参議院 内閣委員会

4月18日 参議院 内閣委員会で質問
2024年4月18日 参議院 内閣委員会で質問に立ちました。ぜひ録画をご視聴ください。 
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/hUngjmaFyhk?feature=shared&t=13831
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/791741157

令和6年4月18日木曜日 参議院内閣委員会(未定稿より転載)

○石垣のりこ君
立憲民主・社民の石垣のりこでございます。「セキュリティークリアランス法案」、いわゆるですね、いよいよ審議入りということでございますけれども、先ほど鬼木委員及び塩村委員からもありましたが、私も、この法案、衆議院からの議論聞いておりましたけれども、非常に抽象的で分かりにくい、実際この法案が施行されたときにどのような影響があるのかということも含めて、抽象的な議論がどうしてもやっぱりなされがちであるというふうに思います。その原因のやっぱり大きなものとしましては、第18条にありますように、この法案を実施するための手続きですね、運用の基準の丸投げですとか、また20条にありますように、この実施のための手続きの政令への委任、ここに具体的な項目はやはり書かれていないということが、本当に、この情報の活用、そして情報を保護することを進めていく上で、私たちの基本的人権が侵害されることはないんだろうか、知る権利はちゃんと保障されるのかということがやっぱり分からなくなってしまっているということが本当に大きな問題として私は挙げられると思います。このような、いわゆるちょっと中身の分からない法案をこの国会に提出をしてきて、審議時間だけは稼いだけれども、だけどこの中身自体が非常に曖昧なまま時間だけが過ぎていくというようなことになりかねない、これは非常に国会への冒涜とも言わざるを得ない問題な法案であるということは冒頭に申し上げておきたいと思います。その上で、じゃ、衆議院の審議を踏まえて、具体的にできるだけ皆さんに、この法律の問題点である、もしくはいい面もあるかもしれません、この部分をどういうふうに審議を通じてご理解いただけるかということで、今日は適性評価について具体的なお話を伺っていきたいと思っております。まずは、適性評価に要する標準処理期間に関してでございます。適性評価に要する標準処理期間を設ける等の予見可能性を持たせるべきではないかという質問に対しまして、政府は、評価対象者の個々の事情に応じて方法や要する時間も異なるものと考えられ、あらかじめ一律に期間を定めることは困難というふうに答弁されています。これ、事業者としましては契約を早く行いたいというふうに考えるものだと思いますので、結果が出ないことで、その適性評価対象者をその業務に就かせないなどの不利益扱いが起こるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えいたします。結果が出ないことによって事業者においてその評価対象者の方を業務に就けさせないという形で、あるいは別な形で不利益な取扱いが起きるのではないかということでございますけれども、私どもとしては、標準処理期間についての考え方は先ほどご紹介があったとおりでございますが、それに加えまして、従業者の方から評価結果が出ないなどのご相談があった場合には、内閣府に設置する窓口などで丁寧に事情をお伺いして、その旨を内閣府の調査担当あるいは各行政機関の適性評価担当にしっかりと伝達をして、具体的な状況によりましては迅速な対応を要請するといった対応をすることは可能ではないかというふうに考えております。ただし、適性評価の円滑な実施に支障となる可能性もございますために、評価対象者の方にその具体的な調査の状況であるとか途中経過についてまでお伝えすることはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、処理期間が長いということでそうした状況が生じないように調査機能の一元化の仕組みも構築することとしておりますので、調査の効率化あるいは迅速化に努めてまいりたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
今回のセキュリティークリアランスにおける、法案におけるこの適性評価のあり方というのは、特定秘密保護法におけるこの制度をそのまま踏襲しているところが大きいと思うんですけれども、ちなみに、特定秘密保護法において、適性評価に時間を要し1年以上経過している、もしくは、した例というのは何件あるんでしょうか。また、結果が出るのに時間を要している間に評価を受ける必要のない例えば部署に人事異動があったり、あとは評価する必要がなくなった例というのはあるんでしょうか。あるとしたら何件あるんでしょうか。

○政府参考人(岡素彦君)
先ほどご指摘のあったとおり、適性評価の手続きに要する期間は個別の事情によって異なってくるものでございますので、また、これが知られることで適正な調査や評価の実施に支障を及ぼすおそれもあります。このため、一般的にどれくらいの期間を要するか、それから長い場合にどれくらいの期間を要しているかなどのお答えをするのは差し控えさせていただきます。また、評価手続きの終了前に人事異動があり、かつその異動先で特定秘密を取り扱う必要がなかったというケースがどれくらいあるのかにつきましては承知をしておらず、対象者数が非常に膨大であるため、正確な調査は大変困難だと思われますが、私どもの知る限りで申し上げますと、そのようなケースはごくまれであるというふうに考えております。適性評価の性格上、基本的に慎重かつ丁寧に取り組む必要があることについてはご理解いただきたく存じます。また、必要な場合には業務の開始日や異動の発令日よりも前から手続きを開始することを認めるなど、業務への支障が生じないようにするための配慮の下、制度を運用しているところでございます。

○石垣のりこ君
具体的には把握されていらっしゃらないということだったんですが、これ、本法案に、適性評価の結果を重要経済安保情報の保護以外の目的のために用いてはならないという目的外利用禁止の規定がありますが、結果が出ないことで不利益扱いをすることもこの禁止規定に含まれるんでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えいたします。お答えの、目的外の使用の禁止でございますけれども、この法案におきまして禁止されておりますのは、適合事業者において評価の結果及び不同意により評価を実施しなかったこと、行政機関等においては、これらに加えまして、調査により収集した個人情報について重要経済安保情報以外の目的で使用することの禁止を規定しているものでございます。したがいまして、ご指摘の、結果が出ないことについてはこれらに当てはまらないというふうに考えております。

○石垣のりこ君
これは禁止規定に当てはまらないということなんですよね。ということは、時間がかかって、あまり把握されてはいらっしゃらないというお答えではありましたけれども、でも、実際の数字として持っていらっしゃらないということで、実態がどうなるか分からない、そしてまた、今回の対象者が民間に広がっていくということでどうなるか分からないということも大きいと思います。その上で、結果が出ないことによる不利益は、結果が出ないがゆえに不服の申立てもできない、仮にそれを基に不利益を被るようなことがあったとしても、何もその保護の対象にならないということになってしまうんです。なので、よりきちんと、結果が出ないことももって、これ、ちゃんとこの標準処理期間というのをしっかり定めた上で、いつまでにはちゃんと回答を出す、調査ができなかったんだったらできないということも含めてちゃんと回答を出すということが、私はちゃんとこれ必要ではないかと考えます。この禁止規定は罰則が設けられておりませんけれども、罰則がないものをどうやって後、徹底するのかということもやはり問題になってきます。運用基準等に禁止行為を明示するだけで事業者が禁止行為をしないと考える根拠は何なのか、また、公共事業などでは法違反が明らかになった場合に指名停止措置などがとられますが、悪質な違反行為の場合には、一定期間、適合事業者として契約しないなどのペナルティーも必要になってくるのではないでしょうか。いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
目的外利用の禁止規定の実効性、これを担保するということは極めて重要でございます。石垣委員からもご指摘がありましたけれども、まずは今後閣議決定をする運用基準において、具体的な禁止行為を明示するということ、また、この禁止規定の遵守を行政機関と適合事業者の契約などでも求めるといった措置をとることを考えてまいりたいと思っております。それから、禁止に抵触する行為があった場合に、行政機関がこれを認知できるようにしておくことも重要です。その意味で、もう時間の関係で繰り返しませんが、相談窓口を、それは各行政機関にもつくりますし、契約している行政機関に相談するのがためらわれる場合もありますので、内閣府にも設置をいたします。それから、悪質な違反行為が仮に発覚した場合でございますけれども、事業者との契約に定める規定に違反があったということになりますと、この契約を解消することがあり得るということについても明確にすることを想定いたしております。例示していただいた指名停止のような措置も含めて、実効性を担保する方策については、有識者、それから事業者や労働者を代表する立場の方々からも意見を聞きながら、しっかりと検討してまいります。

○石垣のりこ君
ありがとうございます。標準処理期間に関しては先ほどなかなか難しいところもあるというご答弁があったんですけれども、この途中の状態で結果が出ないままだとどうしてもやっぱり不利益を被る可能性があるというところで、この期間の区切りを付ける、一定のところまで結論が出なかったら、出ないことも含めて結果を返すということに関しては、この点、いかがでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
先ほど申し上げたこととの繰り返しにはなりますけれども、窓口の方にご談いただいた場合に、各行政機関において調査が、あるいは評価が遅れているということについて、受け取った窓口側で重要なご指摘がある、あったということで考えた場合には、それぞれの行政機関あるいは内閣府に対して迅速な対応を取るようにということで要請をさせていただきたいというふうに考えておりますけれども、個々のお問合せにつきましては、様々な支障も想定されますので、これはなかなか難しいものだというふうに考えております。

○石垣のりこ君
鬼木委員の方からも質問がありましたけれども、その相談窓口なんですが、これ、降格もしくは不合理な配置転換があった場合、相談できる窓口について、窓口を設置するということでございますが、これ、具体的な解決につながる窓口というのをどのように考えていらっしゃるかということなんですね。例えば、労働委員会のようなあっせんですとか仲裁、あと調停機能のある機関を設置するということも検討すべきかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。今いただきました既存の個別労働紛争解決制度についてのご紹介があったわけでございますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げた対応によって具体的な状況を把握をした上で対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。そういうことの中で、不利益な取扱いということでご相談を受けた場合、相談窓口で受けるわけですけれども、それをどのような形で事実関係を把握するかということで、個別の行政機関とともに内閣府としても可能な限りの対応をさせていただきたいと思いますが、その場合であっても、仮にその労働者と適合事業者との間で紛争が発生した場合には、既存の個別労働紛争解決制度等を用いた相談、助言、指導、あっせんを受けることができると承知しておりますので、屋上屋を重ねるような形での機関の新たな設置ということはせずに既存の制度を活用してまいりたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
既存の制度ということなんですが、政府は、禁止行為が行われた場合は法案の第16条第2項に違反する違法な行為と位置付けられることから、従業者が事業者に対して不法行為に基づく損害賠償訴訟を提起することも考えられるというふうに答弁しています。結局は、不利益を受けた労働者個人が訴訟を提起するしかないというようなご答弁でした。訴訟を提起せずに解決する方法というのはあるんでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えいたします。先ほどもお答えしたところを更にちょっと詳細に申し上げますと、適合事業者の従業員の方から不利益取扱いについて相談があった場合には、受け取った行政機関あるいは内閣府におきましては、相談した方の保護に十分に注意を払った上で、必要があれば内閣府も連携した形で、契約先の行政機関が適合事業者における違反行為の有無について確認をし、その上で、契約の中で禁止行為を明示し、さらに違反行為を行った場合の契約の取消しなども含めた契約上の約束事がございますので、それを背景にしながら、そのような不利益取扱いについて防止をしたり、あるいはそれを解消するようなことも含めて、事業者の方々としっかりとやり取りをさせていただくということで対応したいと考えております。

○石垣のりこ君
ちょっと、もっと窓口の充実ということは考えなければいけない今後の課題だと思いますが、今日はこのくらいにしたいと思います。続いて、適性評価の本人同意について伺います。本人及びそして家族ですね、家族に関しては同意なしにということになるんですが、家族等の同意について、対象者に対して同意を取れば足りる、適性評価の対象者に対して同意を取れば足りるとして、家族等一人一人の同意を取ることをしない理由は何でしょうか。また、家族等について本人の同意を得ずに調査することになり、これプライバシーの侵害に当たるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
適性評価の対象となるご本人に対しましては、ご家族及び同居人について調査することも含めてあらかじめ告知して同意を得ることとしておりますので、これは家族のプライバシーにも配慮したものとなっており、問題はないと考えております。

○石垣のりこ君
情報を提供される家族側の同意を取らないことに対してということではあるんですけれども、そのご家族の方が同意をされれば問題がないということで今ご回答があったものと思いますけれども、それでよかったでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
私が申し上げたのは、適性評価の対象となるご本人に対して、ご家族や同居人の方に対しても調査することを含めて、あらかじめ告知して同意を得るということでございます。

○石垣のりこ君
あくまでも同意を取るのは評価対象になる本人のみですよね。その情報、本人から情報を出す、そのご家族のお名前だったり生年月日とかに関しては本人からの同意は必要ないですよねということの確認でございました。その上で、その情報が提供されることに対して問題がないかということのご質問でございました。ちょっと時間がないので先に行きますけれども、配偶者、父母、子並びに兄弟姉妹等に関しては、氏名、生年月日、国籍及び住所について、本人が申告した内容が正しいかどうかだけが調査対象というふうに聞いておりますけれども、戸籍謄本をこれ見ればよいということになると思いますが、適性調査における調査というのがこの程度の調査で本当によいのかどうかということに関してちょっと疑問がございます。家族に関しては、氏名、生年月日、国籍、住所以外のことはこれ調査対象ではないということで、これは調査しないということでよろしいですか。

○政府参考人(飯田陽一君)
今ご指摘のございましたものは、評価対象者の重要経済基盤毀損活動との関係を知る手掛かりとして、その評価対象者の方の家族、すなわち、配偶者、父母、子、兄弟姉妹等について、最小限度の事項として、氏名、生年月日、国籍及び住所を一律に調査することとしております。この家族の人定事項につきましては、基本的には対象者の方に質問票に記入してもらうことにより調査することを想定しており、その記入内容を基に、評価対象者本人について外国の行政機関等による働きかけがないかなどを確認するための参考とすることとしております。

○石垣のりこ君
これ、家族等については調査書に記載した事項以上のことは調査対象外ということで、例えば公安調査庁ですとか警察等が既に持っている家族の情報などを入手するという場合というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
まず、どのような調査を行うかということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、調査項目としては、あくまで本人の重要経済基盤毀損活動との関係についての調査として確認をさせていただいているということでございますが、どのような確認かということについては一概に、個別の事案により事情も異なりますので、一律にお答えすることは難しいところでございます。また、今、公安調査庁あるいは警察といったご指摘がございました。一般論として、公務所の照会先として公安調査庁や警察等の機関が含まれることはあり得ますけれども、個々の事情に応じて、実際に照会することになるのか、何を照会するのかは、調査に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

○石垣のりこ君
法案の12条の2の1にありますこの重要経済基盤毀損活動との関係ということでしたけれども、じゃ、何かあるんじゃないかという疑問が生じた場合に、周囲の方に聞いたりご本人と面談したり、必要があれば公務所又は公私の団体に照会すると、それも含めて、事前にご本人の同意を取りますが、疑問が生じた場合に照会はいたしますというふうに政府も答弁していると思います。これ、周囲の方とは具体的にどのような方を想定しているのか、また、周囲の方に聞くことで風評被害、調べられているという事実から生じる臆測であるとか、こういうことを生じることにはならないんでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
周囲の方というのは、12条6項に定める対象者の知人その他の関係者を指し、具体的には調査の過程で生じた疑問点について事情を知っていると思われる方を想定いたしております。風評被害を生じさせないかという点につきましては、不祥事の調査などとは異なり、適性評価の対象者となること自体は何らご本人にとって不都合な話となるものではないと考えておりますが、調査にご協力をいただく方に対しては、適性評価における調査の趣旨をご理解いただいた上で、重要経済基盤毀損活動との関係があるなどということを前提としているかのような無用の誤解を生じさせることのないように注意深く対応して、それが思いもしない風評につながらないようにここは細心の注意を払ってまいります。それから、適性評価の具体的な手続きは、特定秘密保護法の運用も参考に今後検討していくのですが、評価対象者に対しては、必要な範囲で知人その他の関係者に対して質問が行うことがある旨も含めて告知を行い、同意を得るということを12条3項で規定いたしております。

○石垣のりこ君
まだまだ質問がございますが、時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。