12月6日 参議院 東日本大震災復興特別委員会で質問
★2023年12月6日 参議院 東日本大震災復興特別委員会で質問に立ちました。ぜひ録画をご視聴ください。 Youtube録画 https://www.youtube.com/live/1AU9EVp3ieA?feature=shared&t=3182
令和五年十二月六日参議院東日本大震災復興特別委員会(未定稿より転載)
○石垣のりこ君
立憲民主・社民の石垣のりこです。まずですが、10月の25日、福島第一原発でALPSの配管の洗浄作業中に作業員が汚染廃液を浴びる事故がありました。この件について伺います。身体汚染した作業員2人が病院に運ばれ、入院、その後、28日の午後に退院しています。まず初めに、土屋復興大臣に伺いますが、この事故について報道でお知りになったというのは間違いないでしょうか。
○国務大臣(土屋品子君)
間違いありません。
○石垣のりこ君
10月30日の衆議院予算委員会で岡本あき子委員から、復興大臣が経産省ですとか東電からではなく報道で事故について知ったことに対して、情報共有の在り方が問題だと指摘がありました。私もそのように思います。岸田総理は、「関係省庁の連携、意思疎通、これは重要なことです、いま一度よく点検をさせたいと思います」と答弁されています。点検の結果、どのようになりましたでしょうか。
○国務大臣(土屋品子君)
あのときの衆議院予算委員会で岡本あき子議員から指摘されましたことで、私も重要なことだと認識をいたしまして、もうその日のうちに指示を出しまして、東京電力それから経産省としっかりと話し合いをして情報共有をしっかりやってほしいということで、もう翌日からしっかりといろいろな情報を受けている状況でございます。それから、そのほかの連携に、各省の連携に関しても、今いろいろどういうふうにやったらいいかということを精査しているところでございます。
○石垣のりこ君
今後、報道で知ったというようなことがないようにきちんと対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。こうした政府内での連絡体制の不備もそうなんですが、今回のこの事故に関して、東京電力による説明が二転三転しております。資料①をご覧ください。東電の発表によれば、事故は10月25日の午前10時30分頃に発生しているということなんですが、作業を担当していたのは元請会社、東芝エネルギーシステムズでございます。これ、資料見ていただくと分かるんですが、翌26日の東電発表、作業員5名、AからEという5名がいて、全て同じ会社の3次請けという発表がされています。その中でCが班長という発表なんです。これが30日の記者会見では、3次請け1社ではなく、3次請け3社だったと。Cが1社、Dも1社、A、B、Eの3人が同じ1社。CとDは班
長で、A、B、Eは班長ではないという発表になっているんですね。その後、12月2日、これ、A、B、Eの会社に班長がいないということになっていたところに、何と班長だという別の6番目の登場人物、Fという人物がいたという説明になります。このFさんは当日どこにいたのかというと、風邪で休んでいたとここで発表されていると。これ、現場に班長がいないと作業を請け負えませんから、Fの代理として2次請けの人物、今度、Xが登場してきます。この人が、違う会社なのにもかかわらず、Fの代わりにA、B、Eの作業員に指示を行ったという説明に変わっているんです。それから、11月の16日に、元請の東芝エネルギーシステムズからの報告、福島第一原子力発電所における身体汚染発生に関する調査結果・原因と再発防止策についてによりますと、現場にいた人が何と10人に増えているんです。そこに元請の東芝エネルギーシステムズの社員が4人いたという報告がなされております。東電に伺います。元請のこの社員4人を含めて10名がこの作業に関わっていたということは、いつお知りになったんでしょうか。
○参考人(酒井大輔君)
東京電力ホールディングスの酒井でございます。10月25日に発生いたしました福島第一原子力発電所の増設ALPS建屋内の配管洗浄作業におきまして、協力企業作業員の身体汚染、こちらが発生してございます。本当にこの件につきましては、地域や社会の皆様にご心配をお掛けしており、重ねておわび申し上げます。先ほどご質問いただいた件でございます。身体汚染の事案が発生した際には、元請である東芝エネルギーシステムズからは、身体汚染の可能性のある作業員は5名というふうに聞いておりました。当社といたしまして、この10月25日以降に、当社として本件における詳細な作業実態を把握する必要があると考え、ヒアリング等を、元請、1次、2次、3次とヒアリング等を通じて情報を精査するとともに、この件に対しまして、事案発生
時の実際の作業員数と配置の詳細につきまして東芝エネルギーシステムズに報告を求めておりました。その後、11月16日に東芝エネルギーシステムズから正式な報告書が出てまいりました。私たちの実際にヒアリングをした内容と東芝エネルギーシステムズの報告書、これを突合させて、我々として関係性を改めて整理したというところでございます。
○石垣のりこ君
結局、いつそこの10名いたということお知りになったんですか。
○参考人(酒井大輔君)
私たち、10月、繰り返しで本当に恐縮ですけれども、10月25日以降に自分たちでヒアリング等で調査を行ってきたというところでございます。その中で状況を把握、だんだん把握してきて、それを最後16日の東芝さんのご報告書と突き合わせて総合的に確認したと、こういうことでございます。
○石垣のりこ君
記者会見で最初から知っていたとおっしゃっているんですよね、東電さんの記者会見の中で。10人いるのは最初から知っていたというふうにお話しされています。26日の記者会見で示された事故発生現場の図には5人しか載っていないわけですよ。これ、確認されていなかったら、途中だったら、ちゃんと、途中です、今現状ここまでですというふうにお話しされるべきなんじゃないですかね。これ、汚染した原因に関しても説明が変遷しています。資料③ご覧ください。10月の26日の説明では、作業員Aに身体汚染が発生していた理由は、作業員Cが作業員Aにアノラック、放射線防護装備を着用させなかったと書いてありますが、11月1日になりますと、作業員Aがアノラックを着用せずに作業をしたに変わっています。これ、どうして変わったんでしょうか。東電、お答えください。
○参考人(酒井大輔君)
ありがとうございます。私の、これも本当に繰り返しで恐縮なんですけれども、10月の26日以降に私たちはヒアリングを実施することによって状況を把握を深めていったと。で、11月16日に東芝からの報告があって、その報告と突合させることによって状況を、まあ判明し、判明といいますか、確認していったというところでございます。ただ、これ、ご指摘のとおり、私たちの報道の在り方というところにつきましては十分反省するところあるところでございまして、一日も早く情報をお伝えしようという気持ちが先走ってしまったと。ただ、それによって混乱を招いてしまったというところについては反省をして、今後、その報道の、公表の在り方についてよく見直してまいりたいと思います。
○石垣のりこ君
いや、早く伝えようと思っていらっしゃったにしても、その伝えようと思っているという情報が内側で操作された上で、伝えようと、全てを伝えていらっしゃるわけじゃないですよね。中途半端な情報でも、出すものと出さないものと選別されているわけですよ。そういう言い訳は成り立たないと思います。10月30日の段階でこれAとCは別会社ということが明らかになったので、これ、このように表現を変えざるを得なかったんだと思います。10月の26日の段階だと、Aがアノラックを着用していなかったのはCの責任になっています。11月1日になると、Aの自己責任のように書かれていると。これ、アノラックを着用していたら身体汚染が発生していなかったかもしれない重要なポイントにもかかわらず、こういういいかげんなことが発表されているという、これはこれでとても問題だと私は考えます。で、つじつま合わせの説明になっているとこれ言わざるを得ないんじゃないでしょうか。これ、本当に問題だというふうに考えるわけですね。こういう現場の人員の説明に関してなぜこんな説明になっていたのかというところで、対応が非常に、報道がまずかったみたいなことをおっしゃるんですけれども、3次請けのA、B、Eに対して、班長不在のまま2次請け会社のXが班長代理として指示を出していたという、まあこれ、事実としてこれは示されているということで、厚労省に伺いますけれども、一般論としてで結構ですが、作業発注者が請負業務の作業工程に関して仕事の順序の指示を行ったり請負労働者の配置の決定を行ったりしてもいいんでしょうか。
○政府参考人(石垣健彦君)
お答え申し上げます。請負形式の契約でございましても、注文主と請負事業主の雇用する労働者との間に指揮命令関係がある場合には労働者派遣事業に該当いたしまして、労働者派遣法に違反するいわゆる「偽装請負」になるものでございます。この偽装請負の判断に当たりましては、請負事業主が、一つには、自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであるか、二つ目には、請け負った業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理をしているかということにつきまして、労働者に対する業務指示や労務管理の実態、現場の管理監督の体制や当日の状況などを含めまして総合的に勘案した上で個別に判断するものでございます。
○石垣のりこ君
これ、資料②ご覧いただくと分かると思いますが、厚生労働省都道府県労働局が作成した労働者派遣・請負を適正に行うためのガイドの質問、この問い7を私そのままお伝えしたんですけれども、そうしたら、これは「偽装請負」に当たる可能性があるということで、もうそのように明言されております。これ、東電に伺いますけれども、今回の事故の説明を考えると、これ偽装請負じゃないかという疑いがどう考えても生じてしまうんですけれども、この点どのようにお考えですか。
○参考人(酒井大輔君)
私ども、10月25日に、私たち独自として作業員含めてヒアリングをしてまいりました。そして、11月16日に、その私たちがヒアリングした内容と東芝エネルギーシステムズの報告書、これを突合させて、それで私たちとして総合的に事実関係を確認、把握したというふうに考えてございます。その内容から申し上げますと、今回の件につきましては偽装請負ではなかったというふうに私たちは考えてございます。
○石垣のりこ君
これもう東芝さんをかばっているんじゃないかなってちょっと考えてしまうんですよ。東芝エネルギーシステムズが出してきたその報告書の中に、今後の対応策として、施工会社に対しては作業班長を自社から配置することを徹底させるという表現があります。これ、今までも同じようなケースがあって、まあ徹底させるということですから、今までも同様のケースがあったんじゃなかろうかということが疑われます。また、この事故現場、事故発生時間にはいなかった作業員Cとかは身体汚染の可能性があるとして検査受けているけれども、その場にいて一番廃液をかぶったAの近くにいた放射線管理員は検査対象になっていなかったりとか、あとは、アノラックを本来ならば着けなければできない作業を目の前でしているにもかかわらず、この放射線管理の担当の人が何も言わずにその作業をさせているとか、非常に、労働現場としてもどうなんだろうかということを申し上げなきゃならない、この今回の事故の報告書も含めて私は対応がなっていると思います。そこで、規制庁に伺います。東電は偽装請負とは認めてないようですけれども、これだけ説明が、偽装請負と言われないようにしているのではないかと疑わざるを得ないように書き換えられていく事実はあります。少なくとも、今回の事故の説明において報告書をそのまま受け止めたとしても、労働法規が守られていない、指揮命令系統も曖昧である、放射線管理員が目の前にいるのにアノラックを着ていない、着なければならない作業をさせてしまう、こういったことが起きているということで、こういう労働者の安全を守れないような業務を行っていることに対して、規制庁としてはどのようにお考えなのでしょうか。
○政府特別補佐人(山中伸介君)
お答えいたします。ご指摘の事案につきましては、作業員のうち、身体汚染を受けた作業員が本来作業手順に定められているアノラックの着用を行っていない状態で作業に従事していたことなど、東京電力が定めた手順に違反していたことが既に確認されていることから、実施計画違反に相当すると考えております。規制委員会としては、今回の事案が発生した直後から、現地の検査官が中心となり、東京電力による作業の計画、管理、指示が適切であったかなど、調達管理の観点も含めて、事案の発生経緯等について保安上の問題点の確認をしているところでございます。これまでの保安検査の内容につきましては、12月中旬に開催する予定の特定原子力施設監視・評価検討会で議論を行うこととしており、最終的にこの検査の結果を受けて、実施計画違反による影響の程度や再発防止策の妥当性等について判断する予定でございます。
○石垣のりこ君
偽装請負に関しては、過去にも同じようなアンケートも取って指摘がされていますし、今回の事故を受けて、しっかりと規制庁として意見をしていただきたいと私は考えております。よろしくお願いいたします。そもそも、この配管の洗浄作業が仮設の設備で行われております。今回、ホースが暴れて廃液が飛び散ったことへの対応策も、固縛、この固定させる仕方や場所が問題だったから適切に今後行いますということが改善策になっているんですが、この仮設設備で対応しているのはなぜなのか、これ常設という選択肢はないのか、これ東電に伺います。
○参考人(酒井大輔君)
今回の事案を受けまして、設備面の恒久対策といたしまして、洗浄廃液を受けるタンクの上蓋とホースを接合できるよう設備を改良するようにしてございます。あっ、するようにする予定でございます。そしてまた、タンクにレベル計も設置しまして、液位を監視できるようにいたします。さらに、万が一の洗浄廃液が飛散した場合にも備えて、洗浄廃液を受けるタンクをハウスで区画することを考えてございます。この汚染拡大防止というところを図ってまいりたいと考えてございます。
○石垣のりこ君
いや、仮設のままじゃなくて常設という選択肢はないんですかと言っているんですけど、仮設のままだというお答えでよろしかったですか。
○参考人(酒井大輔君)
今回の配管洗浄作業というところにつきましては、年1回、あるいはちょっとインターバルというところも鑑みまして、一番、どういうふうにやるのが一番いいのが適切かというところでございまして、設備への恒久対策といたしまして、洗浄廃液を受けるタンクの上蓋を、これを改良して、継ぎ手というのをしっかり作り、固縛もしっかり定点でできるような形にして設備を改良するということで、なおかつレベル計も液位を監視できるような形で対策を整えていきたいと思ってございます。
○石垣のりこ君
設備の問題だけではなくて、そもそもこの弁を閉めるという今までやったことのない作業が行われていたことの原因究明も報告書の中にはないですので、そういうことも含めて規制庁の方でしっかりとやっていただきたいと思うんですけれども。今回の事故は増設ALPSで発生しています。ALPSは、共に東芝製の既設 ALPSと増設ALPS、そして日立製の高性能ALPSの3台が設置されておりますが、もう既設も増設のALPSもこの硝酸を注入して配管の清掃をする、手作業という、今回の事故が起きた、そういうふうな手作業が生じると。これ、高性能ALPSだとこういう手作業というのはないというふうに私、説明を受けたんですけど、高性能ALPSもっと活用した方がいいと考えますけれども、いかがですか。
○参考人(酒井大輔君)
ALPSにつきましては、ご指摘のとおり、既設、増設、高性能と3種類のタイプがございます。いずれも、放射性物質の除去性能といたしまして、汚染水に含まれますトリチウム以外の放射性物質を国の定める告知濃度限度未満まで低減させる性能を有しております。高性能ALPSは1系統でございまして、処理量は日量400立方メートルでございます。既設及び増設ALPS、こちらにつきましては、それぞれ3つずつ、3系統ずつございまして、1系統当たりの処理量は日量250立方メートルでございます。現在、日々発生する汚染水でございますけれども、こちらは平均で日量約100立方メートルというところで抑制されていることから、既設又は増設ALPS1系統を動かすことを、運用のしやすさからこれまではやってきているというところでございます。
○石垣のりこ君
運用のしやすさというのはあるとは思うんですけれども、こういう作業員の危険性も考えて、しっかりとこの活用の方法というか、せっかくあるんですので、使っていただくような方法というのをもうちょっと明確に今後提示していただきたいというふうに考えます。危険な作業というのはこの配管の洗浄だけではなくて、吸着塔のフィルター交換作業においてもあるということで、この吸着材によっては交換のタイミングで固まってしまっているものもあるそうですが、そうした場合、どのようにフィルター交換を行っているんでしょうか、ご説明をお願いします。
○参考人(酒井大輔君)
吸着材の交換につきましては、専用の配管により、それぞれの吸着塔内に水や空気を送り込むことで内部の使用済みの吸着材を押し出して、専用の配管を通って高性能容器に排出するということを行っております。ただ一方で、この工程の中で、まれに吸着材の一部がだま状になり、排出しにくい場合がございます。その際は、棒状の治具を使用いたしまして、だま状の吸着材をほぐした後に圧縮空気とろ過水で排出を行っているというところでございます。この作業時のときには、遮蔽の設置、そして作業時間の管理、距離の確保など被曝低減対策の措置を講じ、十分安全の確保を図って作業を行っているというところでございます。
○石垣のりこ君
ちょっと今の説明でちょっとイメージがしづらいと思いますので、資料の⑤をご覧いただきたいと思いますが、パネルを使わせていただきます。皆さんのお手元にもあると思いますが、見づらいという方はこちらをご覧いただいてもいいかと思いますが。(資料提示)結局、まれに作業があるとおっしゃいましたけれども、吸着材などが固まってしまった場合に、こういう細長い金属の棒で上からその吸着の塔をつついて削り取るという作業を作業員の方がなさっているそうなんですね。こうやって棒を持って、ちょっと、がつがつという、こう取っている姿想像していただければいいと思うんですけど、こういうもう基本的なアナログな作業がこのALPSの中でやらざるを得ない作業として作業員が担当せざるを得ないと。こういうこと、私ちょっと聞いたときに、何か高性能ALPS、まあ性能だけじゃなくて、多核種除去設備、ALPSという名前だけ聞いて、物すごく完結したもので、もう汚染水入れるとそのままきれいに出てきて、後はエアコンみたいに自動洗浄みたいなことが行われるのかと思いきや、やっぱりこの中というのは非常に基本的な仕組みの中で危険な作業を伴うところが物すごくたくさんあるということがこの例をもっても分かるのではないかと思います。今後これを30年にわたって、もう、ちょっとALPSがどの程度進化していくか分かりませんけれども、やり続けるのかというのも、これも一つの課題ではないでしょうか。確認なんですが、今年、海洋放出して空になったタンク、30基あると思います。今後再利用するということで、今回、今年放出して空になった分のタンクというのはなくならないということでよかったですか。
○参考人(酒井大輔君)
福島第一原子力発電所には、ALPS処理水等を貯留するためのタンク、今現在1046基ございますが、1046基のタンクと、ALPS処理水を希釈放出前に測定、確認するためのタンク、こちらが30基というところでございますが、がございます。これまで3回の海洋放出につきましては、後者のタンクに保管されていたALPS処理水を放出したものでございます。これらのタンクは、今後も、希釈放出前のALPS処理水を測定、確認するという目的で設置しておりますので、活用していくというところでございます。
○石垣のりこ君
活用していくということでこの30基はなくならないというご回答でございました。これ、敷地内にタンクの置場がないといって、汚染水減らすためにも海洋放出しか選択がないというふうにおっしゃって、海洋放出を今年の8月に半ば強行したわけなんですけれども、タンクっていつからなくなっていく、減っていくんでしょうか。
○参考人(酒井大輔君)
タンクの、先ほど30基の方は、これはALPS処理水を放出するために必要なタンクというところでございますけれども、この処理水等を貯留しているタンク、1046基ございます。こちらにつきましては、タンクの貯蔵状況と敷地利用の計画等を踏まえながら、部順次解体、撤去をしていく計画でございます。現在、そちらの検討をしているというところでございます。
○石垣のりこ君
その見通しについては今ないんですか。
○参考人(酒井大輔君)
すみません、今現時点では、検討しているというところでございます。
○石垣のりこ君
タンクの解体方法についても今の段階で分かっているんでしょうか。
○参考人(酒井大輔君)
順次解体、撤去をしていく上で、どういう順番でどういうプロセスでやっていくのかというところも含めまして検討しているところでございます。
○石垣のりこ君
ということで、海洋放出、今年の8月やりました。あれだけずらっと並んでいて、見るだけでも何か気が重くなっていたものが、ちょっとずつなくなって、復興の歩みとともにあの景色が変わっていくんだなって思っている方が多数いらっしゃると思うし、私もそう思っていたんですけれども、実際は、タンクは、まあ中身はどんどんなくなるのかもしれませんが、実際、汚染水が発生して続けているわけなので、そんな急にはまずなくならないということ、空になったものの処理もどうなるか分からないということ、いつそれが撤去されていくのかも分からないということで、本当分からないこと尽くしであるということが今日、答弁の中で明らかになったかと思います。これ、海洋放出に当たって行われる作業の中には、今日ご紹介したように、身体汚染などで被曝するおそれのある作業というのが含まれています。さっきこれ、ご覧いただきました図ありますけれども、これって、その塊というのは、結局は、放射性物質を全部吸着したすごい濃度の高い廃液も含めたどろどろになったものとか固まっているものとか、非常に線量も高いであろうということが容易に推測できます。これを作業員が棒で削り取るような作業も含めて、こういうことやらなければならないと。当初言われていたように、タンクも減っていくにはなかなか時間も掛かりそうだと。これ、今回の事故の発表の件に関しても、作業を踏まえて実施する東電の信頼性というのは、これ下請の東芝エネルギーシステムズがどういう説明をしているかというところも、私も直接聞いたわけではありませんので、その中に何らかの問題が含まれている可能性もあるとは思いますが、こうした信頼性が著しく失われているということ考えますと、これやっぱり海洋放出をしないで済むように、汚染水の発生を止める方法と、少なくとも極力この汚染水の発生を少なくするための対応というのをもっと急いでやるべきではないかというふうに私は考えます。これ、燃料デブリにできるだけ水が触れないようにすべきだと思うんですが、この点に関して、いかがでしょうか。
○参考人(酒井大輔君)
まさにおっしゃるとおりだと思っております。現在、2025年内に1日当たり100立方メートル以下に抑制すると、こういう目標を中長期ロードマップに掲げてございます。そのために重層的な対策に取り組んでいるというところが現状でございます。2022年度の汚染水発生量は、年間降雨量が少なかった影響もございますけれども、敷地の舗装ですとかそういったことによりまして、1日当たり約90立方メートルとなってございます。今後、1Fの屋根カバーをしたりですとか、この敷地舗装というところを更に進めていくことによって、28年度末には1日当たり50から70立方メートルに抑制していく、こういう予定を立てて、計画を立ててございます。おっしゃるとおり、汚染水の発生をまず最小限にしていくというところで、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○石垣のりこ君
福島第一原発のこの事故の処理というのは、復興への道のりも含めて、まだまだ遠いということを申し上げて、私の質問を終わります。