参議院 内閣委員会
3月13日 参議院 内閣委員会
2025年3月13日 参議院 内閣委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。
★Youtube録画 https://www.youtube.com/watch?v=JJ-ViAgDFPI
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/812625788
令和7年3月13日木曜日 参議院内閣委員会(未定稿より転載)
○石垣のりこ君
立憲民主・社民・無所属の石垣のりこでございます。まずは、放課後児童クラブの交付金加算制度に関して、会計検査院から改善を求められた件について伺います。放課後児童クラブの交付金加算制度なんですが、政府は、午後6時以降の開所を促すために、平日では開所時間が1日6時間を超えるということ、もう一つは、さらに、午後6時を超える場合にこの交付金を加算できると定めています。この放課後児童クラブの交付金加算制度に関しては、会計検査院が令和3年度、4年度に交付された交付金相当額を対象に調べましたところ、午後6時を超えて開所していても、何と96.4%の施設がほとんどこの対象にならない、要件を満たさないということが分かったと。これ、なぜかというと、この開所時間をどのようにカウントするかということが問題なんですね。本来の支給条件は、学校が終わってからが開所時間であって、その前の職員の方がいらっしゃって、準備時間は含まないというのが、これが一つの条件になっているわけなんですが、多くの放課後児童クラブではこの準備時間から開所時間としてカウントしていたということで、調査対象のおよそ96%が加算の対象外になってしまったということでございます。まず、この6時間開所という要件を付けた理由からご説明いただけませんでしょうか。三原大臣か、参考人でも結構です。
○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。現在、この加算制度でございますけれども、夕方以降の預かりを増やすため、平日の開所時間が1日6時間を超え、かつ18時を超えて開所をする事業所に加算を行っているというのは委員がおっしゃったとおりでございます。元々、これはやはり、放課後児童クラブの開所時間は本当に多様、様々でございましたので、支援制度が始まる前から、夜間、夕方以降の開所を推進するためにこのような加算を設けてきたわけですが、まずはその開所の時間を18時以降まで開所してほしいということをお願いをするとともに、それだけですと、じゃ、何時から始めるかということが恣意的に変えられてしまうのではないかということもありまして、一応1日6時間ということをめどとして、両面で加算をお願いをしてきたという経緯がございます。しかしながら、先ほど委員がおっしゃったとおり、今般、会計検査院でのご指摘があり、より制度の運用に即した改善をするようにというふうな意見表示もございましたので、このような、7年度からは改めるというふうなことを予定をしているところでございます。
○石垣のりこ君
学校が終わってから預かる施設になりますので、例えば午後6時半までの開所の設定をしている施設が1日6時間開所するとなると、午後1時半から、30分からということになりますが、例えば午前授業の日でもない限り、もしくは、あとは小学校1年生がまだ慣れていなくて早めに下校するタイミングでない限り、平常時というのはまだ授業中であって、ふだんは3時半頃から大体子どもたちが来るというのが一般的だと思います。そう考えると、6時間以上開所しているという条件になりますと、3時過ぎぐらいからカウントして9時ぐらいまで開けていないと対象にならないということになりますので、もうそもそもその現状に即していないのではないかというのが会計
検査院の指摘であったと思います。そういう意味で、先ほど始まる時間を恣意的に設定されるというようなご懸念があったということですが、実際のところ、そのようなケースはほぼ見受けられていないのではないかと思うんですけれども、この支給条件を改善するということなんですけれども、どのように変えられるんですか。
○国務大臣(三原じゅん子君)
ご指摘の加算につきまして、開所時間に準備時間を含める、先ほど委員ご指摘のようにですね、含めるか否かという考え方、これが明確ではなかった、この自治体ごとに取扱いが異なっていたということがございます。そしてまた、開所時間が6時間を超える事業所は少ない、おっしゃる、委員のご指摘のとおりでございまして、この要件に改善の余地がある。この観点から、今般、会計検査院から、時間設定に関する考え方、これをしっかり明確にするということですね、そしてまた、合理的な制度設計とすることという意見表示がございました。このうち、開所時間の考え方は、昨年12月、改めて自治体に周知を行って改善をいたしました。あわせて、令和7年度以降は、平日18時を超えて開所する事業所が8割を超えている実態も踏まえ、1日6時間を超えて開所するという要件を撤廃し、平日18時半を超えて開所する場合に補助することを予定をしています。引き続き、現場の実態把握しつつ適切な予算執行に努めるとともに、保護者の就労、そしてまた子育ての両立を支えるという放課後児童クラブの事業、これを推進してまいりたいというふうに考えております。
○石垣のりこ君
すみません、ちょっと整理をしたいんですけれども、2024年度、今年度中までは、準備時間はこれ当初の予定どおり含まないで考える、で、来年度、来月からですけれども、2025年度以降はこの支給要件に6時間という条件を付けないということでよろしかったですか。あと、時間も、6時までじゃなくて6時半から、6時半というお話があったと思うんですが。
○国務大臣(三原じゅん子君)
開所時間の考え方につきましては、これは令和5年から事務連絡やQ&Aで周知は図っておりまして、そして、繰り返しになります、昨年12月に改めて通知の発出を行ったということでございます。もう一度、平日18時を超えて開所するということ、これが8割超えているという実態を踏まえて、1日6時間を超えて開所するという要件、これを撤廃、そして、平日18時半を超えて開所する場合に補助をするということを予定をしています。
○石垣のりこ君
というふうに整理をされたということなんですが、実際は、今大臣もご承知かと思いますけれども、放課後児童クラブ、もちろん対応する人も不足をしている、あと場所の確保が非常に難しくて、すごい狭いスペースに子どもたちがぎゅうぎゅういたり、あとはサテライトという形で別なところに移動せねばならなかったり、あとは働く方たちの待遇改善も含めて非常に運営も厳しい中でやっていらっしゃいます。今、18時以降運営している児童クラブが8割を超えているという話になると、じゃ、今もう8割を超えているんだから、こういう加算制度はなくてもいいんじゃないかと、インセンティブを働かせなくてもいいんじゃないかというようなふうに、方向に行きがちだと思うんですけれども、そうではなくて、この運営自体をしっかりと支えていただくように、放課後児童クラブの質の確保も担保していくために、しっかりとこの拡充をしていただくということをお考えいただいた方がいいと思うんですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君)
委員ご指摘のとおり、これからますます放課後児童クラブというのは大変重要なものとなってまいりますので、周知徹底しっかりしてまいりたいと思いますし、またこうした加算の取組を利用していただいて、しっかり運営に、していただけるような制度ということを明らかにしていきたいというふうに思っております。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。続いては、AIを活用した児童相談所の支援ツールについて、こども家庭庁が導入を見送ったことについて伺います。児童相談所業務にAIを活用するというのは、今回導入を見送ったものが初めてのシステムではなくて、既に地方自治体において活用されているものがあります。資料②、ご覧いただければと思いますが、6年前の2019年に、経産省の所管であるNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業を受託した産業技術総合研究所、産総研が開発したシステムがあります。そこで経産省に伺いますが、この児童虐待対応支援システムの概要と開発に要した金額を教えてください。
○政府参考人(奥家敏和君)
お答え申し上げます。ご指摘をいただきましたAIを活用した児童虐待対応支援システムにつきましては、2015年度から5年間にわたって、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDO、こちらの次世代人工知能・ロボット中核技術開発事業の中で実施されたものでありまして、執行のスキームはご指摘をいただきましたとおり、産業技術総合研究所がNEDOから委託を受ける形で実施をしたものであります。事業の概要についてですけれども、三重県の児童相談所で蓄積してきた約6000件の児童の基本情報と虐待リスクのアセスメントデータ、こちらをデジタル化いたしまして、虐待の重篤度、将来的な再発率、一時保護の必要性、対応終結までに要する日数等を速やかに予測して提示する、こういう機能を持つAIシステムの開発と実証を行ったものであります。開発に要した費用であります。NEDOの方の次世代人工知能・ロボット中核技術開発事業、こちらの方は設定された29テーマ全体で60億円ということでございます。こちら機材や人件費などは各テーマをまたがって計上しています。29テーマのうちの1テーマである「生活現象モデリング(安全やヘルスケア)」のうちの、本事業はそのうちの一つでございまして、したがいまして、このシステムに限って費用を切り分けるということは困難でございます。60億円の総事業費の中の29事業のうちの更にそのサブシステムの事業であったということでご理解をいただきたいと思います。
○石垣のりこ君
概要はご説明いただきましたけれども、結局幾らこの開発に掛かっているか分からないというのが、まあ60億円のうちの内数ということで分からないということだったんですけれども、切り出してきちんとこの検証、費用対効果がどのぐらいだったのかというのが結局分からない状態だということですよね、結局ね、この金額が出ないということに関して言うと。
○政府参考人(奥家敏和君)
こちらの事業につきましては、使っているシステムが共通であったりとか、人件費で、いわゆるバックオフィスをやっている方々の人件費とかは共通経費になっているものですから、細かく正式に切り出そうとするとそこは難しいということでございます。一方で、本事業につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたとおり、全体で29事業、そのうちの1事業の更にサブテーマであって、5年間60億円のうち、このシステムの開発は3年間にわたるものなので、そういったところからの規模感をちょっとご認識をいただけたらなというふうに思います。すみません。
○石垣のりこ君
ご説明ありがとうございます。総額60億円のうちの内数ということで。今回こども家庭庁は児童虐待対応AIの開発におよそ10億円掛けているということで、まあ単純に比較はできないんですけれども、どういうふうにこの金額を捉えたらいいのか、ちょっと今のご説明では何とも言いようがないかなと思います。産総研の既存のシステムは、産総研が設立したベンチャー企業AiCANというところのアプリを使って利用することになっていまして、このAiCANのホームページなどを見てみると、現在、10の自治体で利用されているそうなんです。当時はまだ厚労省の時代ですが、こども家庭庁は、このようにして先行して地方自治体で活用されているものがあることをご存じでしたでしょうか。
○政府参考人(吉住啓作君)
存じ上げておりました。
○石垣のりこ君
認識をしていたということですけれども、こども家庭庁、当時厚労省は、それとは別にこの児童虐待支援AIシステムの開発を始めたということで、これはどのような理由からでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君)
ご指摘のとおり、NEDOから委託された産業技術総合研究所におきまして、AIを活用した児童虐待対応支援システムの開発が行われていたということ、これは承知をしております。このNEDOのシステムは、 AIの基礎開発とその社会実装を目指すという目的の下、児童虐待対応支援を対象としたAIシステムを開発する中で、実用化に向けた実証を行うという観点から、特定の都道府県、三重県が用いるデータと業務フロー、アセスメント項目等に基づき開発されたものと承知をしております。他方、国といたしましては、児童相談所の事務負担の軽減も含め、全国の児童虐待事案に迅速かつ的確に対応するため、全国の児童相談所で統一的に活用できるツールの開発、実装を目指し、各自治体間の運用実態の違い等も踏まえつつ、都道府県の業務フローやアセスメント項目に対応できるシステムを開発してきたところでございます。このため、こども家庭庁の開発したシステムとNEDOのシステムとはアセスメント項目の数等も異なるものとなっておりまして、単純に比較できるものではないということも承知をしております。なお、こうしたシステムの違いがあること等から、経産省との間で情報を共有するといったことは行っておりませんでしたが、AIの開発に当たっては様々な関連研究や文献等を参考にしており、そうした中でNEDOのシステムに関する研究成果も含まれていたものというふうに考えております。
○石垣のりこ君
広く見れば含まれていたのではないかということなんですけれども、厚労省、現こども家庭庁が新たな虐待対応支援AIシステムを開発する上で、この産総研の既存のAIで例えば不足しているところであるとか、こういうのを改善する一つの、まあ一つの何でしょうかね、土台というか、反面教師的なところも含めまして、これ参考にすることはできたのではないかと思います。例えば、もう端的に言うと、AIに学習させている実例の件数ですよね。産総研の方は、既に5年以上前の研究ではありますけれども、およそ6000件のケースを学習していると。こども家庭庁の方は今回およそ5000件だということでございます。この数字については少な過ぎるのではないかという批判の声も上がっていますが、AIのことを調べていくと、必要なデータ量を測るのは非常に難しいようではあるんですけれども、実用化されているものというのは数十万件のデータを学習しているものがやはり大半だということで、この5000件の数字というのは、先行事例の、類似事例の6000件よりも更に少ないということで、やはりこれ、設計の段階で妥当ではなかったのではないかということが言えると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(三原じゅん子君)
委員ご指摘のとおり、この必要な学習データ量というものは、いろいろな学習モデルですとか活用場面ですとか、そういう質、収集、この難易度というものによって総合的に設定されるものであるというふうに承知をしております。本システムは、いわゆるオープンデータを用いるようなAIとは異なり、児童相談所において実際に対応した事案に関する情報を学習データとして用いたものであること等から、今般のAIツールの開発に当たって学習に用いるデータ数は5000件としております。この点、検討会委員であるAI領域の有識者からも、この学習データの量が不足しているとかという指摘はございませんでして、実用化にまで結び付かなかった理由としては、事前に定められた一定の項目に該当するか否かのみで一時保護の判断をすることの難しさにあることなどとされたため、この開発当初の学習データ量として5000件が少ないというご指摘は当たらないというふうに考えております。
○石垣のりこ君
でも、今から一つの事例がありますけど、2023年5月に三重県の津市におきまして、4歳の児童が一時保護されずに虐待死するという痛ましい事件がありました。このケースでは、先ほどの産総研が開発したAIによる保護率39%だと出たと報道されております。この事件の報告書も読みましたけれども、素人目にもこれ保護が必要なケースと言わざるを得ないと思いました。それでもAIが判定した保護率39%であったということなんです。一部報道では、このAIが出した保護率39%、参考にしたというふうにも伝えられています。これ資料③で、まあテレビなどの報道でもそのように伝えられているんですが、報告書を読みますと、この保護率を見る前に保護の見送りを決めていたということなんです。このシステム、先ほども申し上げましたように、現在も自治体で使用されています。こども家庭庁のデータは、あくまでも学習データ5000件、入力項目91件で、仕様書どおりには完成したけど、検証したら6割で判定が低く出るという結果だったので今回リリースを延期しました。一方、産総研が開発したAIは、学習データ6000件、入力項目21件、先ほどの事件などでの保護率39%というふうに出ている事例もあるにもかかわらず、今使い続けられているわけなんですね。こういうこのAIのサポートをどのようにそれぞれの自治体で使っているのかどうなのかということを、やはりこれ、こども家庭庁として、こういう導入を考える際に一度きちんと把握しておくべきではないかと考えますが、三原大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君)
今回、国が児童相談所における一時保護判断に資するAIツールのリリースを延期したのは、全国に提供し、一律に用いられる可能性のあるツールとしては、現在の判定精度では十分ではなく、更なる改良が必要と判断したことによるものでございます。迅速かつ的確に児童虐待対応を行うためには、児童相談所の業務効率化等、重要でありまして、自治体が別途構築したAIシステムを活用すること、これを否定するものではございません。今年度の調査研究において、自治体におけるデジタル技術の利活用の状況、これを調査しておりまして、その中でAIの活用状況も把握することといたしております。
○石垣のりこ君
その項目の中にしっかりと、この虐待対応でAIを活用しているのであれば、しっかりと把握をしていただきたいということでございます。あくまでも、各自治体の判断で使用しているものを否定してくださいということではなくて、実態をきちんと把握して、適切に使われているかということに関しては、こども家庭庁としてこの視点を持って、必要があれば数字などをもって使い方をしっかりと見定めていくということが必要なのではないだろうかということが、起こった事件の事例などからも言えるのではないかと思います。今回、10億円掛けて開発したAIツールが残念ながら使えなかったということで、一時中断の判断がなされたわけであります。これは、いろんな批判ももちろんこれ否めないところではあると思うんですけれども、この6割で判定ミスが生じた段階で止めるという判断をしたのは、私としてはこれ賢明な判断だというふうに思います。AIなどの技術を活用することを私自身も別に頭ごなしに否定するわけではなくて、まだまだこれからどんどんどんどん進化していく分野ですので、時には間違いが起きることもあるとは思いますけれども、その都度しっかり見直した上で、様々なご意見いただきながらいいものを作っていくということは重要だとは思うんですが、一方で、このAIと言えば予算が付くとか、AIであれば何とかなるというような、ちょっとそういう傾向に今陥りがちなのではないかということを政府の様々ないろんな政策及び予算の付き方を見て非常に懸念をするところです。AIを過信してはなりませんし、逆に、人工知能、このAIが高度になればなるほど、主客転倒と申しますか、AIに振り回されてしまう可能性というのがどんどん高くなっていくものだと思うんですね。これ、逆にこういうものを使うことによって、AIがこういう数字を出したからという責任逃れにされてしまうこともないわけではないと思いますので、そういった意味でも、しっかりこども家庭庁として、全国の利用状況を把握して、適切な利用に努めていただきたいと思います。その上で、今後どのようにAIを活用されていくおつもりか、ご意見をお願いします。
○国務大臣(三原じゅん子君)
委員おっしゃるように、この一時保護の判断というのは子どもの命に直結するものでありますので、この児童相談所における一時保護判断に資するAIツール、これは、職員による迅速な判断が過去の事例に照らして的確なものとなるよう支援するためのツールとして用いることを想定をしてございます。こうした重要な役割を期待されるものであり、全国に提供するツールであることも踏まえると、現在の判定精度では十分ではなく、更なる改良が必要だと判断し、現時点でのリリースを延期したものでございます。今回は、事前に定められた一定の項目に該当するか否かのみで一時保護の判断をすることの難しさゆえに精度が十分でなかったものと考えておりますが、開発を開始した数年前と比較してAI技術の大幅な進化もあります。今後、児童記録票に記載されている文字情報等、否定的な情報を学習できるAI技術が確立されることも期待されているところでございます。加えて、令和6年度補正予算におきましては、AIを活用した面談音声マイニングと要約ツールの開発についての費用を計上して、面談等での音声情報をテキスト化するとともに、児童相談所にとって活用しやすい形式に沿って要約を行うことを目指しておりまして、これによって記録業務を軽減し、業務効率化に資するものと考えているところでございます。こうしたことによって、今後、AIを用いて児童相談所で行う複雑なケースワークの情報を多面的に活用して業務をサポートできるようになると考えております。今回の開発に当たって得たシステムやデータ、今後も保有しつつ、これらの知見を活用して、今後のAIツールの改良に向けて検討してまいりたいと思いますが、一方、委員ご指摘、ご懸念のように、業務をこれ支援するためのツールであって、過度に頼り過ぎるというようなことがないように、そこは徹底してまいりたいと思っております。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。面談の音声を文字化するツールとかというのもあると思うんですけれども、全国様々な地域の言葉がございますので、こういうところも全て把握して、きちんと分かるような状況で読み込ませるには、相当やっぱり学習、ディープラーニングを含めてやっていかなきゃいけないと思いますけれども、今後もしっかりと検討して、AIの使い方というのを間違わないようにしていただきたいというふうに思います。三原大臣、ありがとうございました。では、続きまして、大阪・関西万博の質問に移りたいと思います。まずは、資料の④ですね。資料にあるとおり、万博のリングの下の護岸が波で浸食されるという事案が発生しました。これ、いつ、なぜこのような浸食が起きたのか、ちょっと端的に説明していただけますか。
○政府参考人(浦上健一朗君)
お答え申し上げます。博覧会協会から聞いておりますのは、このリングの内側のウォータープラザ、ここに注水始められたのが2月17日、それからリングの外側のつながりの海というところが2月18日、それぞれ注水を開始いたしまして、その後、護岸の一部で浸食を確認したのは2月19日ということでございます。この護岸浸食でございますけれども、ウォータープラザ、つながりの海というところに注水をした後に、風の影響で水面の波の高さが想定以上に高くなってしまったということ、それから、先行してウォータープラザに注水を開始したということでございますけれども、つながりの海とウォータープラザの水面のこの水位差、これが生じたことによってつながりの海への水の流れができてしまったということ、これが原因であると考えられるというふうに報告を受けているところでございます。○石垣のりこ君
その設計上、水の流れができることがまず想定できていなかったのかという問題、あと、波がここまで立つと思わなかった、風が強かったということですけれども、大阪市の気象データを確認したところ、これ、大阪市のものなので埋立地の万博予定地は海に近いのでもっと強かったと思うんですけれども、この水を注入した2月17日、最大瞬間風速12.2メートル、最大風速6.6メートル、18日は、最大瞬間風速9.8メートル、最大風速が5.4メートル、浸食が確認された19日、最大瞬間風速9.2メートル、最大風速5.4メートル。これ、風が吹いて波が立つことというのは本当に予測できなかったんですか。
○政府参考人(浦上健一朗君)
恐らく、この施工面は、静水にかなり近い状態でないかというふうに想定をしていたというところがいろいろとご指摘のあるところだと思いますけれども、想定以上に水面の波の高さが高くなったということが原因であるというふうに聞いております。
○石垣のりこ君
いや、これ、今の風速は決して強い風ではなくて、これからまた夏に向けて十数メートルとか、そういう日が結構あるわけですよね、過去のデータを見ると。これ、予測できなかったとしたら、やはりこれ、建設のプロとしてこの現場は相当課題が多いんじゃないかと思いますし、これ、浸食されることを容易に想像できたけれども、施工書のとおりに、計画書どおりに造ったからまあいいやというような、事なかれ主義がこの現場に蔓延しているのであるとしたら、そしてその象徴的な一例であるとしたら、これ、万博の現場自体がどういう工事の状況で行われているのかというのが、非常にやはり不安を抱かざるを得ないことだと思うんです。これ自体は安全上問題がないと言っていたとしても、何か素人目に見ても、どう考えてもここは風が吹いて波が立つというか、水入れたら崩れるんじゃないかということが想像できることを想定できなかったと言っていること自体、非常に問題があると思うんですけど、これ伊東大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(伊東良孝君)
私も、昨日、現地、現場視察をいたしてまいりました。これ、本来であれば、素人で、我々が考えると、固めているところが崩れてきた、なぜこんな、ちゃんとしてコンクリートか何かで固めなかったのかなと思うぐらい、ごくごく当たり前の、波が来たら崩れてしまうような、なぜかなと本当に本心そう思いながら、だけれども、それだけに、これ修復はそんなに難しいような工事ではないのではないかと。基礎的な部分についてはちゃんと基礎ぐい60メートルのものを打って、その上に造っておりますので、この下の部分については修復について早急に手当てしてほしいと、こう思っているところであります。
○石垣のりこ君
修復にそんなにエネルギーが要らないというようなお話もありましたけど、本当かどうか、ちょっとこの辺は、ちょっと今日は時間がないので追及できませんけれども、今後の状況見たいと思います。危険なのではないかという点では、万博会場内におけるメタンガスの発生状況です。これ、労働安全衛生規則によれば、労働者を安全な場所に避難させ、及び火気そのほか点火源となるおそれのあるものの使用を停止し、かつ、通風、風を通すですね、換気を行う、等を行う濃度は1.5ボリュームパーセント、爆発限界は5から15ボリュームパーセントです。会場内で1.5ボリュームパーセント以上を計測されているこの計測地点の計測数と、計測地点の数と、それぞれの場所の数値の最新情報を教えてください。
○政府参考人(浦上健一朗君)
お答え申し上げます。博覧会協会が公表しております最新の数値、2024年12月の測定結果でございますけれども、博覧会協会におきましては、トンネルなどの閉鎖空間で作業する労働者の安全確保を念頭に定められた労働安全衛生規則の退避基準値である、委員ご指摘の1.5ボリュームパーセントを基準値として援用しているところでございます。この基準値以上を検知いたしましたのは、グリーンワールド工区で2か所、それから、第一交通ターミナルで2か所、合計4か所でございます。なお、これらは全て建物の中ということではなくて、全て屋外の電気・通信施設の地下ピットということになります。そのうち、爆発下限界であります5ボリュームパーセント以上を検知したと、その後いろいろと自然換気を行ってゼロボリュームパーセントになったということでございますけれども、その箇所が2か所。場所は、グリーンワールド工区の東トイレ付近ということで1か所と、それから第一交通ターミナルの西エントランス付近ということでございます。
○石垣のりこ君
これ、メタンガス濃度を5ボリュームパーセントの場所でたばこに火付けると爆発する可能性はありますか。
○政府参考人(浦上健一朗君)
いろいろな自然換気を伴ってそのパーセンテージを下げておりますので、そうしたことのないように現場では作業がされているということでございます。
○石垣のりこ君
5ボリュームパーセント、ここに、以上って、資料の⑥、ちょっと見づらいかもしれませんけど、書いてあるんですけど。最大何%出たんですか、今もし分かれば。
○政府参考人(浦上健一朗君)
ちょっと手元の数字がございませんので、ちょっと確認をする必要がございます。
○石垣のりこ君
すみません、以上というお話だったので最大の数値を伺いましたけれども、後でよろしくお願いいたします。で、避難が必要なメタンガス濃度を検知した箇所が、その後に改善されたというお話はありましたけれども、昨年12月時点で4か所あって、そのうち爆発限界の5ボリュームパーセントを計測したのが2か所あると。その2か所が喫煙場所として予定されていた西ゲート付近なんですね、地図見ていただくと。この喫煙所設置を断念した、こういう理由から断念したというふうに報じられています。この点については事実でしょうか。また、喫煙所を新たにどこに設置するのか、その場所は西ゲートからはどのぐらいの距離になるか、今の現時点での計画を教えてください。
○政府参考人(浦上健一朗君)
お答え申し上げます。一部報道にございますような西ゲート側でのこの喫煙所のこの設置の要否といったところについては、何か方針が決まったという事実はございません。喫煙所の設置箇所につきましては、目下、博覧会協会において調整を進めているというところでございます。
○石垣のりこ君
まだ決まっていないということで、パビリオンも含めて建設途上で完成しないかもしれないと、大臣も間に合わないのではないかというようなご発言もあったかと思いますけれども、全てのパビリオン、会場が開会日までに完成するのかどうなのか、大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊東良孝君)
私も、昨日、大屋根リングの上からパビリオンの建設状況を視察をしてきたところでありますけれども、関係者の皆さんにしっかりお話を聞くと、今月いっぱいで、例えば足場その他が外れる、あるいは搬入準備で進めることができるということで、皆さん工期には間に合うというお話をされていたところであります。
○石垣のりこ君
今ご質問させていただいた点も含めて様々な不安要素がございます。本当に安心して皆さんが万博見ていただくことができるかどうなのか、今後も委員会などを通じてしっかりと伺っていきたいと思います。以上で質問終わります。ありがとうございました。