、今回の感染拡大で都道府県のPCR検査実施件数報告の遅れにより一部の都道府県で値が大きく変動するなどの課題が明らかになっているのは今先生が御指摘のとおりでございます。このため、今後、算出方法について専門家の意見も踏まえて検討してまいりたいと思っております。

○石垣のりこ君
まあ検査の報告の遅れというのももちろん要因としてはあると思うんですが、絶対的に検査数が少ないのではないか、これちょっと後ほどまた関連でも質問いたしますけれども、それが要因にあるのではないかとは思います。さらには、疑似症患者、いわゆるみなし陽性という制度をつくってしまったということが本当にこれ大きな問題になっていると私は考えております。現状どこまで感染が広がっているのか分からないというのがこの陽性率も含めて推測できるところなんですけれども、専門家会議の脇田座長が、2月の上旬に感染のピークを超えたというふうにおっしゃっています。この根拠について教えてください。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。毎日、新規陽性者の数を見ておりますけれども、その中で、1週間ごとの新規陽性者を一つの指標として見ております。直近の1週間とその前の一週間とで比で見ていきますと、1.0を割り込む日が現在のところ続いているというところでございます。

○石垣のりこ君
1週間での比較ということですが、結局は検査数が少なくて陽性と判定される方が少なければどんどん減っていくのは、これはもう当たり前のことです。検査をしていないから減っているということも一方では言えるのではないかと、その一つの指標が陽性率に表れているのではないかと申し上げたいと思います。では、現在の日本の感染状況を把握するのに1日当たりどのぐらいの検査数が必要だと見積もっていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。直近の数字でありますと、1日当たり7万から8万の陽性者が出ておりまして、これ陽性率を掛けますと、そのやっぱり5倍から、5倍程度は必要ではないかと考えております。

○石垣のりこ君
現状を把握するのに、現在の陽性者が7万から8万と。すみません、もう一回、ちょっと意味が分からないので答弁していただいてもよろしいですか。

○政府参考人(佐原康之君)
今、直近の数字では、1日当たり7万から8万人の方が陽性になっております。一般的に、これまで陽性率というものにつきましては5%あるいは10%というものがより適切なものであるということでありましたので、そういった指標から見ますと、この掛ける、すみません、5倍ではなくて10倍程度の数字は必要かというふうに考えております。

○石垣のりこ君
5%もしくは10%、これクラスター対策をしていたときの数字が10%、市中感染のときが5%という数字を私はコロナ感染の当初に伺っておりますけれども、今、先ほど見ていただいた陽性率見て、御覧いただくとおり、5%、10%どころか100%超えているような陽性率もあるわけですよね。これ、確実に検査が足りないということなんじゃないでしょうか。かつ、検査拡大と言いながら、現在、厚生労働省のホームページに載っている検査可能件数は40万弱でございます。どこを目標に検査を拡充していくのか、その目標の数字というのはあるんでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君)
厚生労働省として目標という数字は設定しておりませんけれども、現場で支障がなく検査ができるという状況をつくっていくことが大切だと思っております。

○石垣のりこ君
現場が支障なくということなんですが、1月27日付け都道府県宛ての通知、「検査促進枠」の取扱いについてという通達が出ております。資料にもお付けしています。これは資料の②ですね。こちらでは、言ってみると、検査の優先枠を設けてというか優先順位を付けて、できるだけ、今検査キット等が足りないので若干検査を抑制してくれと、そのような内容になっているわけなんですけれども、まずはその内容についての確認ですが、改めてこの要旨についてお答えいただいてもよろしいですか。

○政府参考人(柳樂晃洋君)
お答えいたします。この資料の事務連絡でございますが、1月27日に厚生労働省から検査の優先付けと検査キットの供給のコントロールを行う方針が示されまして、無料検査につきましては、足下の検査件数を続けられるよう努めることとされたということを踏まえまして、同日、内閣府地方創生推進室と私ども内閣官房コロナ室から都道府県に対しまして事務連絡を発出をし、無料検査事業について、各都道府県において1日当たりの検査件数を1月第2週における1日当たり平均検査実績の2倍以内としていただくようお願いしたものがこの事務連絡の趣旨でございます。

○石垣のりこ君
先ほど、現在の感染者数が7万から8万で、必要な検査は大体その10倍ぐらいが必要だと。実際、今、厚生労働省のホームページには40万弱しかないということで約半分だと思うんですが、その中で、検査をこれだけ自由、あくまでこれ無料検査になりますけれども、どんどん拡大していく方向ではなく、制限をしていく方向にせざるを得ないというのは、これ、検査拡充においての失策だと私は考えます。この通達においては、解消、逼迫が解消した時点において解除するものと書かれているんですが、現在の状況、これはまだ継続されているんでしょうか、それともまだ逼迫した状況という認識でしょうか。お答えください。

○政府参考人(柳樂晃洋君)
お答え申し上げます。今般、厚生労働省から、抗原定性検査キットの供給は改善傾向にあり、無料検査事業につきましても、当面これまでの2倍程度の検査実施に十分な抗原定性検査キットの供給が可能と見込まれ、更に供給量の確保に取り組む旨が示されたところでございます。これに伴いまして、私ども、厚生労働省と協議をした結果、抗原定性検査キットを用いた無料検査につきまして、まずは、1月27日の事務連絡を受けて各都道府県において設定した計画費の対比でその2倍以内まで可能といたしました。また、今後、行政検査分も含めまして十分な供給を確保され次第更に増やす予定である旨、本日事務連絡として内閣官房から都道府県に対してお示しをしたところでございます。引き続き、厚生労働省と連携を図りながら、状況の変化を踏まえまして適切に対応してまいりたい、このように考えてございます。

○石垣のりこ君
状況は御説明いただきましたけど、結果的に現状この通達はまだ生きているのか、つまりは逼迫した状態が続いているという判断されているのかどうかについてはいかがですか。

○政府参考人(柳樂晃洋君)
抗原定性検査キットにつきましては、これまで増産要請等の取組をした結果、平均1日当たり約200万回分以上の生産、輸入を確保しておりまして、全体としては需給状況が相当程度改善していく見通しであるというふうに聞いております。需給状況について、引き続き厚生労働省と連携図りながら状況の変化を踏まえて適切に対応し、また、この件数制限についても、その終了のめどなどについて考えていきたいというふうに考えております。 以上でございます。

○石垣のりこ君
抗原定性検査キットについては1日200万ですか、というのは分かりましたけど、PCR検査に関してはいかがですか。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。PCR検査につきましては1日当たり40万件の能力を以前より確保しておりますので、これについては以前と変わっておりません。

○石垣のりこ君
でも、この通達の中にはPCR検査も含めてあるわけですよね。その点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君)
すみません、御指摘の趣旨がよく分からなかったんですけれども、PCRにつきましては、これまでも現在も約1日当たり40万件のキャパシティーをキープしているというところでございます。

○石垣のりこ君
ここにはPCR検査キットも含めて抗原定性検査キットもということで書かれていると思うんですけれども、先ほどの別な方の御答弁では、抗原定性検査の方は十分に供給されているというお話で、PCR検査キットに関しての言及がなかったので、その点についてはどうでしょうかという御質問だったんですけれども。

○政府参考人(佐原康之君)
失礼いたしました。PCRにつきましては、現在、現場でPCRが足りないというような、大きな不足があるというような状況にはない。つまり、一定程度の供給はされているというふうに考えております。

○石垣のりこ君
では、この通達に関しては、半分は、まあPCR検査は大丈夫だけど、PCR検査キットに関しては大丈夫だけれども、定性検査に関してもほぼ大丈夫ということは、これはもう通達としては解消ということでよろしいんですか。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。2月に出しました通達は、医療機関でありますとか行政での検査、行政検査、あるいはエッセンシャルワーカーの方に行う検査、それから一般の無症状の方に薬局等で買っていただいて御自分でやるような検査、こういったものについて総合的に見たときに逼迫があると。その中で、医療機関あるいは自治体の行政検査を優先してやってくださいということでございます。当時のような逼迫状況というのはかなり改善しているというふうに考えております。先ほども内閣府官房の方からもありましたが、1日当たり200万件のPCRのキットも供給されるようになりましたので、トータルとしては2月よりはずっと改善していると考えております。

○石垣のりこ君
現状維持には何とか足りているというような御答弁だったと思いますけれども、先ほどのお話にもありましたように、現状が本当に感染状況どうなっているのかというのは、検査が不足しているため実態は分からないというのが本当のところだと思います。現状の10倍のPCR検査、最低でもできるような体制にしっかりと数字の目標を根拠あるものとして定めていただきたいと思いますが、厚労大臣、お願いします。

○国務大臣(後藤茂之君)
今の局長、内閣官房も含めてのやり取りは、一部の地域で一時的に検査需要が検査キットについて逼迫したと。これは、薬局に対してもう集中的な品薄感から注文が入ったことによりそういう事態が生じました。そのために、検査キットについては、優先順位を付けて優先供給の仕組みを一時だけ取らせていただいたと。PCR検査は基本的には足りないということはないんですけれども、試薬が一時本当に、この通達が出た当時、少し足りない時期もあったので、それでこういう通達になっていると思います。いずれにしても、検査の充足、今、増産と輸入の最大限の取組を行って、1日当たり200万回、それから、PCR検査については制限をすることなく今現場で使っていただいておりまして、そうした検査体制、充足ができるようにしっかりしていくとともに、先ほど先生の御指摘になった判断についてのその根拠になる、例えば感染率の話だとか、そういうことについては分母、分子が合っていない話。これはもう従来からそういうことになっていたわけですけれども、こうして感染をしっかりとオンタイムで判断をしていかないとき、いかなければならないときには、そういうことについてもより一層きちっと取り組んでいく必要があるということで、しっかりやらせていただきたいと思います。

○石垣のりこ君
もろもろいろんな指標あると思うんですけれども、感染状況、現状が分からないことには、根拠に基づいたしっかりとした対策というのははっきり言って無理なのではないかと思います。そのためには、まず、もう本当に感染症対策の基本として検査というのをしっかりと、どんな状況になっても逼迫しないところまでしっかりと引き上げていただく対応を求めたいと思います。その上で、続いてワクチンについても伺いますけれども、ワクチン、重要であることは十二分にもちろん私も認識しておりますが、ワクチン頼みになってもいけないということを非常に、このオミクロンの件も含めてですね、これまでの対応を見て感じるんですが、3回目の現在接種が進められていますけれども、オミクロン株への効果について、感染そのものを抑える効果、感染はするかもしれないけれども発症を抑える効果、また、入院若しくは重症化を抑える効果、どのぐらいあるんでしょうか。尾身会長にお答えいただきたいと思います。

○参考人(尾身茂君)
先生おっしゃるように、これは重症化の効果というのは2回目の接種でもある程度あることは分かっております。さらに、3回目やれば少し上になる、上昇するということで、特に高齢者の方を含めて私はやっていただきたいと思います。ただし、いわゆる感染予防効果というものは、3回接種をしたとしてもそれほど重症化に比べてパーセントが上がるわけじゃないので、この辺は、重症化予防あるいは入院の予防というものと感染者予防でちょっと差があるので、そのことは我々十分わきまえて今は対策を取る必要があると思っております。

○石垣のりこ君
ワクチンはもちろん重要であるけれども、それこそ重症化、まあ発症も含めてですけれども、抑える効果に関してはあるが、現在の状況をいろいろ見ていると、結局はかからないということではないということは、これ皆さんによりしっかりと認識していただく必要があるんだと思います。その点で改めて確認ですけれども、感染しているかどうかというのは結局検査をしなければ分かりません。

無症状の方でも、感染して無症状なのか、そもそも感染していないのかが分かりませんが、その感染した無症状の方でもコロナの後遺症がないとも言い切れないし、無症状でも他人にうつす可能性を否定できないということに関しては、これ、それで、その認識で間違っていないでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。コロナウイルスの場合には、発症する前、およそ2日ぐらい前から他人に感染する可能性があるということを言われておりますし、それはオミクロンの場合でも同じだというふうに言われております。

○石垣のりこ君
今、後遺症についても伺ったんですが。補足をお願いします。

○政府参考人(佐原康之君)
失礼いたしました。後遺症につきましては、医師がワクチンと関係のある疾患が発症したということを認めた場合には、予防接種法あるいは医薬品医療機器安全法に基づきまして届出をしていただく形になっております。

○石垣のりこ君 ワクチンの後遺症ではなくて、コロナウイルスに感染した後の後遺症で、無症状の方の後遺症ということです。

○政府参考人(佐原康之君)
失礼いたしました。ワクチンを打っていない、コロナにかかった方の後遺症につきましては、各都道府県に1か所程度、まず相談する、していただくという窓口を今つくっているところでございます。

○石垣のりこ君
後遺症にかかった方の窓口はもちろん重要なんですけど、私が申し上げているのは、症状はなかったけれども感染が確認されていて、その方が何らかの後遺症が出てくるという可能性については否定できないですよねということを申し上げているんですが、いかがですか。

○政府参考人(佐原康之君)
コロナウイルスに感染した後に何らかの後遺症が出るのではないかといったことについては様々御指摘をいただいておりまして、また、厚労省の方でも研究班等を組織しまして、その実態について今調査をしているところでございます。

○石垣のりこ君
実態調査中ということで、現在分からないということで、ないとは言い切れないということだと思います。で、結局は、ワクチンを打っていても感染する可能性はあって、症状がなくても、何らかの、後から後遺症と思われるようなことがあり得るということなわけですね。検査をしてしっかりと把握していくということが、今後の対応していくことにも、ワクチンを打っていたとしても必要だということをここでしっかりと申し上げたいと思います。その上で、今後のワクチン戦略に関してなんですけれども、これ、ブースター接種後、どのぐらいでそれぞれの効能が変更していくのか。感染そのものを抑える効果、発症を抑える効果、入院、重症化を抑える効果、ブースター接種後どのように変遷していくんでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君)
お答えいたします。例えば、オミクロン株の3回目接種の後は、例えば発症予防効果につきましては、2〜4週間後には60から70%に駄目だったものは回復しまして、さらに、15週以降はそれがまた下がって15から、25〜40%になるというような例えばデータが出ております。

○石垣のりこ君
今の指標は感染予防効果に関してですか。今私は3つの指標を申し上げました。感染そのものを抑える効果と発症を抑える効果、入院、重症化を抑える効果、それぞれどのように変遷していくんでしょうかということを申し上げました。

○政府参考人(佐原康之君)
今私の方で申し上げましたのは、発症予防効果について申し上げました。また、オミクロン株による入院予防効果につきましては、これは先ほど申し上げました発症予防効果と比較すると、比較的保たれているというふうに言われておりますけれども、3回目接種しますと、2〜4週間後には92%まで回復し、10週間以降は83%でキープ、比較的キープされているというデータが出ております。

○石垣のりこ君
重症化を予防する効果は多少継続するけれども、先ほど20〜40%というお話がありました発症を予防する効果、15週以上とおっしゃいましたので、およそ4か月ということになるかと思います。すなわち、今ワクチンを打っていても、もう4か月後には発症を抑える効果が、そこまで半分以下、少ない方だともう4分の1まで下がってしまうというデータがあるということだと思います。すると、今3回接種の最中ですけれども、既に次の、第7波来てほしくないですが、に備えてのワクチン戦略というものを考えていかなければならないと思うんですが、その辺どのように今考えていらっしゃるか、教えてください。

○国務大臣(後藤茂之君)
おっしゃっている意味は、その後のワクチン戦略ということになれば、4回目を打つ必要があるかという御趣旨なんだろうというふうに思います。新型コロナワクチンの4回目接種を考えるに当たっては、科学的知見や諸外国の状況を注視してまいりたいというふうに思っております。現時点としては、3回目のワクチン接種を希望する方が1日でも早く、できるだけ早く接種していただけるように全力で取り組んでいきたいと思います。

○石垣のりこ君
もちろん、ワクチンだけではなく、飲み薬がどういう状況になっていくかとか、新しい株がどのような性質を持っているかとかによっても変わってくるということは分かりますけれども、ありとあらゆる状況が見えてからよいしょと動き始めるのでは、これまでと同様に全て後手後手になっていくと思うんですね。かつ、ワクチン戦略の一番の問題は、次の変異株が出てきてからじゃないとそのワクチンが本当に効くかどうかが分からないという点だと思います。ただ、ここまで一応、第一世代の武漢型のワクチンが何とか一応部分的にではあるけれども効能があるということで、次のものにも効くかもしれないという前提で考えていくのであれば、もう既に次の、本当に、でも4か月の接種期間でいいのかどうかということ、今取りあえず6か月の間が空けられることがまずはマストになっていますけれども、次のことを考えていかなければいけないということだけここの部分では申し上げてまずはおきたいと思います。その上で、しっかりとやはり検査体制も、このワクチンを推進しながらも整えていただきたいと思います。では、ちょっと順番を変えさせてもらいまして、国交省の不正統計についての問題にちょっと移らせてもらいます。では、すみません、尾身会長、お帰りいただいて、(発言する者あり)あっ、すみません、すみません。尾身会長にお帰りいただいて大丈夫です。ありがとうございました。

○委員長(山本順三君)
もう一度言ってください。石垣さん、もう一度おっしゃってください、私に。石垣さん。

○石垣のりこ君
委員長、尾身会長御退席いただいて大丈夫ですので、よろしくお願いいたします。

○委員長(山本順三君)
尾身会長におかれましては御退席いただいて結構でございます。

○石垣のりこ君
すみません、ありがとうございます。それでは、国交省の統計不正問題について伺います。度重なる統計不正で公的統計に対する信頼が大きく本当に揺らいでおります。行政への信頼回復のためには、やはり政策立案の基となる統計データ、正しいものであるというのは、もうこれは論をまちません。まずは、公的統計に対する認識に関してお二方に伺いたいと思います。山際大臣、そして斉藤国交大臣、お願いします。

○国務大臣(斉藤鉄夫君)
公的統計は、政策立案や、また経営判断等の基礎になるものでございまして、その正確性が求められており、非常に重要なものでございます。特に、証拠に基づく政策立案と、こういう基本的な考え方からしても、統計はまさに政策の根幹になるものと、非常に重要なものだと、このように認識をしております。今回、この国土交通省で統計の不適切な事例が発生をいたしました。このことを深く反省をし、そして、統計の信頼性を取り戻すべく全力を挙げていきたいと決意しております。

○国務大臣(山際大志郎君)
統計そのものは、私たちが生活をしていく上で非常に重要なものであるという、そういう認識はコンセンサスだと思うんですが、私、マクロ経済を担当している大臣としては、特にこの経済というものを見ていくときに非常に重要な指標になると、このように思っております。

○石垣のりこ君
それぞれのお立場からお答えいただきましたけれども、今回の国交省の統計不正の問題点、非常に複雑で、私もいろいろ資料を読ませていただいて、もう歩くと口から統計が出てくるんじゃないかというくらい本当にたくさんの資料を読ませていただきましたけれども。その中で、統計委員会のタスクフォースでも指摘されているこの問題点の中の二重計上、いわゆる二重計上問題についてまずは伺いたいと思うんですが、今回不正がありました建設工事受注統計、長いので以下受注統計と略させていただきます。この二重計上が、建設工事総合統計、これが直接GDPに使われている統計です、以下総合統計と略させていただきます、に影響を与えたと考えられる時期、この点について伺いたいと思います。

○国務大臣(斉藤鉄夫君)
二重計上がGDPの算出に用いられる建設総合統計に影響を与えたと考えられる時期でございますが、建設総合統計においては、建設工事受注動態統計調査の推計方法の変更による差が生じないよう、同じ推計方法同士で毎年の受注総額の伸び率を算出しております。2016年度、平成28年度までは、二重計上が生じない従前の推計方法同士で毎年の受注総額の伸び率を算出し、2017年度、平成29年度以降は、二重計上が生じる新たな推計方法同士で毎年の受注総額の伸び率を算出しているところです。したがいまして、GDPの算出に用いられている建設総合統計に受注統計における二重計上の影響が生じるのは2017年度、平成29年度以降となります。

○石垣のりこ君
2017年以降に二重計上の問題が反映されているということなんですが、そこで伺います。受注統計の二重計上問題が、各時点での、いわゆるGDPの速報値ですね、QEの直近値に影響を与えたというのはいつからいつまでであるか、この点を伺います。

○政府参考人(増島稔君)
お答え申し上げます。まず、建設工事受注動態統計とGDPの推計との関係でございますけれども、受注動態統計は、GDPの推計に直接的に利用しておらず、直接影響するものではございません。他方で、受注動態統計を基に作成されております建設総合統計、この伸び率につきましては、GDPのうち建設投資部分の推計に用いているということでございます。このため、今回の受注動態統計の二重計上、この問題が建設総合統計に影響を及ぼす場合には、間接的にGDPに、GDP統計にも影響が及ぶ可能性があるということでございます。その上で、お尋ねの各時点でのQE、四半期別のGDP速報への影響につきましては、先ほど国土交通大臣の御説明にもありましたように、まずは二重計上の影響を受けた新たな推計方法、いわゆる新推計ベースの受注動態統計でございますけれども、これを基に建設総合統計が作成され始めたのが2017年度、すなわち2017年6月に公表された2017年4月分以降というふうに承知をしております。それを踏まえて、GDP統計では、2017年の8月に公表いたしました2017年4ー6月期の、17年4ー6月期ですね、のQEにおきまして、新推計ベースの受注動態統計に基づいた、基づいて作成された建設総合統計の伸び率を使い始めた。で、それ以降公表したQEにおいては同様に使っているという状況でございます。いずれにいたしましても、国土交通省によりますと、今回の受注動態統計の問題が建設総合統計に与える影響は軽微ということでございますので、こうしたことを踏まえますと、各時点のQEへの影響は、まあ仮にあった場合でも軽微であるというふうに考えております。

○石垣のりこ君
影響を与えた、GDPの速報値に影響を与えた時期、2017年の4月ー6月期からということがありましたけれども、いつまで、直近でいつまで影響を与えていますか。

○委員長(山本順三君)
的確に、簡潔にお答えください。

○政府参考人(増島稔君)
はい、分かりました。新推計ベースの受注動態統計に基づいて作成された建設総合統計、現状直近でも使っておりますので、直近では2021年10ー12月期の数字まで使っているということでございます。

○石垣のりこ君
2021年の10月ー12月期まで使っていると。まあ、今出ているのが2月まで、2月に出たものが、それが最新だということなんですけど、もう直近まで二重計上の影響が出ているということなんです、QEの段階、速報値の段階で。で、政策を決めていくときに見るのはその速報値ですよね。だから、政策決定に影響を与えているということの事実は確実にある。これ、本当に大きな問題だと思います。(発言する者あり)民主党政権があるかどうかの話をしているわけではありません、今。影響があるかどうかの話を申し上げている。それで、今、軽微である軽微であると、間接的であるともおっしゃっているんですけれども、すごい例えを申し上げれば、みそ味の何かを作ったときに、そのみそに事前にマヨネーズを混ぜていて、みそ味のものだからそのマヨネーズは間接的にしか使っていないと、そういうことを言っているのと同じであって、結局は影響していることは変わらないわけですよ。(発言する者あり)軽微で。 はい、じゃ、続いての質問行きますけど、このGDPへの影響を軽微としているという、政府が、その根拠は一体何なんですか。

○国務大臣(山際大志郎君)
先ほどからも少し御説明ありましたけれども、GDPの推計、これには多くの基礎統計を利用しております。今回問題になっている統計はその中の一つであるということ。そして、この建設総合統計について、国交通省の説明によると、今般の受注統計の問題による影響は軽微であるということが挙げられます。

○石垣のりこ君
国土交通省が軽微と言ったから内閣府としても軽微と申し上げている、こういう理由でよろしいですか。

○国務大臣(山際大志郎君)
もう少し詳しく申し上げますと、まず、GDP統計のうち建設部門の推計は、基準年である2015年の金額をベンチマークといたしまして、それ以降は、受注動態統計を基に国土交通省が作成している建設総合統計などの工事出来高の統計から得られる伸び率により延長推計を行っているということが一つ。さらに、ベンチマークである2015年の金額は、2015年産業連関表に基づくものであって、今回の受注動態統計の二重計上や不正確な推計方法の影響を受けた統計は使用していないということ。次に、延長推計に伸び率を用いている建設総合統計の出来高については、国土交通省によれば、受注統計における額をそのまま用いるのではなく、別途把握される決算ベースの建設投資額の水準に基づき推計されるものであるため、受注額の二重計上などの影響は軽微なものであるというふうに聞いております。以上を踏まえて軽微であるというふうに申し上げております。

○石垣のりこ君
これは、どこの視点で見るかによって、先ほどのちょっと質問と関係するんですけれども、そのとき、その時々の速報値で見ると物すごく影響がある。最終的には決算ベースで変えられてしまうので、後からは何となく平らになるので何となく大丈夫だと、そういうようなことを、まあすごくざっくりと言えばもうおっしゃっているんだと思うんですけれども、言ったように、その時々の政策決定に大きく関わっているわけなので、軽微だ軽微だと言うこと自体は本当に反省されていらっしゃるんですかということを私は非常に申し上げたいと思います。その上で、軽微だとおっしゃいました。じゃ、GDPへの影響が軽微だというふうに判断できるその定量的範囲というのはどのぐらいなんですか。

○国務大臣(山際大志郎君)
定量的なものは、これは最終的に国土交通省の様々な調査等々があって、出てくれば、それで定量的なものがどれぐらいかということが言えるかもしれませんが、これまでも一貫して私が御説明申し上げているのは、定性的なことを申し上げているわけですね。先ほど先生はみそとマヨネーズの話をされましたけれども、我々は、やはりこのGDP統計は本当に大切なものであることは同意していますけれども、GDP統計を考える上で、それがマヨネーズになるような、定性的に言ってですね、みそとマヨネーズぐらいに味が変わるものではないと、そういう思いがあるから、その定性的ということで、定性の中で軽微なものであるということを御説明申し上げているわけでございまして、定量的なもので私は説明をしているわけではありません。

○石垣のりこ君
統計って数字じゃないんですかね。どのぐらいの範囲まで許容できるかできないかって、その問題じゃないんでしょうか。なので、軽微である、軽微だから許容範囲だかどうかは分かりませんけど、おっしゃっているんだったら、何%とか何%の範囲であれば、GDPに与える影響がですよ、インパクトがどのくらいか、それだったら軽微であるという判断をされるんだったら分かりますが、定性的に、国交省が軽微だと言ったので軽微だという、それは全然理由にならないんじゃないんですか。

○国務大臣(山際大志郎君)
半分はおっしゃるとおりだと思うんですね。やはり、我々はそのGDP値というものが、何兆円という金額ベースで出るわけですから、当然それは定量的なものも影響するから、定量的なものも必要であるということは間違いがないんです。しかし、今、私が都度都度その御説明申し上げたように、その中身を見ていくと、定性的に見て、先ほど申し上げたように、定量的なものはまだ出てきていませんから申し上げようがないんですが、定性的に見てそれほど影響を与えるものではないという、そういうことから軽微なものだというふうに申し上げているのであって、影響は全くないなどというようなことは元々申し上げていないわけでございます。しかし、それは、あったとしても軽微なものであると今私たちは判断をしているということを繰り返し申し上げているわけです。

○石垣のりこ君
間違ったデータを基に総合統計を作っているのは確かに国交省ですよ。国交省が間違ったデータを用い、の間違ったデータを用いてGDPの統計を作っていらっしゃるのは内閣府じゃないですか、統計。で、その軽微であるかどうかの判断を、御自身のところでどの程度かという判断をなさらないでどうされるんですか、一体。

○国務大臣(山際大志郎君)
先ほどからこれは申し上げているように、国土交通省の方で正確な時系列、要するに推計に使える、GDPの推計に使えるデータが出てきたときには、それは定量的な話ができると思います。しかし、現段階ではその時系列データというものがございませんので、それで、定性的に何か影響を与えるものかどうかということを我々としては見ているわけですね。我々がその中を、見ている中では、定性的には軽微な、影響があったとしても軽微なものであるという判断をしているので、そのように答弁しているわけです。(発言する者あり)

○委員長(山本順三君)
山際国務大臣。

○国務大臣(山際大志郎君)
白先生、ちょっと言葉足らずですみませんでした。もちろん、国土交通省がそう言っているから、だから、それを丸のみして、それで軽微であるという判断をしているわけではなくて、先ほどから縷々御説明したように、GDPを推計していく上で、その推計の方法というものをひもといていきますと、その推計方法からしてこれは影響があったとしても軽微であるというふうに我々として、我々自身として判断をしているということでございます。

○石垣のりこ君
じゃ、シミュレーションされているということですよね。そのシミュレーションの結果出していただけますか。

○国務大臣(山際大志郎君)
シミュレーションをしているわけではなくて、GDPというのは、そもそも、様々な基礎統計というものを使って、そこから推計してより確かなものになるようにという、そういう推計をしながら作っていく値になります。なので、その推計をする方法というものを、どういう形で推計しているのかということを我々の方としてはきちんと確認したということです。 ですから、その推計方法というものを考えたときに、影響は軽微な範囲になるというふうに申し上げているわけでございます。

○石垣のりこ君
かなり詭弁かなとは思いますけれども、じゃ、軽微であるという想定の下に立ちましょう。では、影響が軽微であれば、GDP見直す、遡及改定する必要がないと言い切れるんでしょうか。

○国務大臣(山際大志郎君)
当然、我々としては、より正しい、より正しいGDPあるいは統計値というものをしっかりと国民、皆様方にお示しをするということが我々の責任だと思っておりますので、仮に、そのGDPを推計するに必要になる時系列的な正しいデータというものがセットとしてそろえば、それは当然、ほかの部分でもやっておりますけれども、遡及して計算するということもあり得ると思います。まずは、ですから、国土交通省の方でその作業をやっておりますので、それを待っておりますけど、もしそういうものが出てきた場合には、当然そのような方向になると思います。

○石垣のりこ君
いや、影響は先ほどないというわけではないということを断言されましたので、何らかの軽微であろうが何だろうが影響があると。影響があるということは、ちゃんと正しいものに向けて遡及改定をされるということでよろしいでしょうか。

○国務大臣(山際大志郎君)
国土交通省の方からどのようなものが出てくるかということを見なくては分かりませんけれども、先ほどから申し上げているように、GDPを推計していく上において必要な時系列の、時系列でそろったデータというものが、統計値というものが出てくれば、当然そのようになると思います。

○石垣のりこ君
いや、遡及改定に関しては、GDPに関しては、間違った統計のね、その受注統計及びそれを使った総合統計の方は今変えていくという見直しがなされていますけれども、じゃ、その間違った推計方法に基づいて、その数値を使って算出されたGDPの遡及改定については保留された状態なんです。でも、もう間違った方法によって作られたその数字を基にGDPが今使われているわけですから、それはもう確実にちゃんと見直しをしていくということをこれ断言していただきたいんですけど。

○国務大臣(山際大志郎君)
もうこれも先ほどから申し上げているように、私たちとしては、より正しい経済的な指標を国民に対して示す必要があると、このように思っておりますので、その必要性が出たときには当然そうさせていただきます。

○石垣のりこ君
では、統計委員会、総務省ですね、に伺いたいと思います。確実に数字が間違っているであろうというものを使って今統計が作られていると。その統計の、間違った数字が使われているということが分かった時点でちゃんと遡及改定すべきかどうか、その点に関して、今回のこの国交省の問題に限らないと思いますけれども、その点の御見解をお聞かせください。

○政府参考人(吉開正治郎君)
お答え申し上げます。議員のお尋ねの中身を統計委員会の委員長に確認いたしまして、その認識を伺いました。そうしましたところ、継続的に作成され、社会で広く利活用されている統計については、時系列を遡っても正確な数値が提供されていることが統計のユーザーにとって重要である、このため、一般論として、統計の誤りに対しては、その統計を所管する府省において正確な統計数値を再推計することが可能となるデータが新たに得られた場合には、遡及改定を行うことを含めて、適切な対応について検討いただくことが必要であると考えるということでございました。

○石垣のりこ君
先ほどからのお話にあるように、確実に今回の国交省の受注統計問題として数字が変わっているということは、どんなに軽微であろうがなかろうが、あるんです。もう既にそれは分かっているわけですから、しっかりとそれに影響を与えているGDPの遡及改定というのもしっかりと今後していただきたいと、今データが残っている分も含めてですけれども。 これ、5月に結果が出るということですけど、今現在もこの予算委員会で審議されているわけですよ。先ほど御答弁があったように、2015年の、10月ー12月期の速報値でもこの二重統計問題の影響が出続けている、その上で私たちは今この予算審議をしているという、その事の深刻さを私は申し上げたいと思います。今後も統計の問題、これ、国の信頼性、信用問題に関わる、国内だけの問題じゃないですよ、国外からのもう信用も失いかねない状況が、私、今この日本の統計に本当に端的に表れていると思います。私も立法府の一人として、今後も統計の精度をしっかりと確保し、日本の信頼、改めて回復していくために、しっかりと職責を果たしてまいりたいと思います。 私からは以上です。