参議院 内閣委員会

4月9日 参議院 内閣委員会で質問
2024年4月9日 参議院 内閣委員会で質問に立ちました。ぜひ録画をご視聴ください。 
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/tstDe4jACc4?feature=shared&t=2141
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/791118308

令和6年4月9日火曜日 参議院内閣委員会(未定稿より転載)

○石垣のりこ君
立憲民主・社民の石垣でございます。まずは、内閣府においてエネルギー問題を議論する再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースに関して私からも質問をいたします。今、竹詰委員の方からも質問ございましたけれども、3月23日、再エネタスクフォースにおいて構成員が提出した資料に外国企業、今回は中国企業のロゴが入っていたことが問題となりました。なぜそのようなことが起きたかについては既に国会審議でも取り上げられておりまして、まだ途中ということではございますが、報告書も出ております。資料を作成した際の不手際だったとの説明がなされているということは承知しております。竹詰委員との質問がかぶるので、ちょっとこの点省略いたしますけれども、再生可能エネルギー、再エネタスクフォース、規制改革推進会議内のワーキンググループではなくて、いわゆる法的根拠のないタスクフォースとして設けられていたということで、今その経緯に関しては河野大臣からご答弁ございました。この点に関して私からも一言申し上げておきたいと思いますが、「スピード感をもって迅速に対応するため」というお話がありましたけれども、そのタスクフォース自体は法的根拠もないということで、いわゆる法的責任こそ問われる存在ではありませんけれども、事実上、今お話にもありましたように、その後の政策形成の方向性に少なからず影響を与えるのではないかと考えます。ゆえに、その議論、そして人選の透明化というのは非常に重要なことです。再エネタスクフォースに関しては、会議をライブ及びアーカイブ共に公開していらっしゃいますし、また議事概要ではなく議事録の公開と併せて透明性の確保に努めているということも確認しております。今回、構成員提出資料に外国企業、中国の「国家電網公司」のロゴがあったことについて、海外企業の介入等の疑義を与えるような事態に至ったことは非常に遺憾と私も思っております。当該の大林構成員は責任を取って構成員お辞めになられましたけれども、一方で、専門性を備えて意見具申が可能な人材が少ない特に研究途上の分野においての人選というのはおのずと選択肢が限られてくるという、これはどうしようもない課題も、悩ましい課題もあると承知しております。その上で、その再エネタスクフォースなんですが、これまでの会議において、外国企業、外国政府の事例を紹介したり、外国政府や企業が作成した資料というのを用いたことはあるでしょうか。

○政府参考人(稲熊克紀君)
お答えいたします。再エネタスクフォースにおきましては、外国の事業者からヒアリングを行ったこともございます。例えば、令和3年2月24日の第5回会合ではフランスの事業者から、令和3年9月21日の第16回会合ではドイツの事業者から、令和5年11月10日の第28回会合では米国の事業者からそれぞれヒアリングを行っているところでございます。

○石垣のりこ君
まあ当然あるということですよね。今回、再エネタスクフォースで提出された資料に中国企業のロゴが一見分からないように付されていたという情報に触れましたとき、私自身は、もしかすると、日本の政策に影響する公的な会議体に何らかの外国政府あるいは企業の見えざる介入があったのかもしれないというふうに考えました。何度も申し上げますけれども、報告では、あくまでも資料の作成過程での不手際であり、資料は構成員の大林構成員ご自身が作成したというふうに報告がなされております。その上で、仮に外国政府や企業作成の文書であったならば、そのことを明記した上で資料として使用していたならば、これは何の問題もないと考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君)
先ほど申し上げましたように、外国企業を呼んで話を聞いたということもございますし、外国の企業、政府、研究者、様々な数字であったり考え方というものを引用することはこれ当然あると思います。そこの引用が適切になされていれば何ら問題はないというふうに思います。

○石垣のりこ君
そのとおりだと思います。一部、今回の件に関し、ちょっと的外れな批判がありまして、その外国企業のロゴがあったことをもって、今調査中であるということで最終の報告は待ちたいと思いますけれども、一定の国の名前が出てきたことをもって問題とするような論調があることに対しては、それは本筋ではないというか、お門違いであるという指摘であるということは私は申し上げておきたいと思います。その上で、気候変動が世界共通の喫緊の課題であるということは論をまちません。国連IPCC、気候変動に関する政府間パネルの1.5℃特別報告、そしてパリ協定を踏まえまして第7次エネルギー基本計画の策定が今後始まるということでございますけれども、これ、再生可能エネルギーを推進していく方針について、河野大臣、これ後退することがあってはならないと私は思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君)
1.5℃の特別報告書というのも出されておりますし、わが国は、2050年のカーボンニュートラル、これはしっかりコミットしているところでございます。また、2030年の目標というのも出しているわけで、その中には再生可能エネルギーをしっかり増やしていくということが大事であります。それをなしにするということは、このカーボンニュートラルを達成することができなくなりますし、現在、わが国の政府の現行のエネルギー基本計画の中にも、この再生可能エネルギーを最優先という原則で取り組むということが引き続きうたわれているところでございますので、政府としてその取組に変更はございません。

○石垣のりこ君
再エネタスクフォースの会議体のあり方に関して、先ほどから竹詰委員からもご指摘ありましたように、きちんと透明性をもって、皆さんが議論をしっかりと見守る中で、その議論が公開され、ちゃんと議論に資する、皆さんのチェックに資するものになるということは重要であるとは思いますけれども、今回の件をもって、その再エネを推進していく、今後の世界の潮流でもありますそういう流れに対してさお差すようなことがないように私からはお願い申し上げておきたいと思います。これから何十年も、あるいは100年単位で人が住めない、その国土を生んでしまうリスクというものを目の当たりにした、私、宮城出身でございますが、者としましては、やはり環境影響面でクリアしなければならない数々の問題はあるとはいえ、再生可能エネルギーへの転換を図るという方針というのは、これは重要なものだと考えます。再エネタスクフォースの人選に疑義が生じたなら調査することは当然でありましょうし、同時に、再エネタスクフォースだけではなく、今回のような疑義が生じるようなタスクフォース及び審議会の人選に関しては、今回の件のみならず、やはり公平性を担保するという点でも、しっかりとこれはチェックしなければならない共通の課題であるということを申し上げて、次の質問に移ります。河野大臣、ご退席いただいて。

○委員長(阿達雅志君)
河野内閣府特命担当大臣はご退席いただいて結構です。

○石垣のりこ君
では、続いて、2025年大阪・関西万博の理念とイスラエルに関して質問をいたします。上川外務大臣が今月2日、日本が停止中の国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAの資金、UNRWAへの資金拠出を再開すると発表いたしました。上川大臣は、「深刻化するパレスチナ自治区ガザの人道状況は待ったなし、人道支援にはUNRWAの関与は不可欠だ」と発言していらっしゃいます。ガザの人道状況が悪化している原因というのは、これ、イスラエルの攻撃によるものだとの認識でよろしいでしょうか。外務省、お願いします。

○大臣政務官(深澤陽一君)
お答えいたします。昨年10月のハマス等によるテロ攻撃は多数の一般市民を標的として殺害や誘拐を行う残虐な無差別攻撃でありまして、いかなる理由でも正当化することはできず、わが国としてこれを断固として非難をしております。わが国としては、イスラエルがこうしたハマス等によるテロ攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有すると認識をしております。同時に、全ての行動は国際法に基づいて行わなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守らなければなりません。イスラエルに対しても、一般市民の保護の重要性、国際人道法を含む国際法に従った対応等を直接求めてきております。戦闘が長引く中で、連日、多数の子ども、女性、高齢者を含む死傷者が発生するなど、現地の人道状況は更に厳しい状況となっております。民間人の犠牲者数がますます増加している中、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となってきていることは確かであります。わが国として、引き続き、人質の即時解放、人道状況の改善、そして事態の早期鎮静化、地域への波及防止に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。以上です。

○石垣のりこ君
いろいろご説明いただいたんですけども、端的にお答えいただきたいんですが、今ガザの人道状況が悪化しているのはイスラエルの攻撃によるものでしょうか。これに端的にお答えいただけますか。

○大臣政務官(深澤陽一君)
繰り返しになりますが、ハマス等によるテロ攻撃、これはいかなる理由であっても正当化することはできません。わが国としては、これを断固として非難をしております。また、いかなる場合におきましても国際人道法の基本的な規範は守らなければならないということで、イスラエルに対しても国際人道法を含む国際法に従った対応を直接求めてきております。ですので、現地の人道状況は更に厳しい状況でありまして、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となってきていることは確かであると考えております。

○石垣のりこ君
では、人道上の対応を求めていらっしゃって、それがなされていないからこそ、今のような深刻な人道状況、人道危機を生んでいるんじゃないんでしょうか。

○大臣政務官(深澤陽一君)
お答えいたします。外務省といたしましては、現地の人道状況は更に厳しい状況ということも認識しておりまして、また、現時点では軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となっていることは確かでありまして、こういった考えの下で引き続き粘り強く積極的に外交努力を続けてまいりたいと考えております。

○石垣のりこ君
今おっしゃった当事者って、どちらですか。

○政府参考人(高橋美佐子君)
お答え申し上げます。全ての当事者でございます。

○石垣のりこ君
全ての当事者の「全て」は何を指すのでしょうか。

○政府参考人(高橋美佐子君)
お答え申し上げます。全ての当事者、現在の戦闘に関わっているイスラエル側、パレスチナ側全てでございます。

○石垣のりこ君
説明が求められるというようなことはいいとしても、今ガザの人道状況というのは、おっしゃったように、本当に深刻、もう餓死者も出ている状況ということはもちろん日本政府としても承知しているところだと思います。私が3月4日の参議院予算委員会で非戦闘員の死者について質問した際は、イスラエルでは1200人以上、パレスチナでは3万人以上との答弁がございました。あれから1か月が過ぎました。戦争開始からは半年が過ぎております。報道では、パレスチナの死者数だけが更に増えて、今、3万3000人を超えたという報道もございます。2022年2月からのロシアとウクライナの戦争で亡くなったウクライナ民間人の犠牲者は、国連ウクライナ人権監視団によれば、今年2月15日までに、ウクライナ領内で少なくとも1万582人との報告書を出しています。そのうち、子どもが587人ということでございます。今ウクライナの話もしましたけれども、明らかにこれ今、イスラエルの犠牲者とパレスチナの犠牲者、ガザの犠牲者の数が違いますよね。この状況というのは、双方に説明をしなければならないという、そういう対等な状況なんでしょうか。その辺の外務省の認識ってどうなんですか。

○政府参考人(高橋美佐子君)
お答え申し上げます。わが国といたしましては、イスラエルが、ハマスの攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有すると認識しております。同時に、全ての行動は国際法に基づいて行われなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守られなければならないと考えており、いずれにせよ、均衡性の要件は満たされなければならないと考えております。例えば、子どもを含む無辜(むこ)の民間人を無用に巻き込む攻撃は、国際人道法の基本的な原則に反するものであり、正当化できません。一方で、事実関係を十分に把握することが困難である中、イスラエル軍の行動について確定的な法的評価をすることは適当ではなく、法的評価をすることは差し控えておりますが、これは、わが国としてイスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるとの法的評価を行っているわけではございません。

○石垣のりこ君
被害の状況が余りにもやはり不均衡で、一方的なやっぱりイスラエルの攻撃というのは、これ私も再三申し上げておりますけれども、本当にジェノサイドと言わざるを得ない状況にあるということに関して、やはり日本はもうちょっと毅然とした態度を私は取っていただきたいというふうに考えます。3月25日、国連安全保障理事会は、パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める決議を可決いたしました。これまで拒否権を行使していた常任理事国のアメリカが方針を変え、棄権をいたしました。今回の決議案は非常任理事国10か国が共同で提出をいたしまして、日本も提出国になっております。日本がこの決議案を提出したのはなぜでしょうか。

○大臣政務官(深澤陽一君)
3月25日、国連安保理は、ガザ情勢をめぐり、ラマダン期間中の即時停戦や全ての人質の即時無条件の解放を求める等の内容の決議第2728号を採択いたしました。わが国として、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、ガザをめぐる危機的な人道状況を引き続き深刻に懸念しており、人道支援活動が可能な環境を確保し、また人質の解放につながるような人道的停戦が速やかに実現し、そして持続可能な停戦が実現することを目指して、様々な外交努力を行ってきたところであります。このような基本的な立場に鑑み、わが国は他の非常任理事国とともに本件決議の共同の起草国となり、安保理として適切な意思表示ができるよう理事国内の議論、調整に積極的に取り組み、賛成票を投じさせていただきました。

○石垣のりこ君
という日本の、この国連安保理の提出国になったという点は、私もこれはもうもっともだと思います。そこで、自見大臣に伺いたいんですけれども、イスラエルの駐日大使が、これ資料①の、資料①、ご覧いただきたいと思いますが、MBSの取材に応じて、自前の、今回、大阪・関西万博のパビリオン建設を断念しまして、協会が建てるパビリオンを複数の国で利用するタイプCに変更するという意向を示しています。その理由について、こんなふうに言っています。戦争で予算的な制約があるからと発言しているんです。博覧会協会にパビリオンの変更の連絡は来ているのか、また変更の理由は何と伝えられているのか、自見大臣、答弁をお願いいたします。

○国務大臣(自見はなこ君)
お答えいたします。イスラエルの報道については承知をしてございますが、私から、万博に関連しての個別の国とのやり取りに関しましては、外交上のやり取りに関することでございますので、逐一コメントすることは差し控えさせていただきたいと思ってございます。いずれにいたしましても、イスラエルは現在も大阪・関西万博への参加の意向を示しておりまして、引き続き関係者一丸となって準備を進めていく所存でございます。

○石垣のりこ君
少なくともそのように報道されているという事実、これ映像も含めて残っているということは皆さんが承知しているところだと思います。この事実をひとつ重く受け止めていただきたいと思いますし、改めて外務省に伺いますけれども、日本政府は、イスラエルによるパレスチナへの入植は国際法違反であるとの見解を示していますけれども、改めて、なぜこれ国際法違反としているのか、また入植を繰り返してきたことによってパレスチナ地域にどのような問題を生じさせていると認識しているのか、お答えください。

○大臣政務官(深澤陽一君)
イスラエルによる入植活動については、国連安保理決議第465号において、文民の保護等に関するジュネーブ第4条約に違反するとされております。こうした点も踏まえ、わが国としてイスラエルの入植活動は国際法違反であるとの立場を取ってきております。わが国としては、二国家解決の実現を損なうという立場から、入植活動を完全に凍結するようイスラエルに対して累次の機会に強く求めてきております。以上です。

○石垣のりこ君
ということで、イスラエルが10月、昨年10月7日から急にこういう状況になったのではなくて、日本も国際法違反と認めている入植活動が進められているという事実が、歴然とした事実があるわけです。その上で、自見大臣、今月2日の会見で、イスラエルの行動は領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものだ、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当でないと発言していらっしゃいます。これ、私、昨年の臨時国会で提出した質問主意書でも同様の答弁があったんですけれども、これ、昨年12月時点から現在までの状況というのはまた更にこれ変化している、もっともっと悪化していると捉えております。また、この半年の戦争以前からイスラエルの国際法違反が続いているということは、今ご答弁にも、外務省からのご答弁にもあったとおりです。それでもやはりこの万博の理念、「いのち輝く未来社会のデザイン」というこのコンセプトにこのイスラエルの今のあり方というのは合致する、ふさわしいというふうにお考えでしょうか。

○国務大臣(自見はなこ君)
お答えいたします。大阪・関西万博のテーマであります「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念については、2025年日本博覧会協会が策定いたしました2025年日本国際博覧会基本計画におきまして、先ほど、すみません、2025年日本国際博覧会協会が策定をいたしました2025年日本国際博覧会基本計画におきまして、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を国際社会が共創していくことを推し進めるものというふうにさせていただいてございます。その上で、例えばロシアによりますウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法及び国連憲章の重大な違反であり、こうした観点から、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマと相入れないというふうに申し上げてきたところでございます。一方で、今般のガザ地区におけますイスラエルの行動はハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものであり、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないというふうに考えているところでございます。

○石垣のりこ君
おっしゃることは、その10月7日のハマスの攻撃があったというところが大きく違うというふうにおっしゃりたいんだと思いますけれども、とはいえ、やはり先ほどもお話をさせていただきましたように、今のこのイスラエルがガザ地区、パレスチナにしているこの攻撃の状況というのはこれは看過できないことであるというのは、これは日本政府も共通の認識であるとは思うんですけれども、繰り返しになりますが、2022年2月からのロシアのウクライナの戦争で亡くなったウクライナの民間人の犠牲者、1万582人との報告があると。今回、このイスラエル、パレスチナの戦争が10月7日からということで、半年です。その中で、3万人、3万3000人という話もあります。2年、半年、もちろん人の尊い命に関しては数で測れるものではないんですけれども、この圧倒的な攻撃、これに関して、最初のそのきっかけの違いはあるにせよ、立場の違いはあるにせよ、どう考えても、万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」、余りにも懸け離れていると言わざるを得ないと思うんですけれども、今申し上げたことを踏まえて、改めて自見大臣の答弁を求めたいと思います。

○国務大臣(自見はなこ君)
お答え申し上げます。イスラエル軍の行動に関しまして、今回の事案の個別具体的な事情や、あるいは関連の情報について事実関係を十分に把握することが現状困難でございますので、確定的な評価を行うことは私どもの立場としては差し控えさせていただきたいというふうに思ってございます。イスラエルの行動に対します国際法上の評価については所管外でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

○石垣のりこ君
確定的な評価が分からないということで、今後もし何かあったときに確定的な評価が分からないまま私たちはいろんなことを動かなきゃいけないわけですよね。最大限、日本としてどこまでちゃんと情報収集できているのかということを、もうこれ別な意味で疑義を生じさせることではないかというふうに私は思いますけれども。ロシアは駄目でイスラエルが問題がないというふうに考えて、では、いらっしゃるということでよろしいですか。

○国務大臣(自見はなこ君)
繰り返し申し上げて恐縮ですが、私どもと申し上げたのは、内閣官房の万博の推進をしている私どもの立場として確定的な評価を行うことを差し控えるというふうに申し上げたということでございます。その上で、先ほども申し上げたとおり、今般のガザ地区におけますイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものでございまして、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないと考えてございます。いずれにいたしましても、イスラエルの行動に対します国際法上の評価については所管外でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○石垣のりこ君
ロシアは駄目でイスラエルは問題ないとするのは、まあそれは、これは無理があると私は思います。そもそも、ガス爆発を起こすような場所で開催する万博自体が、「いのち輝く未来社会のデザイン」というのも、これ、もう冗談にも程があるというふうに申し上げて、次の質問に移ります。自見大臣、ご退席いただいて、お取り計らいをお願いいたします。

○委員長(阿達雅志君)
自見国務大臣はご退席いただいて結構です。あわせて、内閣府規制改革推進室稲熊次長もご退席いただいて結構です。

○石垣のりこ君
続いて、関東大震災の朝鮮人虐殺について伺います。政府は、これまで、政府内に記録がない、事実関係について把握できる記録が見当たらないとの認識を示しています。昨年のこの委員会でも、関東大震災のとき、風説を信じ、朝鮮人等を虐殺した者に対する恩赦に関する閣議決定文書があるにもかかわらず、事実関係は把握できないとの見識を、見解を示しています。また、国会図書館には裁判資料が掲載された書籍も所蔵されていますが、政府からは、原本ではないので作成経緯が分からず、内容についても事実関係について確定的なことを申し上げることは困難という旨の答弁もありました。昨年11月9日の内閣委員会の質問で、当時の松野官房長官が、現時点では、やはり裁判記録等がないものが多数でございますので、現時点で、現時点からそれを把握しようとしても困難である、このような状況でございますと答弁されているんですね。詳細は別としても、基本的な事実関係を認められてしかるべき文書があるにもかかわらず、あれやこれやと理由を付けて、確定的なことは申し上げられないと逃げているのが今の政府です。ところが、これ裁判記録の原本があったんです。前橋地方検察庁高崎支部に倉賀野事件の判決文の原本が残っていました。検察庁が保有していた裁判の判決文です。まず伺います。これ、政府内の文書で間違いはありませんよね。

○政府参考人(吉田雅之君)
ご指摘の事件に係る判決書、判決書きについては、前橋地方検察庁高崎支部の検察官が保管主体となって保管されているものと承知しております。一般論として申し上げますと、刑事事件に係る裁判書き等の事件記録は、一般の行政文書の保管に関する法令とは別に定められた刑事確定訴訟記録法等の特別の法令に基づいて検察官が保管、保存しているものでございます。こうしたことから、検察官が保管する判決書きという刑事事件記録を政府内の文書と表現すべきかどうかについては、一概にお答えすることは困難でございます。

○石垣のりこ君
政府内にないと。検察庁に保管されている文書で政府内にないというのも、これもちょっとまた無理があるというか、ご答弁だと思うんですけれども。でも、これ、現時点で前橋地方検察庁高崎支部にある文書ということではよろしいでしょうか。

○政府参考人(吉田雅之君)
先ほど申し上げたとおり、ご指摘の判決書きは前橋地方検察庁高崎支部の検察官が保管主体となって保管されているものでございます。

○石垣のりこ君
検察官が主体となってというのは、それは検察官個人がということですか。

○政府参考人(吉田雅之君)
先ほど若干申し上げましたが、刑事事件に係る事件記録については、刑事確定訴訟記録法という法律がございます。そこでは、記録の保管主体が検察官というふうにされております。検察庁とか法務省ではなくて、検察官とされております。そのことを申し上げているということでございます。

○石垣のりこ君
別に個人に帰するだけのものではないはずなんですけれどもね。判決文に書かれている倉賀野事件の概要及び判決内容の要点についてご説明いただいていいでしょうか。

○政府参考人(吉田雅之君)
ご指摘の判決書の理由の欄には次のような記載などがあるものと承知しております。すなわち、「群衆は、群馬県倉賀野町駐在巡査が同駐在所において保護中の年齢20歳、氏名不詳の男子ら鮮人なりとし、右駐在所より引き出したるをもって、被告人等は、不逞鮮人なりと思惟し、日本刀をもって同人の咽喉を突き、もって同人を死に至らしめたるものなり」、こうした記載などがあるものと承知しております。また、ご指摘の判決書の主文の欄には、被告人4名をそれぞれ懲役1年6月、懲役8月、懲役8月及び懲役4月に処す旨、このうち被告人3名につき、それぞれ2年間各刑の執行を猶予する旨などが記載されているものと承知しております。

○石垣のりこ君
では、今提示していただきました倉賀野事件の判決文ですが、この判決文に書かれているように、関東大震災のとき、風説を信じて朝鮮人を虐殺した日本人がいたと、その人たちは裁判を受けて有罪の判決が出たということは、これ政府としては異論はないでしょうか。外務省でしょうかね、これは。

○政府参考人(吉田雅之君)
ご指摘の判決書において、そこに記載されているような事実認定、先ほど申し上げたような事実認定がなされたことは承知しております。

○石垣のりこ君
事実認定というのは、あったということでいいですか。

○政府参考人(吉田雅之君)
その事実認定に係る事件が実際にあったかどうかということになりますと、これは事実認定が正しいかどうかという評価にわたることになります。裁判所がした事実認定について、正しいかどうかといった評価をする立場には法務当局としてはないということをご理解いただきたいと思います。

○石垣のりこ君
じゃ、何をもって裁判の執行というのをなさるのか、法務省がなさるのかは全く分からないんですけれども。これ、そもそも検察として、起訴した段階で確たる証拠をもって起訴しているわけですよね。しかも、これ、駐在所で起きた事件です。これ、裁判で有罪判決が出た事件が実際あったかどうかについてこれ政府として答えられないというのはどういうことなのか。ちょっと、もうちょっと分かりやすくご説明いただいていいですか。

○政府参考人(吉田雅之君)
この事件に限らず、刑事裁判における事実認定は、個々の事案ごとに法と証拠に基づいて裁判所によって行われるものでございます。法務当局としては、独立した司法機関である裁判所が認定した事実について、それが正しいかどうかといった評価を加え得る立場にないということを申し上げているものでございます。

○石垣のりこ君
正しいかどうか、少なくとも、では、違うということも言えないということでいいですか。

○政府参考人(吉田雅之君)
先ほど申し上げたように、正しいかどうかについての評価をする立場にないということでございます。

○石垣のりこ君
でも、判決をもってそれを、判決を、裁判を執行するということは、それをそのまま受け入れるということになりませんか。

○政府参考人(吉田雅之君)
刑事手続のプロセスとしては、裁判所がした判決が確定すれば、それに基づいて執行を行うということでございます。他方で、法務当局としては、その裁判所の判断について評価をする立場にはないということでございます。

○石垣のりこ君
これ、起訴をする段階で確たる証拠があり、これは有罪であろうということの確証を持って検察が起訴をすると私は認識しておりますけれども、そもそもそうではない可能性をもって、いわゆる冤罪の可能性も認めた上で起訴をするということがあるんでしょうか。

○政府参考人(吉田雅之君)
検察当局においては、法と証拠に基づいて、個別の事案ごとに起訴すべきものを起訴しているというふうに考えております。他方で、今私が答弁しているのは、法務当局としてのご答弁でございます。法務当局としては、刑事司法プロセスにおけるその判断について評価を加えることは差し控えたいと、評価をする立場にはないということを申し上げているものでございます。

○石垣のりこ君
じゃ、法務当局だと分からないというので、一般論としてでも結構ですけれども、裁判の有罪判決が出た事件が実際にあったかどうかについて、政府として答えられないということがあるんでしょうか。官房長官、お答えいただいていいですか。

○国務大臣(林芳正君)
一般論として申し上げますが、政府としては、裁判所の認定した事実についてそれが正しいかどうかといった評価を加え得る立場にはないと承知をしております。詳細、法務省から答弁があったとおりでございます。

○政府参考人(吉田雅之君)
先ほど申し上げたとおりでございますが、法務当局としては、判決書に記載された事実について、判決でそうした認定がなされたとの認識を超えて、その認定が正しいかどうかといった評価を示す立場にはないということでございます。

○石垣のりこ君
じゃ、何か哲学論みたいになってしまっているんですけれども、裁判ではこの方が、被告人が罪を犯したというふうに認める、こういう事件があったということを前提に刑が執行されているわけですよね。そのことについての評価と、別にあった、それが正しい正しくないという、権限がないというのであれば、じゃ、その事実に関して認める認めないということは、別に評価というよりかは、これは事実として受け入れざるを得ないというふうに普通考えるんですけれども、そのこと自体が否定されるということなんですか。

○政府参考人(吉田雅之君)
私が先ほど来答弁しておりますのは、評価を加える立場にないということでございます。正しいとか、逆に間違っているということを申し上げているわけではなくてそうした評価をすること自体が避けるべきものであるということを申し上げているものでございます。

○石垣のりこ君
とりあえず、あったということに関しては否定をする立場にもないと思いますし、事実認定をしているこの裁判所の判決文があるわけですから、こういう事実があったというふうに考えるのがこれは当然ではないかと思うんですけれども、その点に関してあえて政府として否定されているその根拠を私は本当に理解できません。そんなこと言ったら、司法制度崩壊するんじゃないかなというふうに考えますけれどもね。前外務大臣でもある林官房長官に伺いますが、外交史料館には、「変災救済関係雑件、別冊、関東地方震火災の件、朝鮮人問題及びその反響」というおよそ5センチほどの冊子が4冊所蔵されております。このような資料があるということは、林官房長官、ご存じでしたでしょうか。また、これ、政府内の文書と言っていいかどうか、ご答弁お願いします。

○国務大臣(林芳正君)
この個別具体の文書が政府内の文書に該当するか否かについては、その文書を保有する機関において適切に判断されるべきものであると認識をしております。お尋ねについては担当である外務省から答弁をさせます。なお、外務省外交史料館には12万件に及ぶ外交史料が所蔵されていると承知をしておりまして、今ご指摘のあった文書を含めて、その一つ一つについては個別には把握をしておりません。

○大臣政務官(深澤陽一君)
ご指摘の冊子4冊につきましては、公文書管理法上の特定歴史公文書等に当たるものでありまして、政府内の文書と考えております。

○石垣のりこ君
非常にいろんな資料が入っております。その中の一つ取り上げました資料④、ご覧いただければと思います。大正12年12月8日ということで、高警第4106号朝鮮総督府事務局、あっ、警務局、東京にて殺害されし閔麟植葬儀に関する件ということで、要約になりますが、おおよそこのようなことが書いてございます。東京留学中に震災に遭い、自警団に殺害された被害者の遺族が遺骨引取りのために上京、巣鴨警察署で殺害当時の状況を詳しく聴取し、巣鴨役場の手で埋葬されていた死体を掘り出して火葬し、遺骨にして27日に葬儀を行ったと。被害者の実父そのほかの家族は殺害されたことに関しては多くを語らなかったが、犯人の検挙については好感を持っており、上京に際して警察官署を借りたことについては感謝していたというような内容が、この中の本当にごく一部でございます、そのほかにも非常に事細かに本当に様々な記録が残っております。例えばこのようなことが書かれているんですが、公文書にこういうことを事実として書かれている。この内容に関しては事実と受け止められるでしょうか、官房長官、お願いします。

○国務大臣(林芳正君)
お尋ねにつきましては、外交史料館所蔵の資料でございますので、外務省から答弁をさせます。

○大臣政務官(深澤陽一君)
お尋ねの文書につきましては、外交史料館に所蔵されているものでありますが、その作成経緯が明らかでないこと等から、記載された内容の事実関係について確定的なことを申し上げることは困難でございます。以上です。

○石垣のりこ君
そんなこと言ったら、作成経緯が不明なものなんてもう大量にありますよね。日本の歴史どうなるんですかという話だと思いますよ。本当にたくさんの資料が、今日取り上げられませんでしたけれども、たくさんございます。今日は2点の公文書を提示しました。令和5年5月31日の衆議院外務委員会では、当時外務大臣であった林官房長官が、「公文書等は、国及び独立行政法人等の諸活動、そして歴史的事実の記録でございます、その上で、一般論で申し上げますと、公文書等の内容を否定する場合には、その根拠となる事実関係を明確にするということは当然に期待されるものと考えております」と答弁されています。公文書、歴史的事実の記録であるならば、朝鮮人虐殺について記録した公文書、多数残っております。関東大震災において朝鮮人虐殺があったということは、歴史的事実として、これ、きちんとやはり認めるべきではないかと思います、一旦、思います。で、今日提示しただけの資料じゃなくて、政府内、そして政府外と厳密にはもしかしたら判断され得るものなのかもしれませんが、非常に詳細に記された公文書及び公文書に類するものがございます。これだけの事実をもって確たることが言えないと言い続けること自体、私は日本の国のそのものを、そして未来を毀損する行為、非常に問題があるということと考えております。官房長官、改めて問いますけれども、政府内外の文書をしっかりと精査した上できちんと歴史に向き合うことこそが、本来国を大事にすることであり、未来につなぐことであり、政治家としても、この日本政府としても取り組むべきことなのではないでしょうか。官房長官のお答えをお願いいたします。

○国務大臣(林芳正君)
ご指摘のありました外務大臣としての私の答弁は、公文書等は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録であり、あくまで一般論として申し上げると、公文書に記載の内容を否定する場合には、その根拠となる事実関係を明確にすることが期待されると、そうした旨を述べたものでございます。その上で、ご指摘の文書と過去の事案との関係につきましては、これまで政府における関係記録の確認結果等取りまとめておりましたのは警察庁でございまして、担当大臣である国家公安委員会委員長に答弁をさせます。

○国務大臣(松村祥史君)
本日ご指摘のあった文書につきましては、それぞれ法務省、外務省から答弁のあったとおりであると承知をいたしております。ご指摘につきましては、従来より、調査した限り、政府内にそれらの事実関係を把握することのできる記録が見当たらないとご答弁しているところでございますが、この政府の認識に変わりはございません。

○石垣のりこ君
今日は日本の司法制度自体が否定されるような答弁がありました。裏金よりもある意味深刻な国家の破壊だと私は言わざるを得ません。これまで多くの記憶があるにもかかわらず、この歴史の事実から逃げることこそ国家の損害です。国賊とのそしりを免れないと思います。こんな内閣に日本のかじ取りをさせるわけにはいかないと申し上げて、私の質問を終わります。