参議院 農林水産委員会

4月23日 参議院 農林水産委員会
2026年4月23日 参議院 農林水産委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。 
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/M3vAAqLYGM4?si=Q8m8B_szaUGsbVJc&t=2007
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/834289911

令和8年4月23日 (木曜日)参議院農水委員会【未定稿より転載】

〇石垣のりこ君
立憲民主・無所属の石垣のりこです。
まずは、仙台塩釜港に係留中だった宮城海上保安部の巡視船から重油が流出した件について質問いたします。
3月25日未明に通報されまして、最大で1万5000リットルの重油が海に流出し、周辺で養殖していたノリ、ワカメ、昆布などが廃棄処分をせざるを得ない状況になったということで、大きな被害が生じております。間もなく1か月ということで、既に衆参の農林水産委員会ほかで質疑がなされておりますので、私からは更に直近の状況を踏まえて何点か伺います。おとといの21日から、塩釜市ではワカメなどの処分が始まりました。ワカメ類で1000トン以上、1500トン以上とも言われております。廃棄をしなければならない状況になっております。まず、初日となりました21日、県漁協で7トンを処分したというニュースがあったんですけれども、これ、塩釜市の方の漁協で契約した処理会社は、1週間で20トン程度は処分できるということで、1日に大体20トンぐらいずつ揚がっているという話もありましたので、これ処理が追い付いていかない状況なんですね。ようやく契約はできたということなんですが、これから気温も上がってまいりますし、できるだけ処理を早めた方がいいと考えます。これ、かつ収穫の部分というのか処分のために引き揚げる部分というのか、これは漁業者の皆さんにご協力いただくしかないんですが、処分に関しては、この代金を出すというのは当然なんですけれども、漁業者任せにするのではなくて、海上保安庁もですけれども、水産庁も、例えば、処理会社ちょっと探して、きちんとやっていただけるようなところをあっせんする等、紹介する等、積極的に協力すべきだと思いますが、水産庁、いかがでしょうか。

○政府参考人(藤田仁司君)
お答えいたします。今委員ご指摘のとおり、既に陸揚げが進んでおりますワカメ、これにつきましては、宮城県の方でしっかりその処理業者のあっせんが行われまして、それで、21日には焼却に向けて搬出が開始されていると。順次処理が今のところ進められているという状況でございます。私どもも、しっかりその状況を注視して、今後円滑に処理が行われるようにしっかり協力をしてまいりたいと考えてございます。

○石垣のりこ君
残念ながら、何か手伝ってもらっているという認識はあまり、ちょっと場所にもよるのかもしれないですけれども、認識はなくて、もう事故が起きました、被害が出ました、お金は出すから処理はよろしくねというような状況で、もう既に現場任せにされているという認識があるという状況になっておりますので、きちんと連絡も含めて取っていただきたいと思います。迅速にご処理をお願いいたします。今回の事故で、被害額、ノリだけでは3億円を超えるということで、総額どのくらいになるかちょっと分からないんですけれども、この申請をして査定して決定して支払われるまでに一定の時間を要すると思います。賠償されるものの中でも、例えば、今ご紹介したような廃棄物の処理費用のように、金額が確定して請求書が送られてくるようなものに関しては、もう先に、このサーベイヤーの査定待たずに、これ漁業者に支払う、これは組合になるかもしれませんけれども、支払うことができないか。また、もう原因者は海上保安庁にあるということは明らかなわけですから、これ海上保安庁が直接処理業者と契約して漁業者通さずに支払うというようなことも、これ額面大きくなってきてなかなか待たされると肩代わりするのも大変だと思いますので、こうしたことを検討してはいかがでしょうか。

○政府参考人(高橋徹君)
まずは、この度、海上保安庁の巡視船が油を流出させ、漁業者の、漁業関係者を始めとします地域の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることについて、改めて深くおわびを申し上げます。海上保安庁としましては、今回の油の流出によってノリやワカメなどの海産物に被害が生じたことにより収入を断たれた漁業者の皆様の生活を守るため、一刻も早く賠償金をお支払いすることが重要だと考えております。このため、現在、賠償に向けて早期に被害状況を確認するため、海上保安庁の本庁、管区本部、海上保安部に対策チームを設けるとともに、損害査定の専門家であるサーベイヤーの人数を増やしてその支援を得ながら、被害のあった海産物等の調査を実施するとともに、できるだけ効率的かつ効果的に調査を行えるよう、漁業者の皆様にも補償に関する説明会を実施したところです。引き続き、漁業者の皆様から誠意を持ってお話を伺い、海産物の廃棄処理に関する費用、それから海産物を販売できないことによる逸失利益、また汚染等によって使用できなくなった漁具の交換費用など油の流出によって生じた様々な損害について、可能なものから順次金額の確定を進めるなど工夫をして、可能な限り早期に賠償の支払ができるよう努めてまいります。また、今後の海産物の廃棄処理を海上保安庁が直接産廃業者と契約を行って進めるということについては、海上保安庁としても漁業者の皆様からよくお話を伺って、そのご要望を踏まえながらエ夫をして、被害に遭われた漁業者の皆様のご負担を少しでも軽くすることに努めてまいります。

○石垣のりこ君
ぜひ、現場に事務的な負担も含めて、できるだけかけないような工夫をしていただきたいと思います。今申し上げたように、あとお答えいただきましたように、査定が必要でいろいろ検証が必要なものはある程度仕方がない、時間がかかっても仕方がないと思うんですけれども、もうごみ処理とかというのはそんなにいろんな査定が必要というか、もう決定したものに関しては払えるものであると思いますので、そこの区別を早くして、できるだけ早く支払をお願いを申し上げます。今お答えにも多少ありましたけれども、補償についてこのサーベイヤーが査定を行っているということは承知しているんですが、今回のこの油の流出事故によって生じた損害について、賠償しますと、広く賠償します、丁寧に個別に対応して検討していきますというお答えはいただいているんですけれども、漁業者からすると、いつ確定していつ支払われるのかというのが非常に不安です。また、漁業者が加工、販売の会社などを経営している場合、これはもう漁業組合から離れて個別に対応しなければならない事案になっているということで、自分のところで本来だったら原材料を捕って加工して販売、卸をしていたというような会社の場合は、この仕入れが自分のところでできなくなったからほかから買わなきゃいけない、その分の差額、あるいは工場を停止していた間の雇っていた人件費をどうするかとかですね、販路がすぐに見付からない、一旦また再開はしたけど、販路がすぐに見付からないような場合の損害も想定されるということで、こうした加工、販売などをしている会社などが関連する事業が行っている損害も補償の対象になりますでしょうか。

○政府参考人(高橋徹君)
加工、販売などの関連事業者の皆様への影響が今回の油の流出による損害に当たるものとして補償の対象になるかどうかは、個別の事例ごとに一つ一つ状況を確認して判断する必要がありますが、海上保安庁としては、できる限りご迷惑をおかけした地元の皆様に寄り添って対応してまいります。

〇石垣のりこ君
きちんと補償していただかないと、この事故がなかったらそういうこと生じないわけですから、誠実に対応してください。また、ここの塩釜港はワカメなどの種苗も栽培しているんですね。今後、その水質の問題もあって、取引業者から大丈夫なのかというお電話とか大変問合せも出ているということで、一旦、もう被害額の申請が一旦締め切られた後でも、万が一影響が出ているというようなことが分かった場合は、きちんとここも補償の対象にしていただくということを、これはご快諾というか、きちんとご答弁いただけませんでしょうか。

○政府参考人(高橋徹君)
種苗などの生育に油の影響が出た場合など、時間がたってから油の流出による被害が発生したということが分かった場合には、私ども、その時点でよくお話を伺って、誠意を持って丁寧に対応してまいります。

○石垣のりこ君
いずれにしても、もう1か月経ちますし、事故に関して不可解な点も多々指摘されております。事故調査の結果を早く出すということ、また、発表されている範囲の情報だけでも、交通事故でいえば過失割合としてはもう漁業者はゼロだと思いますので、せっかく今季、例年にない品質であったところで、ここでこの事故なので、本当に皆さん、気持ちが本当にどんよりというか、沈んで、本当、残念で悔しい思いをしていらっしゃいますので、誠実なご対応を引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。海上保安庁の事故に関しての、件に関してのご答弁者は、ここでご退室、お取り計らいをお願いいたします。

○委員長(藤木眞也君)
それでは、高橋参事官におかれましては退席されて結構です。

○石垣のりこ君
続きまして、農林中央金庫法、農業近代化資金融通法の改正案について質問いたします。まず、農林中央金庫法について伺います。今回の法改正なんですが、農林中央金庫が一定条件下で企業への出資について許可不要、届出のみとする見直しが行われます。この理由及び政策的必要性についてお答えください。

○国務大臣(鈴木憲和君)
お答え申し上げます。農林中金は、これまでもグループ会社であるアグリビジネス投資育成株式会社を通じて、主に育成段階にある比較的小規模な農業法人などに出資をしてきたところであります。今後、農林中金には、こうした実績により蓄積されている法人育成のノウハウに加え、加工、流通、小売を含む食品産業分野へのネットワークも生かしまして、更なる事業拡大を目指す農林水産業、食品産業分野の法人への出資によって農林水産業への発展に貢献をすることが期待をされております。このため、今般の法改正で、地域の農林水産業の発展に資する会社に対して農林中金が直接出資する際の手続を緩和し、農林中金には、育成段階にある法人への出資にとどまらず、更なる事業拡大など発展段階にある法人への出資についても積極的に強化していくことを期待をしております。

○石垣のりこ君
今回の法改正で当該出資の対象となる企業の具体的要件、業種であるとか規模であるとか、こちらのご紹介をお願いします。

○政府参考人(小林大樹君)
お答え申し上げます。今回の法改正におきましては、地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務をもっぱら営む国内の会社として主務省令で定めるもの、これに対する出資につきまして出資手続を緩和するということにしておりますけれども、これは、地域の活性化でありますとか生産性向上などのこの地域の農林水産業の持続的な発展に寄与する会社ということを想定しています。具体的な業種につきましては、地域の農林水産業の持続的な発展に貢献する限りにおいては、まず農林水産業を営む法人、これはもちろんのこと、農林水産物や食品の製造、流通、販売、輸出などの業務を営む会社についても広く対象となるというふうに考えてございます。

○石垣のりこ君
広くということなんですが、農林中金法案の第72条第1項第12号の農林中央金庫の利用者の利便の向上に資する業務もしくは地域の活性化、産業の生産性の向上、地域における農林水産業の持続的な発展そのほかの持続的な社会の構築に資する業務又はこれらに資すると見込まれる業務を営む会社、また、同じく72条1項第17号の12号に挙げる会社であって、農業生産の増大そのほかの地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務をもっぱら営む国内の会社として主務省令で定めるものの具体的な業種、事業類型などを実例を挙げてお答えいただけますか。

○政府参考人(小林大樹君)
業種につきましては、先ほど申し上げましたとおり、もちろん農業を営む法人というのは、これは入るわけでございますけれども、食品の製造でありますとか流通、販売、輸出、こういった食のサプライチェーンに関する部分も入るというふうに考えています。ただ、要件といたしましては、先ほどご紹介がありましたように、あくまでも地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務ということが要件になりますので、ここに該当する業務を行っておる必要があるというふうに考えてございます。

○石垣のりこ君
食に関する、農林水産業に関するサプライチェーンということで幅が広いんですね。確認ですけれども、第72条第1項第12条の、資すると見込まれるという条件に関しては、これ、出資を受ける段階で具体的な実績がなくても、資すると見込まれるということであればよいんでしょうか。

○政府参考人(小林大樹君)
ご指摘のとおり、例えば新たに会社を設立して、そこに出資するという場合がございます。そういう場合は、もちろん出資を受ける段階ではその会社にはこの事業の実績がないわけでございまして、こういった場合もございますので、出資を受ける段階で必ずこの事業の実績がなければいけないという、こういう要件は課さないということで考えてございます。

○石垣のりこ君
ということで、新たにスタートアップの企業なども対象になっているということですが、農林中金が出資する企業は、国内の会社であれば、その筆頭株主が外国企業や外国人の場合であっても出資はこれ問題ないですよね。もし制限がある場合はその内容も示してください。

○政府参考人(小林大樹君)
お答え申し上げます。ここの出資の規制の緩和のところは、繰り返しになりますけれども、この地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務をもっぱら営む、それから国内の会社であるということでございます。したがいまして、例えばこの筆頭株主が外国企業であるとか外国人であるということのみをもって対象から外れるということではございません。ただ、やっている事業の中身はあくまでも地域の農林水産業の持続的な発展ということでございますので、例えばこの外国企業や、企業の、例えば外国企業のために事業を行う会社については対象にはならないということでございます。

○石垣のりこ君
ここに制限がかかると。それはそれで問題があるので、そのとおりなんだと思います。さらに、今回の農林中金法改正では外部の専門人材の理事への登用が可能になるという、外部理事を兼職、兼業規制の対象から外す理事の兼職、兼業制限の緩和が盛り込まれておりますが、この農林中金の外部理事に想定されている人材というのはどのような人材ですか。

○参考人(長野真樹君)
まず初めに、会員をはじめとするステークホルダーの皆様方に多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くおわびを申し上げたいと思います。それでは、ご回答させていただきます。外部理事に想定される人材ということでございます。有識者検証会からのご提言のとおり、組織全体で専門性の高い外部の見識を取り入れるために外部の理事を任用する必要性があるというふうに認識してございます。これを踏まえまして、外部理事には、経済、金融、それとガバナンス、こういった分野に専門性をお持ちの方を複数名招聘させていただくことを想定してございますが、農林水産業協同組合など、協同組織中央機関としての特色も十分ご理解していただきつつ、農林中金の経営判断に当たりまして多様な視点を確保したいというふうに考えてございます。

〇石垣のりこ君
多様な視点を確保ということですけど、投資会社であるとか、例えばコンサルタント会社などの人が理事になる可能性もあると思うんですね。こういう場合、当該理事が関与した企業へ出資すること、また当該企業からの紹介案件への出資ということが制度上可能かどうか、またその制限があるかどうか、お答えください。

○政府参考人(小林大樹君)
お答え申し上げます。この外部理事に限らず、外部理事を含めたこの農林中央金庫の理事につきましては、農林中央金庫法に基づきまして、まず、農林中金のために忠実に職務を遂行する、こういった義務が課せられております。また、いわゆる利益相反取引をする場合には、経営管理委員会に対する事実を開示していただきまして、経営管理委員会から事前の承認を得なければいけないと、こういう義務が、2つの義務が課されているところでございます。その上で、一般論として申し上げますと、農林中金の理事が農林中金のために忠実に職務を行わないなどその任務を怠ったときには、またこれは、農林中金法に基づきまして、農林中金に生じた損害を賠償しなければいけないということとされているところでございます。

○石垣のりこ君
そのような利益相反というのはあってはならないわけですから、当然チェック機能が働かないといけないということなんですけど、具体的にこの防止措置として、法令上の規制、内部規定、第三者的なチェック体制というのはあるんでしょうか。

○参考人(長野真樹君)
お答えいたします。まず、外部理事の選定方法につきまして申し上げさせていただきますと、主に会員の代表で構成される役員推薦委員会で推薦された候補者を経営管理委員会で選任をいたしまして、総代会におきまして承認することによって会員の意思を反映する枠組みということになってございます。また、理事就任後におきましては、農林中央金庫法で理事の忠実義務等が定められておりまして、理事が自己又は第三者のために農林中金と取引をしようとする際には、経営管理委員会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないとされてございます。以上から、改正農林中金法の趣旨、会員の皆様の意思に反しまして、協同組織ではなく、特定の企業等のために行動する者が外部理事に就任して農林中金の資金を流出させるようなことは事実上ございません。

〇石垣のりこ君
事実上ございませんということで、チェック機能は具体的に法的なものではないということですよね。あくまでも手続上の中でそういうふうに担保されるであろうというご回答ですよね。農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会で組織体制が十分に機能しなかったのではないかというふうに問題点も指摘されているわけなので、それで大丈夫だと言っていただくと逆に心配になるわけなんですけれども、一旦、農林中金法の改正についてはここまでで、続いて、農業近代化資金融通法について伺います。
近代化資金融通法の改正で、農林中金が出資した農林水産業の持続可能な発展に資する業務をもっぱら営む国内の会社への融資も可能になっております。例えば、これまで農業と無縁のAIとかシステム会社が農業分野に進出を計画して農林中金から出資を受けて新たな会社を設立するなど、実績がない企業も融資の対象になりますか。簡潔にお答えください。

○政府参考人(小林大樹君)
お答え申し上げます。現在、農業近代化資金法におきましては、農業振興事業を主たる事業として営む株式会社であって、農業者、農協、農協連合会が総議決権の過半数を有しているもの、こういったものについても農業近代化資金の貸付対象にしているところでございます。なお、この場合の農業振興事業というのは、農産物を原材料として使用する製造、加工の事業、流通の事業、生産資材の製造の事業、農作業の受託事業などとされているところでございます。今回、この農業近代化資金法を改正いたしまして、こうした会社に農林中金が出資したとしても引き続き農業近代化資金を借り受けることができるように、これまでの農業者、農協、農協連合会のほか、農林中金も含めて総議決権の過半数を占めていれば近代化資金の貸付対象に含めるということになります。したがいまして、この要件に当てはまれば農業近代化資金の対象になるということでございます。

○石垣のりこ君
要件は幾つかあると思うんですけれども、対象になれば、当てはまれば対象になるということでございます。農林中金から農業近代化融資を受けた企業が、農林水産業に関するシステム、製品を開発したとしますよ。その製品を購入する農業者は、これ、近代化資金の融資対象、いろんな条件あるかもしれませんが、なるかならないか、ちょっと簡潔に、イエスかノーかでお答えをいただいていいですか。

○政府参考人(小林大樹君)
農業近代化資金は、資金使途といたしまして、農業経営の改善に必要となる資金というのを広く対象としております。ご指摘のありました農業に関係するこのシステム等の購入経費につきましても、融資対象にはなるということでございます。

○石垣のりこ君
では、製品を購入する農業者が農業近代化融資の対象となる場合、その融資を活用できるという前提で農業者にその会社が営業することは、これ制度上可能ですよね。

○政府参考人(小林大樹君)
一般に、製品を売るこういう事業会社が営業活動を行う際に、農業近代化資金も使えますよということを併せて紹介するということは妨げるものではありませんけれども、実際に融資が受けられるかどうか、これはあくまでも判断するのは民間金融機関でございます。したがいまして、製品を売る事業会社の方で融資が確実に受けられるというようなことを言うことはできないものと考えてございます。

○石垣のりこ君
そのとおりだと思います。モデルルームを見に行ったときに、今こういうローンがありますよ、非常にお得ですよと、それを受けられるかどうかはもちろんそれは判断は別だと思いますけれども、そういうことができると。この融資を前提に営業することが可能だということになりますと、融資限度額の上限に張り付くように価格が設定されるおそれがあります。この物価高もありますし、融資額が引き上げられることによって、それに伴って便乗値上げが生じることを防止しなければならないと思うんですが、そのような措置は講じられているんでしょうか。

○政府参考人(小林大樹君)
お答え申し上げます。これは農業近代化資金に限られるわけではございませんけれども、一般に、民間金融機関が行うこの融資審査、この場面では、融資によって導入しようとする製品でありますとか施設、こういったものの価格が市場価格と照らして適正な水準かといったような視点も含めて融資の可否を判断するというふうに承知しているところでございます。このため、製品をなるべく高い価格で売りたいというような企業が市場価格とかけ離れた水準まで仮に値上げをしたとしても、これは民間金融機関の方もなかなかそれで融資を実行するということはないというふうに考えてございます。結果として、借入者の方でもそういった商品は購入できないということになるわけでございまして、私どもとしては、ご指摘のようなことが行われる可能性というのは低いのではないかと考えているところでございます。

○石垣のりこ君
考えていて、そのとおりになればいいんですけれども、大体、AIとかシステムとかって、まずその価格がそもそもどこが適正価格かというのは分かりづらいし、その業界がたくさんの競合相手があるわけではないという面もありますので、非常にここの見極め、客観的な指数というのは難しいと思うんです。ここまでの質疑を総合して考えていきますと、農林中央金庫が農業者ではない企業に対して出資及び融資を行って、事業拡大を金融面から支援することが可能になると。つまり、今回の2法案の改正は、農業者に対する直接的な金融支援に加えて、企業への出資及び当該企業を通じた事業展開を支援する仕組みを導入するということだと思います。このことは、農業者への直接金融を中心とした従来の支援から、企業を通じた間接的支援へというふうに比重を移行させるというふうにも考えることができると思うんですが、いかがかということ。ちょっと時間の関係もありますので、2問一緒にお答えいただきたいんですが、今回の2法案の改正によって、農林中央金庫が農業者ではない企業に対する出資及び融資を通じてその事業展開を支援することが可能になります。農林中央金庫は、「農業者等を構成員とする協同組合金融機関として相互扶助を基本原理とするものである」ということに鑑みますと、この業務運営が協同組合として設立された趣旨を踏み外すことがあっては基本的にならないと思うんですね。この改正後に農業者ではない企業への支援が拡大する中で、協同組合としての性格、趣旨が損なわれることを防止するために、どのような考え方及び具体的措置によってこれを担保するのかということ、この2点、大臣に伺います。

○国務大臣(鈴木憲和君)
まず、最初の点ですね、今回の法改正を契機といたしまして、農林中金にはその豊富な資金力や幅広いネットワークなどを生かして、農業者の経営拡大に伴う大型農機やスマート農機の導入、大規模なハウスなどの農業用施設の設置、物流、加工、輸出などの取組の進展に伴う加工、流通施設の整備、さらにはフードテックの進展に伴う植物工場や陸上養殖などの整備など、農協や信連では対応が難しい大規模な資金需要を伴う案件に対する融資、出資にこれまで以上に積極的に取り組んでいただくことを期待をしているところであります。そして、後半の点でありますが、農林中金は協同組織金融機関でありまして、今回の法改正によっても、農林中金のこうした基本的な性格に変更を加えることでは全くありません。むしろ、今回の法改正により、農林中金法の目的規定に会員の構成員たる農林水産業者のために金融の円滑化を図ることが明記されますので、農林中金においては、融資、出資を含めたその金融機能の強化を通じて、その会員の構成員たる農林漁業者の利益につながる業務運営を行うべき旨がより一層明確化されるものと考えております。いずれにしても、農林水産省としては、この農林中金が担い手経営体や大規模施設、そしてフードテックなどへの融資、出資を拡充をし、農林水産業の生産基盤強化と食料供給力の向上に貢献していただけるよう、その対応状況についてはモニタリング、指導をしっかりとやらせていただきます。

○石垣のりこ君
今回の法改正後、今日の質疑で指摘したような問題が生じないよう、目的どおりにきちんと運用されていくことを願いまして、質疑を終わります。