参議院 内閣委員会

5月9日 参議院 内閣委員会
2024年5月9日 参議院 内閣委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。 
★Youtube録画 https://www.youtube.com/live/hX4Ffy57HFw?feature=shared&t=4998
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令和6年5月9日火曜日
参議院内閣委員会
(未定稿)

○石垣のりこ君
立憲民主・社民の石垣のりこでございます。今、議論を聞いておりまして、やはり分からな過ぎて余計に不安が募るというところが否めないのかなというふうに感じておりました。今、具体的に例示していただいた部分もございますけれども、こうしたことをしっかりと法案に書き込んでいただいた上でこの国会に提出していただくと、より審議が充実したものになるのではないかということを冒頭に申し上げておきたいと思います。まずは、7日の参考人質疑で、齋藤参考人からいただいたご意見を基に一つ質問をしたいと思います。秘密を知らされずに弁護することになったら非常に弁護がしにくいという、弁護士のお立場からご意見がございました。この制度が始まりますと、情報漏えいの容疑がかけられた場合ですとか適性評価で不利益扱いをされた場合など、訴訟に至ることもあり得ると。そのときに、容疑をかけられた対象者は、自身がクリアランスホルダーであることや秘密に指定されている情報の概要などについて弁護士ですとか警察、検察に伝えることができるのかどうか、また、伝えてしまった場合に罰則の対象になるのかどうか、お答えください。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。一つ一つお答えしたいと思いますけれども、まず、適性評価において重要経済安保情報を漏らすおそれがないと認められた者、いわゆるクリアランスホルダーであるという事実をほかの者に伝えるということについては、本法案上、特段禁じているものではございません。次に、重要経済安保情報の漏えいの容疑で例えば刑事事件の被疑者になった方が、その重要経済安保情報の内容を警察官、検察官あるいは弁護人に伝えることが許されるのかというご質問でございましたけれども、まず、その事件の捜査に従事する警察官や検察官につきましては、そもそも刑事事件の捜査又は公訴の維持に必要な業務に必要なものとしてその提供を求めた場合には、この法案の9条1項1号ロによりまして、その重要経済安保情報を保有する行政機関からその内容が伝えられることになります。したがいまして、嫌疑をかけられた方が警察官や検察官にそれをお伝えいただく必要はございませんし、既に知っている警察官や検察官に伝えたとしても漏えいには当たらないというふうに考えております。一方、弁護人の方につきましては、この法案の手続によるものではございませんけれども、憲法で保障された弁護人に依頼する権利の趣旨に鑑みまして、被疑者が自己の弁護人に対して重要経済安保情報の内容を伝えたとしても、これを新たな漏えい罪として処罰することにはならないというふうに考えております。また、齋藤参考人のご指摘と関連をいたしまして、公判廷におきまして重要経済安保情報の内容を言うことができなければ被告人が圧倒的に不利になるのではないかといったようなご指摘もあったように思います。このご懸念につきまして、刑事手続そのものは所管外でございますけれども、承知している範囲で申し上げましたら、そもそも刑事裁判においては検察官が立証責任を負っているものでございます。したがって、検察官が指定の適法性等について立証しようとする場合には、一般的には、まずいわゆる外形立証の方法、つまり、秘密の内容そのものを明らかにしないまま、秘密の種類、性質等のほか、秘密に対する、秘密にする実質的な理由として当該情報の立案、作成過程、秘密指定を相当とする具体的な理由を明らかにすることによって実質秘であるということを立証することになるわけでございます。このように、あくまで立証すべきは検察官でございますので、その検察官が立証できなければ被告人は無罪となるものでございますので、弁護人の方の側にその無実の立証責任が課されるものであるというものではございません。したがいまして、重要経済安保情報であることをもって、あるいはそれに関連する事件であることをもって弁護人の方が必要な弁護活動を行うことができないまま有罪となるようなものではないというふうに認識をしております。

○石垣のりこ君
そういう弁護の仕方もあるということだとは思うんですけれども、より具体的にどういう状況なのかということを把握しておきたいときに、どうしてもその秘密指定されたもの、重要経済安保情報と指定されたものの中身を話さざるを得ないこともケースによってはあり得るんだと思います。そうした場合に、じゃ、弁護士であるから守秘義務で守られているので、その情報を聞いたときにどういう扱いになるのかということを考えると、そちらの守秘義務で対応できるんだったら制度としての一貫性としてはどうなのかというような疑義も生じるのではないかというふうに考えます。ちょっとご答弁長くなりましたので、一旦ここではご意見だけ述べさせていただきますので、続いての質問に行きますが、適性評価における精神疾患に関する事項の調査について伺います。適性評価の項目に精神疾患に関する事項がございます。これはなぜでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
適性評価の7つの調査項目は、いずれも自発的に情報を漏えいするおそれの有無、ほかから働きかけを受けた場合に影響を排除できず漏えいしてしまうおそれの有無、そして意図せず過失により漏えいしてしまうおそれの有無といった観点から、情報を漏らすおそれがないという信頼性を確認するために必要な項目としております。精神疾患に関する事項を調査する理由でございますが、精神疾患により自己の行為の是非を判別し、もしくはその判別に従って行動する能力を失っている、又は著しく低下していることにより、意図せず過失により、あるいは他からの働きかけによって重要経済安保情報を漏らすおそれがあると評価し得るということでございます。ただ、調査の結果、精神疾患に関して治療やカウンセリングを受けたことがあるという事実をもって情報を漏らすおそれがあると直ちに判断するものでないということは言うまでもございません。精神疾患の治療の経過、調査時点での症状の有無、再発の可能性など、個別の事情を考慮しなければなりません。その上で、情報を漏らすおそれがないと認められるか否かについては、精神疾患以外の事項に関する調査結果も踏まえ、総合的に評価を行い判断するということでございます。

○石垣のりこ君
調査票、資料②にございますけれども、今、高市大臣の方からご説明いただいた内容が特定秘密保護法の調査票の中にも実際にただし書としては書かれてはいるんですけれども、実際のところなんですが、この精神疾患が理由で情報漏えいするような事案、いわゆる立法事実の部分ですね、過去に多く発生しているようなものが実際あるのかどうかということ、また、特定秘密保護法違反が適用された事案について実際どうであったかということをご答弁お願いいたします。

○政府参考人(飯田陽一君)
今ご指摘がございました精神疾患を患っている方が情報を漏えいしたという事案が過去に多く発生しているかというご質問につきまして、私どもとしては、そういった事案そのものについては承知をしておりません。

○政府参考人(岡素彦君)
これまでに特定秘密の漏えいがあった事案といたしましては、令和4年12月に公表された海上自衛隊OBに対する漏えい事案、それから本年4月に公表された海上自衛隊の護衛艦及び陸上自衛隊の北部方面隊隷下の部隊における漏えい事案、この3件であるというふうに承知しておりますけれども、内閣情報調査室として知り得る限り、これらについてはいずれも精神疾患が原因であったとの情報には接しておりません。

○石垣のりこ君
ということで、高市大臣の方からこういう場合にということでご説明はあったんですけれども、立法事実としてはそれに該当するような事例というのは基本的にはないというふうに今ご答弁いただいたと思います。その上で、じゃ、なぜこういう精神疾患に関する事項があるのかというところで、これを載せていることの懸念を申し上げたいと思いますが、特定秘密保護法の適性評価の調査票によりますと、必要な場合には、医療機関に照会した上で、具体的な症状や治療の経過、再発の可能性等を踏まえという記載がございます。照会を受けた医師等は医師法で守秘義務が課せられておりますが、適性評価の調査における照会はこれ回答がまず義務付けられているものなのかどうか。また、12条の2項の6では、公務所もしくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができると、今回の法案、セキュリティークリアランス法案の中にございます。これ、回答義務があるというのは書かれていないんですけれども、医療機関がこれを拒んだ場合、ペナルティーというのはあるんでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。公務所照会を受けた機関、医療機関も含めてでございますけれども、12条6項により、基本的にはこれに回答すべき法令上の義務が生じているというふうに認識をしておりまして、他方で、個別の法律において守秘義務が課されている場合があるわけでございますが、この12条6項の法令上の義務によりまして、各法の守秘義務規定の除外理由となる正当な理由に該当するものというふうに考えております。他方で、今、最後にご質問ございましたとおり、照会を受けた機関が回答を拒否した場合につきましては、これを、本法案においてはこれを強制するような措置はなく、また回答拒否に対する罰則もございません。

○石垣のりこ君
医師もしくは医療機関が拒否してもペナルティーはないというご回答だったと思います。このような調査が行われますと、調査されることを避けて、もしくは、精神疾患での受診歴があると、適性評価でこうは書いてあるけれども、一概に受診をしたかどうかによって判断はしないとは書かれてはいるけれども、評価でマイナスになるのではないかということで治療忌避につながるのではないかと考えます。実際、治療される側に立っておられる日本病院・地域精神医学会理事会名義で、今回の重要経済安保情報保護法案への反対声明がそのような視点からも出されております。この点、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
先ほど申し上げましたが、この治療やカウンセリングを受けたことがあるという事実のみをもって直ちに情報を漏らすおそれがあると判断するものではございません。これは、言うまでもなく、症状の種類、程度も考慮するものです。最終的な評価はあくまで7つの事項の調査結果の総合評価によって決せられるものでございます。治療、必要な治療を受けないということがあってはいけませんので、こうしたことを理解していただけますように、この法案をお認めいただけましたら、制度の説明にしっかりと努めてまいります。

○石垣のりこ君
しっかりと説明をしていただくというのはもちろん重要なんですが、こういった特秘(特定秘密保護法)の方でも実際に行われているということなんですけれども、今、実際に治療をなさっている方のお話の段階でのことを申し上げましたけれども、クリアランスホルダーを取得した後に、いろいろな秘密を守らなければいけないということも含めて、いろいろな状況が変わって精神の不調が生じた際にも、ああ、もしここで治療に通うことになったらクリアランスホルダーとしての資格を失う可能性があるかもしれないということで、この治療忌避が起きる可能性ということもこれ否めないと思います。そもそも、先ほど高市大臣が、あくまでも最終的には総合評価だけれども、こういう場合ということで、ご自身の自発的な判断能力というか、判断できるかできないかというところに疑義が生じるような精神疾患の場合というようなお話がありましたが、そもそも、このクリアランス、セキュリティークリアランスの適性評価を受ける前段階でそういう状態にある方は、なかなかここまでたどり着くのが難しいというか、その以前の段階なのではないかと、想定されているチェックが入る項目としては。なので、わざわざここに精神疾患に関する非常に人の機微に触れるような項目を掲げていること自体が、やはり医師の立場からしても、やはり精神衛生の面からしても、これどう考えても、治療忌避につながっていくと、非常に悪循環に陥る可能性が私は否めないと思うんですね。なので、ここにやっぱりこういう項目を掲げること自体の実効性といいますか問題点というのは認識をしていただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君)
まず、その調査を受けることは決して強制されてはなりません。そこはしっかりと担保していくべく、今後ご提案をさせていただく政令ですとかガイドラインにおきましてもこれはきちっと対応していきたいと思っております。その上で申し上げますけれども、先ほど来も申し上げてまいりましたが、例えば私でしたら、睡眠導入剤の処方を受けるために精神内科に定期的にお薬を、でお薬を処方していただいております。ですから、症状のやはりその種類、程度、現状どうなのか、こういったことというのはどうしてもこの調査の判断、判断の材料の一つにはなりますけれども、その精神内科にかかったとか、そういうカウンセリングを受けたとか、その事実をもって、それだけをもって情報を漏らすおそれがあると判断されるわけではないと考えております。ここはしっかりと説明をしてまいりますし、また、あくまでも調査を受ける受けないというのはご本人の自由であると、この点を特に強調して広報に努めてまいりたいと存じます。

○石垣のりこ君
調査を受けるか受けないかはご本人の意思と。そうなんですけれども、調査を終えた方の、クリアランスホルダーになられた後のことも今申し上げたので、その点も踏まえてお考えというか、お話しいただき、今後考慮いただきたいなというお話でございましたが、じゃ、高市大臣、お願いいたします。

○国務大臣(高市早苗君)
既にクリアランスホルダーになられた後ですね、ですけれども、これはもう、例えば通院を開始するなどの事情が生じた場合でも同様の考え方でございます。精神科もしくは精神内科に通院したからといって、直ちに適性評価を再実施しなければいけないということには当たりません。

○石垣のりこ君
今後そのようなことがないように、まずはもう通院に関しては、こちらの反対声明、日本病院・地域精神医学会理事会名義で出ているこの声明に書かれている点もしっかりとご考慮いただきまして、やはり治療の忌避につながるようなことがないように、また偏見につながることがないようにということを、ここに書かれている時点でその可能性が高いということを今日は申し上げてはいるんですけれども、今お話しいただいた点をしっかりと皆さんにご理解はいただきたいなというふうに思っております。続いてでございますが、適性検査の対象と調査内容に関して、これ私の以前の質疑を踏まえて伺います。重要経済基盤毀損活動との関係を調査する参考として家族等の4項目の情報を出させるのは、飯田政策統括官が4月23日の私の質疑におきまして、家族の中に外国籍の方や外国からの帰化歴がある方がいる場合には、その家族関係を利用してその国の情報機関等が評価対象者に重要経済基盤毀損活動への関与を働きかける可能性が否定できないためというふうに答弁されていらっしゃいます。家族等を通じて重要経済基盤毀損活動を行う可能性がある、つまり、例えば家族が外国のスパイとつながっていて、そこから情報が漏れてしまうことがあり得ると考えているから評価対象者の家族の4情報を調査項目に入れているということでよろしいですか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。お尋ねの答弁について少し補足もさせていただきますと、私が答弁をいたしましたのは、そのご家族に外国籍や外国からの帰化歴がある方がいらっしゃった場合に、その方に対して外国の情報機関等が圧力をかけたり、あるいは脅したりすることなどを通じて評価対象者本人に情報を漏らすよう働きかける可能性があるということを念頭に置いて答弁したものでございます。

○石垣のりこ君
そういう、念頭に置いてということで、そういう可能性があるというお話を今追加していただきましたが、名前と生年月日と国籍と住所の4項目のみについて家族に関して、家族等に関しては調査をするということではございますが、この重要経済基盤毀損活動との関係、つまり外国の情報機関等からの働きかけがあるのか否かみたいなことを、今のようなことをどうやってこの4項目から判断するんでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。家族に関する今ご指摘のありました4項目を知るということで、あるいは質問票を通じて確認をするということで、評価対象者本人について、あくまでも本人についてですね、重要経済基盤毀損活動との関係があるかないかということを調査するための参考としているものでございます。具体的には、先ほども申し上げたような形で、家族の方に圧力がかかったり、あるいは脅したりすることなどによって評価対象者本人に情報を漏らすような働きかけとなる可能性があるということで、家族についての4項目を確認しているということでございます。その上で、これ以上、その後の具体的な調査の手法や方法につきましては、判断における着眼点、あるいはそれをどのように進めるかといったような要領につきまして、これを知られることによりまして外国情報機関など情報の窃取を試みる者に手のうちを明らかにすることになるおそれもございますので、その結果として調査に支障を及ぼすおそれがありますので、詳細についてはお答えを控えたいと思います。

○石垣のりこ君
4項目以外は調べませんとおっしゃっているんですけれども、前回の質疑でも、前々回ですかね、質疑でも申し上げましたけれども、重要経済基盤毀損活動との関係においては必ずしもそうではないのではなかろうかということがこの法律の条文からも読めるのではないかと、その可能性についてあるのかないのかに関して、私の方では明確な答弁をお願いしたいというふうに再三申し上げているとおりでございます。資料の3枚目になるでしょうか、条文の方ございます。これ、12条の2の1項、非常に長い条文になっておりまして、何と二重括弧みたいなものがいろんな形容詞として係っていて、一体これは何を言いたい条文なのかが非常に分かりにくくなっているため、この12条2の1項の部分、重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項というのがこの一の中のもうメインになっている言葉なわけです。そこに附属しているものがこの括弧の中に形容詞的にというか説明的に述べられているということで本当に分かりにくいんですけれども、結局は、この重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項において、家族の4項目以外も、本人に関するという条件さえあればいろんなことが調べ得るのではなかろうかと。今、お話にもありましたように、手のうちを明かすということになるので具体的なことは申し上げられないというお話がありましたけれども、そもそも、この家族等の氏名、生年月日、国籍、住所の4項目のみから、この重要経済基盤毀損活動と本人との関わりをどういうふうに推測するのかというのが非常に分からない、実際、そんなことは不可能ではなかろうか。名前と住所と国籍と生年月日を見ていると、何かこの人はもしかしたらつながりがあるのかもしれないという、そんなことはあり得ないわけですから、その先の調査が、何らかの、この4つの情報を含めて更に先に行かなければそもそもそういう確認ができないということなんだと私は考えております。つまり、この評価対象者本人の重要経済基盤毀損活動との関係に関して、必要なら家族等の4項目以外の調査を行うことになっているということでいいのかどうか。この具体的な手法は結構ですから、それはあるのかということをイエスかノーかはっきりとお答えいただいてよろしいですか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。ただいま委員がお示しいただいた資料にありますとおり、この部分につきましては、評価対象者ご本人の重要経済基盤毀損活動との関係に関する事項を調査項目としておりまして、その上で、先ほど、なぜ家族の4項目を聞くのかというご質問ありました。その4項目は、氏名、生年月日に加えまして、国籍や住所ということで4項目を聞くわけでございますが、これによりまして、本人、評価対象者本人に対して家族への圧力や脅しによって情報を窃取するような活動につながらないかどうかということを確認をしていくということでございます。したがいまして、繰り返しでございますけれども、本法案に基づき家族等について本人に申告いただく項目は、今後、その質問票については運用基準の中で定めていくことでございますけれども、基本的にはこの本法12条に規定された4つの事項のみを想定しているところでございます。

○石垣のりこ君
あくまでも条件付の4項目であるというふうに今ご答弁いただいたのではないかと思います。あくまでも今の現段階では想定であるということで、否定はなさらなかったというご答弁だったと思います。このように適性評価に関しては、ご本人の判断で、そのクリアランスホルダーになるかならないかのご本人の判断は、取られる部分に関してはこれ致し方ない部分というのはもしかしたらあるのかもしれませんけれども、そこに関わる家族等に関しては、知らないうちに様々なことが調査されている可能性もあるということが否定されなかったのではないかと、少なくともここまでの議論の中ではそのように受け止めております。これは大きな問題であるというふうに申し上げておきたいと思います。ちょっともう時間も限られてまいりましたので、最後、適性評価の対象と、適性評価の返し方についてちょっとこれ確認をしておきたいと思います。適性評価の結果、重要経済安保情報を漏らすおそれがないと認められなかった、適性評価でマイナス、駄目だったという場合にはどのように本人に伝えるのかと、この伝え方は非常に難しいのではないかと思います。13条4項における適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲というのが具体的にどのようなものであるのか、また、その際に理由についてどこまで開示するのか。これ、例えば家族等が理由になっていた場合にこれ評価対象者に伝えるのかどうか、当該家族に伝えるのかどうか、これによって物すごく人間関係に大きな影響を与えかねないということもありますし、余りにも言わな過ぎても、どうして自分が評価をクリアしなかったのかということに疑念を持ったままずっと過ごさなければならないということも人生において大きなそれはマイナスになると思うんですね。この点、いかがでしょうか。

○政府参考人(飯田陽一君)
お答えをいたします。ただいまご指摘がございましたとおり、漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときには、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲においてその理由を併せて通知するということを想定しております。これは、今、委員もご指摘がありましたとおり、理由が通知されないといたしますと、評価対象者には制度に対する不信感が生じ、あるいは制度の信頼性が損なわれかねないということを考慮したものでございます。一方で、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲においてとしておりますのは、詳細を明らかにすることで、その評価の前提となりました情報、この情報源との関係や今後の適性評価の実施に支障を生じ得るからでございます。したがいまして、具体的にどのような理由を通知することになるかについては個別の事案によるため一概に申し上げることは難しいわけでございますけれども、そもそと先ほど申し上げた理由を通知する趣旨と、それから妨げない範囲においてとしている趣旨の双方を踏まえながら、評価結果の理由を適切に通知してまいりたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
特定秘密保護法のときよりも確実に対象の範囲が広がって、そして民間の方が多数この評価対象になる可能性がもちろん指摘されているわけですし、そのための法律でもあると思うんですけれども、こういう点において、本当に今後の人生に大きな影響を与えかねないという大きな問題、そしてその部分が具体的に分からないままこうやって審議が時間ばかり浪費されてしまうところが本当に私としては問題があるというふうに思います。情報の指定が適切であるのか、また人権侵害が本当に生じていないのかをチェックする仕組み、これ確実に見直しをしていかなければならないと考えておりますし、また、行政監視の役割というのをやはり国会のなかでもっとしっかりと果たしていくためにも、しっかりともう情報提供のところも含めて今後審議を引き続き私どもしていきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。