参議院 内閣委員会
6月10日 参議院 内閣委員会
2025年6月10日 参議院 内閣委員会の参考人質議で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/KNwSRO0gjCA?si=qGdGRmvP598FHqFH&t=943
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/817824439
令和7年6月10日 (火曜日)参議院 内閣委員会【未定稿より転載】
○石垣のりこ君
立憲民主・社民・無所属会派の石垣のりこでございます。日本学術会議の法案に関して審議が進められておりますけれども、決して、今この段階で審議を途中で終わらせて採決に持ち込むということに関して、私たちは断固本来反対を申し上げたいと、お伝えしたいと思います。この委員会が始まる前に、お時間をいただきまして、学術会議の有志の方、45名の方から、坂井大臣宛てに要望書をお渡しをいたしました。その中には、目下審議されている法案について日本学術会議会員との意見交換を行うことを表明し、具体的な日程調整を開始いただくことというのが要請されております。「6月5日の参議院内閣委員会において、大臣は、日本学術会議法案に関する日本学術会議とのコミュニケーションが不十分だったのではないかという質問に対して、今まで学術会議の皆さんの側からお会いをしたいという意向はないということもあったのでお会いしていなかったが、意向があるということであれば、お伺いしてお話をお伺いしたいと思います、日程の絡みがありますので、時間を調整してということになりますと答弁されました。このご答弁を考慮し、また、日本学術会議は、この間、大略、同法案について政府から十分な説明を受けておらず、両者の信頼に基づくコミュニケーションが必要であると主張してきたことに鑑み、私たち日本学術会議会員有志は、日本学術会議法案について、日本学術会議会員との意見交換を行うことを表明なさるとともに、具体的な日程調整を開始いただくことを大臣に要望いたします」と、このような内容で提出がされております。坂井大臣、本当にお忙しい中、直前で恐縮ではございましたが、お目通しいただきまして、この会員有志からの要望、どのようにお受け止めいただいているでしょうか。
○国務大臣(坂井学君)
今朝、私も、この席に座り開会を待っていたときに渡されまして、見せていただき、読ませていただきました。確かに、先日の委員会において、学術会議の側からお会いをしたいという意向があるということであれば、お伺いをしにお訪ねをしたいという旨答弁したところでありますが、私どもといたしましては、現時点で学術会議から正式なご意向はいただいていないという認識でございます。今後、ご意向があれば真摯に対応してまいりたいと思っております。
○石垣のりこ君
これは確かに学術会議の機関決定という形では今回はなかったんですが、それは、この審議が終盤に差しかかっているということを考慮して、まだもちろん決まってはいないんですけれども、緊急の要請ということで、今後、機関決定も含めて、間に合えば急ぎやりたいけれども、それもなかなかかなわないということで、急遽有志の皆さんが、連絡が取れる範囲の中で、ご同意
いただいた皆様とともにお出しいただいたものでございます。こういうことも含めて、修正案に関して、この学術会議側としては要望しているわけですから、これに関する意見交換の場を持つということは、これは要望があろうとなかろうと、きちんとやるべきことであると思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂井学君)
そういった意味におきましては、学術会議を代表して、今日も私の隣に会長がお見えでございますが、会長がこちらに来られて、そして学術会議全体の意向を受けた上で会長として答弁されていると認識もしておりますし、またその中で、様々、会長が各会員さんとのコミュニケーションを取りながら取りまとめもなされてきたということを認識をしておりますので、言わば、今回のこのペーパーも、まだ確認をしておりませんが、恐らく会長さんが取りまとめをされたものではなかろうと想像いたしますので、ですから、今のように正式なご意向はいただいていないという認識だということを申し上げたということでございます。
○石垣のりこ君
前提として、今回の法案の修正が求められているという機関決定がございます。で、先日の大臣の答弁、繰り返しませんけれども、ございます。で、なかなかこれに応じていただけないということで緊急に提出したものです。光石会長、こうした会員の皆様、今回は有志でございますけれども、意見を尊重されますか。
○参考人(光石衛君)
日本学術会議の会員から要望がなされているということは伺っており、会員等から事前に連絡をいただいたものではありません。内容につきましては、先ほど私も見たところでございます。これは、ご指摘のように、日本学術会議として意思決定したものではないので、あくまで会員個人、といっても多数に上っておりますが、要望されたものと思います。今提出されている法案につきましては、昨年まで有識者懇談会や政府による国会提出までの過程においても日本学術会議としての懸念に、懸念を政府に伝えてきており、その上で、現在は国会において審議、本国会で審議されているところと承知しております。そのため、日本学術会議としては、4月の総会で採択された声明及び決議を踏まえて、日本学術会議の主張や懸念について、本国会の場において国会及び政府に対して説明を尽くさなければならないと考えておるところでございます。他方、大臣からは、日本学術会議の要請があれば伺うとのことでした。しかし、そもそも本法案については、日本学術会議との間で完全な合意に至らなかったにもかかわらず提出されたということが日本学術会議の受け止めであり、我々の要請によるというよりも、日本学術会議がお示ししている懸念点について説明を尽くされることが必要なのではないかと考えております。いずれにしましても、政府とのコミュニケーションが大切であると考えておりますので、今後、大臣と面会を行うことも含めて、コミュニケーションの仕方を考えていきたいと考えております。
○石垣のりこ君
決して、会うということに対して、決して、まあ否定的であることではないわけですけれども、急ぎやっていただきたい。なぜならば、今この法案の審議が最中でありまして、早く対応していただかないときちんとしたこの学術会議側の要望を反映することもできませんので、大臣、是非ともこの日程調整、早くしていただきたいんですが、お願いしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(坂井学君)
今の光石会長のお話からいたしましても、今こういう状況であって、要は、私の先日の答弁があって、それを受けてお考えを、そういったお考えもいただいたんだろうと思いますが、その中で、今この時点においては、この委員会の場においてその懸念点等について質疑を行って、それに対して私、政府側からしっかり説明をいただきたいということだったと思いますし、また、今後、私どもの閣法が通ったとしても、御党が出している修正案が通ったにしても、どちらにしても法人化に向けて歩み出すわけでありまして、大きな動きがあるわけでありますから、そこに向けてコミュニケーションを取っていく必要というのは十分あるわけでございまして、そこの間で光石会長ともしっかり連携を取り、コミュニケーションを取っていくということを努力してまいりたいと思います。
○石垣のりこ君
急いでやっていただかないといけないというところで緊急の要望を出されたということでございますので、早急な対応を改めて要求したいと思います。要求といえば、黒塗りの文書に関するやり取りの中で光石会長は、任命拒否された6名について、日本学術会議としては、令和2年10月に会員任命されていない6名については引き続き第25期、第26期の会員候補であることのこれまでの立場に変わりはございませんと、これまで、推薦した会員候補者が任命されない理由を説明いただきたい旨求めていきたいところですが、日本学術会議への正式な回答や説明が行われておりません、政府において、任命に当たって日本学術会議からの推薦を十分に尊重する必要があるとお考えなのであれば、推薦した会員候補者が任命されない理由をご説明いただきたいと考えておりますと答弁をされています。これ、学術会議の会長、光石会長に対して任命されない理由を説明していないのかということの確認と、されていないのであればきちんと説明をすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。(発言する者あり)
○委員長(和田政宗君)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(和田政宗君)
速記を起こしてください。
○国務大臣(坂井学君)
この令和2年の日本学術会議の会員任命につきましては、日本学術会議法に沿って、任命権者である当時の内閣総理大臣が総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断を行ったものであり、一連の手続は終了しておりますが、個別の理由につきましては、会長にご説明はできないということで、控えさせていただいているところでございます。
○石垣のりこ君
いや、説明していただかないと、今後の、まだ現行法の下にあるわけですから、推薦するときに困るじゃないですか。どういう基準で否定されているか分からないわけですから、何をもって、どういう基準で推薦したらいいかということが分からないわけですよね。光石会長、この点で、現行法の下でなりますけれども、まずはね、これ、推薦を決める点で、6名の任命拒否の理由が分からないと支障があるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○参考人(光石衛君)
現在は、正確な言葉ではないかもしれないですが、学術に優れた者ということが会員の候補者であるということかと思いますが、あとダイバーシティーとかですね、そういったものを考慮して今選考しているわけですが、任命されなかった理由というのは明らかにしていただきたいということは、ずっとかねてから要望しているところでございます。
○石垣のりこ君
かねてから要望しているということで、これがきちんと開示されることが第一歩であるということも含めて、大臣、これ幾ら人事に関することであるから言えない、言えない、適切な手続を経たと言っても、これ、ここの齟齬(そご)があるわけですよ。そもそも認識の齟齬があるわけですよ。これ、きちんと説明すべきであるということを改めて申し上げたいと思いますけれども、一歩踏み込んだご答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(坂井学君)
これは私のみならず政府として、この件に関しましては、先ほど申し上げたようなことで、個々の任命の理由など人事の詳細について明らかにすることは、他の公務員の人事と同様、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれなしとは言えず、政府としてお答えは差し控えざるを得ないと考えているところでございます。
○石垣のりこ君
ご本人たちも是非とも教えていただきたいということもおっしゃっているわけですよ。これ、きちんと開示しないことには、今後の支障も来すのではないかというおそれも、それこそ招くことになるんじゃないでしょうか。きちんとこの説明をすべきであるということ、これ光石会長もおっしゃっておりますので、これもご対応いただきたいということを改めて申し上げたいと思います。その上で、前回の委員会で奥村委員からも重ねて問われていましたけれども、特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は、学術会議の判断で、今度は任命ができる、どのような場合が解任に該当する事由となるかについては、学術会議において適切に判断されるであろう、こう思っておりますが、そういったものなどは規則などにおいてあらかじめ具体的に定めておく必要があろうかと考えておりますという坂井大臣の答弁について伺いたいと思います。坂井大臣、この答弁はさすがに、憲法における思想、信条の自由を侵害する、憲法遵守の立場にあられる大臣として不適切だと思います。撤回していただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(坂井学君)
私がこの5月9日の衆議院内閣委員会で述べたのは、会員が学術会議で政治的な主張や活動をしたこと、特定の政治勢力や外国勢力から資金提供を受ける又は緊密に連携して活動をするなどの事実が判明した場合にどのような対応を取ることができるのかといった趣旨のご質問に対して、政治的、社会的勢力や特定の外国勢力から独立して学術的な活動をしていただくというのが望ましいということは……(発言する者あり)
○委員長(和田政宗君)
ご静粛に願います。
○国務大臣(坂井学君)
言うまでもない、特定のイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は学術会議が解任できる、どのような場合が解任に該当する事由となるかについては学術会議において適切に判断されるべきであろうということを申し上げたものでございます。このため、仮に政治的な中立性を疑われるようなことがあるならば、それが学術会議の業務に関する著しく不適当な行為に当たらないかどうか、国民や社会にきちんと説明できるように学術会議において自主的、自律的に適切に判断されるだろうということを申し上げたものでございます。
○石垣のりこ君
誰からどう言われたかということじゃないですし、どこが最終的にそれを決定するかという話ではなくて、そもそも大臣がこの「特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は解任できる」というふうにおっしゃっていること自体の問題なんです。その点に関して、大臣が思想、信条の自由をもって、これが許されない、しかも特定のイデオロギー、党派的な主張を繰り返す、一体誰が判断するんですか、何の基準をもって判断するかということも含めて、これ誰が決めるんですかということもあるわけですが、大臣が特定なイデオロギー、党派的な主張を繰り返す会員が解任できるという見解を示すことの問題を申し上げているんです。
○国務大臣(坂井学君)
いや、だから、そういったことをやったときに学術会議がどうお考えになるかで、学術会議が不適切だということになればその解任をするということができるということを申し上げたところでございまして、そこはあくまで、ですから、私がその党派的な、イデオロギーや党派的な主張を繰り返すといった場合に、何回繰り返すとかどういうことをやったら駄目かとかそんなものを、そういった、要はその基準を私は申し上げているわけではなくて……(発言する者あり)
○委員長(和田政宗君)
ご静粛に願います。
○国務大臣(坂井学君)
そういった質問が出て、それが不適切だということの前提で質問が出たので、それが本当に不適切だということであれば学術会議が判断をしていただいて、そして解任できるという仕組みになっているという、この仕組みを説明させていただいたところでございます。
○石垣のりこ君
だから、最終決定でどういう判断基準をつくるかは学術会議に、新しくできる学術会議にありますということは分かるんです。その制度の仕組みをお話しされた以上に踏み込んでいらっしゃるんですよ、これ。特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員はこれ解任できるという見解を大臣ご自身が示してしまっていること自体が問題なんです。お分かりになりますか。
○国務大臣(坂井学君)
あくまで、私がそこの見解を示しているのではなくて、その前提に、学術会議が不適切と考えるならば学術会議のご判断でということを申し上げているわけであるわけであります。
○石垣のりこ君
だから、学術会議のご判断でと言っていることが問題があると言っているわけじゃないんです。そもそもこういう特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返すようなことがあるんですけど、大臣、どうですかと言われたときに、そのことに関しては、踏み込まない大臣の答弁としてあるべきなんですよ。そこは言うべきじゃないんですよ。言っちゃいけないことまで踏み込ん
でいるんです。仕組みの上で学術会議にその決定権があるということを話すことは問題ないんですが、特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員が解任できるということを大臣のお立場でお話しされること自体の問題を問うているんです。これは大臣の見解として私は問題だと思います。撤回してください。
○国務大臣(坂井学君)
これ何度も申し上げておりますが、こういう趣旨の質疑、質問がある中で、それを前提にということでお話があって、で、私はそれを、その要は事例に沿ってその制度と仕組みを説明を申し上げたところでございます。あくまで、そういう仕組みで、要は、個人が、個人が政治的、社会的又は宗教的な意見を持つことはもちろん自由であるとずっと言っておりますし、また、アカデミーにおける学術的な議論の結果出てきた助言が、これが特定の政治的、社会的又は宗教的な立場からの主張に合っている、沿っているように見えるものであっても、それに関しては、学術的な議論を経て示されたものである限り、これはアカデミーとしての使命、目的にかなうものであると、つまりこういったこともずっと申し上げてきているところでございます。ですから、ここは私は、この法案の仕組みがこうなっている、学術会議のご判断によって、で、会員の不適切だということになれば学術会議が解任をすることができる、しかしそのときにはその基準は事前に明らかにしていただく方がよろしいのではないかということを申し上げた、つまり、制度の説明を申し上げたところでございます。
○石垣のりこ君
よろしいのではないかと言うこと自体が問題だというふうに申し上げているんです。それは違いますよね。ちょっと時間が来てしまいました。まだまだ質問の半分も行っておりません。任命拒否を明らかにすること、改めて学術会員側、任命拒否をされた方々には説明すべきであること、学術会議の意思として修正を求めている点を反映させて法案修正に応じるべきだということ、わが党の修正案参考にしていただきたいと思いますし、本法案に、2018年の法解釈の整理に関する検討過程の文書について黒塗り部分を開示すべき、この3点が整うまでは新たな法案の採決などあり得ないということを申し上げて、私の質問を終わります。