参議院 内閣委員会

6月18日 参議院 内閣委員会
2024年6月18日 参議院 内閣委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。 
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令和6年6月18日火曜日 参議院内閣委員会(未定稿より転載)

○石垣のりこ君
立憲民主・社民の石垣のりこです。まずは、本法案の立て付けに対する加藤大臣の認識について伺いたいと思います。先日のわが党の鬼木委員の質疑におきまして、本法案は内閣府令やガイドライン等のアウトラインすら示していないことが問題だという指摘がございました。それに対して加藤大臣は、なるべく早くガイドライン等を整備するという旨の答弁をされました。これ、質問の意図を誤って把握されていたのか、わざとなのか、よく分からないんですけれども、これお答えになっていないのではないかと私は受け止めました。例えば、どういうことを申し上げているかというと、本法案の第5条、「児童対象性暴力等を把握するための措置において面談ほか内閣府令で定めるものを実施しなければならない」と規定されておりますけれども、これ、具体的に何をどうやって把握するのかが分からなければ、示されなければ、その実効性を推し測ることが困難です。そこで、改めて問います。こうした法律の実施に必要な事項を政省令で定めるとする委任規定を多用されますと、法案の実効性が不明確になったり、あるいは政省令が法律で規定したこと以上の内容に踏み込むような事態というのもこれまで皆無ではありませんでした。加藤大臣、このような本来法律にできるだけ適切に具体的に書き込むべきことも、政省令、今回の場合は内閣府令ということが多く多用されているわけなんですが、こういう法律案の国会提出というのは私は問題があると考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答え申し上げます。本法律案は幅広い事業者を対象としていることから、適切な対応がなされるようにするためには、施設や利用児童の特性なども踏まえた安全確保措置の具体的な内容や留意点、また労働法制等との関係も踏まえた児童対象性暴力等が行われるおそれの判断や、おそれに応じた防止措置を講じる上での留意点等について、きめ細かな検討が求められます。そのため、法案審議の中においては大きな方向性を示させていただくとともに、きめ細かい詳細につきましては、法施行までに、対象施設等の所管省庁、あるいは制度所管省庁、関係団体、各分野の専門家などのご協力も得て、また国会でのご審議ももちろんしっかりと踏まえさせていただいて、検討を行っていくこととしているところでございます。

○石垣のりこ君
今ご説明にあったように、幅広い事業者を対象としているからこそ、また細かい検討が必要であるからこそ、この場で、法案審議に際して、本当にそれが具体的にこの法律を、実効性をちゃんと高め、守られるべき権利が守られるかということを具体的に審議をしなければならないんじゃないんですかという問題点を私は指摘しております。この法案審議の時点でこうした具体的なこと、本当に事細かなことはいいんですけれども、相談体制を確立するといっても、どういう相談体制が具体的に取れるかどうかということも含めて、やっぱりこの実効性というところでは大きなやはり課題になると思うんです。後からこんなはずではなかったということにならないためにも、やはりもう少しこの法律としてちゃんと熟した段階できちんと提出をしていただきたいということを申し上げたいと思います。その点を踏まえまして、内閣府令あるいはガイドラインで定めると答弁されていることについて、法が施行されたときにどのようなことが想定されるのか、具体的に質問してまいります。まずは、犯罪事実確認に戸籍謄本を用いることについて伺います。犯罪事実確認を行うに当たって本人確認のために戸籍謄本を用いる理由、そしてまた、なぜマイナンバーではないのか、ご説明ください。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。本法律案では、犯罪事実確認書の交付に必要な情報を得るため、法務省において保管をする特定性犯罪についての事件の裁判書きを用いることとしております。この裁判書きにつきましては、被告人の氏名、生年月日、本籍等で特定をしているため、犯罪事実確認の対象となる従事者の戸籍に記載された氏名等と合致をするものかどうかを確認をすることが必要でございます。これにより、極めて厳格な本人の特定をした上で犯罪事実の確認書を交付することができるようにしてございます。なお、マイナンバーにつきましては、前提として、犯歴情報とマイナンバーのひも付け、戸籍に記載された氏名、生年月日、本籍等との情報とマイナンバーとのひも付けのいずれかがなされることが制度上可能となる必要がございますけれども、現在このような状況にはなっていないということで、マイナンバーを活用するということにはなっていないということでございます。

○石垣のりこ君
裁判書き、判決書きとも言いますが、本籍地と氏名と生年月日記載されていて、それと照合するということなんですけれども、ということは、これ、判決が出た後に本籍地を変更していると、これは1回でも2回でも3回でもだと思うんですが、これ現在の戸籍謄本の本籍地では犯歴照合できないということでいいでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。裁判書きには被告人の氏名、生年月日、本籍等が記載されていると承知をしております。裁判確定後に氏名や本籍に変更があった場合でも、従事者の性犯罪歴を漏れなく確認するためには、おっしゃるとおり、変更後の氏名、本籍が必要になるということでございます。

○石垣のりこ君
本籍地のみならず氏名等も変更があればということですよね。つまり、従事予定者は、生まれてから現在までの間に本籍地もしくは氏名を変更している場合は、過去に遡って変更前の戸籍謄本全ての提出が必要になるということでいいですか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。委員ご指摘のように、従事者の性犯罪歴を漏れなく確認するため、その従事者が記載をされた全ての戸籍、除籍の謄本等が必要となります。

○石垣のりこ君
その本籍、どのぐらい移すか、人によってもちろん違うとは思いますし、余り変えないという方もいらっしゃれば、様々な都合で本籍移動される方もいらっしゃるんだと思いますけれども、これまでの全て、1回だけ今の段階のものを出せばいいわけではないということが今ご答弁で分かりました。戸籍の提出はこの従事予定者個人がこども家庭庁に提出するということでよいでしょうか。また、戸籍を取得するのにもお金が掛かるわけですけれども、例えば3回、戸籍、もしくは氏名も含めてですが、変更を行っているとすると、最初の戸籍も含めて4枚の戸籍謄本が必要になると。その分の金銭的な負担が生じるということでもいいでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。まず、戸籍謄本等は原則として従事者本人がこども家庭庁に提出することになります。これは今後システムを創設するなどして、オンラインの提出なども検討していきますが、本人がこども家庭庁に提出するということが原則でございます。また、従事者の性犯罪歴を漏れなく確認するためには、全ての戸籍、除籍の謄本が必要となると申し上げました。その取得の場合には、市区町村の条例で定められているその手数料というものをお支払いいただくことも必要になってございます。一方、犯罪事実確認の負担軽減、非常に重要な課題だと考えております。本法律案には、既に提出をした戸籍謄本等は原則再提出は不要とするほか、行政機関に戸籍謄本等を提出する代わりに戸籍電子証明書を活用することを可能とする、まあこの活用によって手数料が無料になる場合があるということでございますけれども、こういったことを可能とするようなシステムの検討についてもしっかり関係省庁と連携をして検討していきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
一度出したものはもう提出しなくてもよいシステムをつくるということなんですけれども、でも、転職などをするたびにやはり、でも戸籍謄本の提出は必要になるということだと思いますし、あと、そうですね、2回目以降の犯歴の確認含めて、この転職のたびに必要になるということでよろしいですか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。転職先において犯罪事実確認の対象となる業務に従事をされるという場合には、従事者は戸籍謄本等の提出をした上で、確認書の交付申請を行っていただくということが事業者において必要になるということは事実でございます。ただし、先ほど来申し上げているように、負担軽減の観点から、既に提出した戸籍謄本等は前回からの変更の有無の確認に必要なものを除きまして再提出は不要ということで、負担軽減の取組についてもしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
続いて、犯罪事実確認の事務作業について伺います。法案が成立した場合、施行後の3年間で本法案の対象となる対象施設の従事者の犯罪事実確認を実施することになっております。義務化される施設の対象者数、また任意で対象となる民間教育施設の想定人数が今どのくらいとして見積もられているか、教えてください。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。犯罪事実確認の対象となる従事者数でございますけれども、例えば義務化される学校設置者等につきましては少なくとも230万人、そして認定の対象になります民間教育保育事業者については、正確な対象従事者の数は把握はできないのですけれども、主なもので申し上げますと、学習塾につきましては従事者数約40万人、放課後児童クラブで約20万人、認可外保育施設約10万人というふうに想定をしておりまして、こういった規模感を現在想定をしているところでございます。

○石垣のりこ君
そのほかにも対象となる施設たくさんございますので、今、確定的にある程度想定されるこの230万人という、まあ以上という、を基準に考えていきたいと思いますけれども、この人数の犯歴確認をするために必要と考えられる人員及び予算というのはどのくらいに見積もっているんでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。今後、この見込み、今申し上げた見込みの数字、更に精査をすることが必要でございます。また、システムの構築ですとか、業務委託の範囲ですとか、監督のあり方、こういったことを具体的に検討して精査をしていきたいと考えております。そういった中で、現時点で必要な体制、人員数を具体的にお示しすることは難しいのですが、事業者において一定の準備期間を確保できる適切な時期までに、必要な業務を効率的に処理できるような体制確保に向けて努力をしてまいります。また、当然必要な予算もございます。各年度の予算編成過程において、この法案は2年6か月以内で政令で定める期日に施行するとされておりますので、そういったことから、毎年度の予算編成過程においてしっかりと検討し、所要額の確保に努めてまいります。

○石垣のりこ君
現時点ではまだ分からないということで、これから精査されるということなんですけれども、単純にですね、230万人の犯歴確認、これ3年掛けて行うとすると、まあ年間の稼働日が250日でちょっと計算をしてみると、大体1日におよそ3000人分行う必要が出てきます。1人の従事者が1日に何人の犯歴確認ができるかということを考えると、まあ1人の犯歴確認に要する時間、仮に5分で見積もると1時間に12人で、で、8時間でこの業務だけやっていたと仮定して96人、およそ100人しかできないわけですよね。つまり、1日30人程度で作業を行わないと、3年間に230万人の犯歴確認が終わらないという、本当にごくごく単純な計算ですけれども、こういうことが想定はされます。あくまでもこの作業に従事するという、だけやるという前提でございます。これ、誰がこの犯歴の確認作業を行うという想定でいるんでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答えを申し上げます。犯罪事実確認に関しましては、こども家庭庁は、犯罪事実確認書の交付申請を受けて法務省に申請従事者の本人特定情報を提供しまして、所定の前科に関する事項の通知を受け取る、そして事業者に対する犯罪事実確認書を交付したり、犯罪事実の該当があるときには本人への事前通知、こういったことをこども家庭庁が担うことになります。このうち、特定犯罪事実の該当がある場合に法務省から通知を受けることや特定性犯罪事実該当者に事前通知すること、犯罪事実確認書の交付決定をすることについては、こども家庭庁の職員が直接行うことを想定をしております。それ以外の犯罪事実確認交付申請に関する事務などは委託をする方向で検討していきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
こども家庭庁でやる部分、これは委託できるところとできないところがある、また、犯歴確認に関してはこれ法務省あるいは検察庁というところも対象になってくるということだと思うんですが、大変機微な情報を扱うということで、委託事業者に全ての作業を負わせることができないと思います。この委託業者に任せられること及び任せられないこと、どんな業務なのか、また、委託業者には任せられない作業は誰が行うという想定でいるのか、教えてください。

○政府参考人(藤原朋子君)
具体的に申し上げますと、公権力の行使に当たるような事務、例えば認定の判断そのものですとか監督そのもの、こういった事務ですとか、それから特定性犯罪の事実該当者への事前通知や交付決定、これらは個人の犯歴についての情報を取り扱う事務でございますので、委託はせずに、こども家庭庁の職員が実施をするということを前提として考えております。こうした情報以外の、例えば認定申請のチェックですとか犯罪事実確認交付申請のチェックですとか、具体的には入力された戸籍情報や戸籍謄本の照合、こういった事務については委託をする方向で検討してまいりたいというふうに考えております。ただ、この場合でも、情報の管理には十分注意をしていただくことが必要でございますので、現在どこの団体にというふうな具体的なことはまだ全く決まっておりませんけれども、委託先の選定に当たっては、十分な情報管理体制があるということを前提として、万全の体制を構築していきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
今こども家庭庁さんにお答えいただきましたけれども、確認ですけれども、従事予定者からあるいは委任を受けた事業者等からこども家庭庁に送られてきた戸籍情報、ここを照合をしてこれを法務省あるいは検察庁に送り、その情報と犯罪歴との照合を行うという作業があるわけですけれども、この具体的な犯罪歴、データベースになっているもの、そして、先ほども話に出ていましたように裁判書という形で残っているものとあると思うんですが、この照合の部分というのはさすがに委託業者ではなくて法務省あるいは検察庁の職員が行うということになると思いますが、この点、間違いないですか。

○大臣政務官(中野英幸君)
お答えいたします。犯歴に係る情報は、高度なプライバシーの情報であり、公になると本人の社会復帰や更生を妨げる等の弊害が生じる可能性がございます。そのため、本法律案における特定性犯罪に係る所定の事項の確認につきましては、守秘義務を課せられた国家公務員である法務省及び検察庁の職員が取り扱うことと想定いたしております。これを外部の民間業者に委託することは現在のところ考えておりません。

○石垣のりこ君
非常に取扱いをきちんとしなければいけない案件であると思います。これ、なかなか委託ということができないということで、こども家庭庁さんはもちろんなんですけれども、法務省さん又は検察庁さんの負担というのがこの部分でかなり重くのしかかってくると思います。法案の第38条に、犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去に関して、犯罪事実確認書に記載された確認日から起算して5年を経過した日の属する年度の末日から30日を経過する日までに、中は中略しますが、廃棄し消去しなければならないという規定がございますが、このような期間設定にしている理由を教えてください。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。本法律案では、教員等又は教育保育等従事者として従事をさせている間は、5年ごとに犯罪事実確認を行うこととすることとしております。このため、犯罪事実確認書に記載をされた確認日から起算をしまして、今委員からご紹介いただきましたように、5年を経過した日の属する年度の末日から30日を経過する日まで、要は5年を経過するまでに記録等を廃棄、消去しなければならないというふうにしてございます。

○石垣のりこ君
確認のタイミングが一斉に来るということで、その都度細かくチェックをしていく必要がなくて、負担軽減の部分もあると思うんですけれども、今お話にありましたように、これ継続して雇用している従事者に対しても5年後にやっぱり再度この犯歴確認を行うということなんですよね。つまり、現時点の対象者数で考えれば230万人以上の確認作業を、この施行後から3年掛けてですので、5年間の間におよそ3年間掛けてやっていくという作業がずっと継続的に続いていくという認識で間違いないですか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。施行時現職の教員等につきましては、3年以内で政令で定める期間の中で確認を進めていくということになります。一方、委員ご指摘いただきましたように、この犯罪確認書に記載された確認日の翌日から起算をしまして5年を経過する日の属する年度末を超えて引き続き従事をさせようとするときには、当該年度内に改めて確認が必要というふうになります。こういうふうにした理由でございますけれども、これは、一たび性犯罪歴がないということを一旦確認できた者であっても、後に例えば罰金刑に処せられた者で事業者が把握できていないということもあり得るということから、5年後に引き続き確認をするという仕組みにしたものでございます。

○石垣のりこ君
なので、特にその子どもを対象とする業種に就いている方で、転職をしなかったとしても、5年に1回この犯歴を、繰り返さなきゃいけないわけですよね。その作業が基本的には新しい方も含めて永遠に続いていくということになっているということです。こども家庭庁は、犯罪事実確認書の交付は職員で行うことになって、法務省もしくは検察庁、犯歴確認を職員で行うことになるという話でございました。それぞれ、現状の業務に加えて更にこの業務が加わるということで、こども家庭庁、法務省もしくは検察庁、それぞれやはり人員体制を増やしていかないとかなり対応が厳しくなるのではないか、特に機微な情報を扱うので片手間にできることでもございません。これなら、やはり犯罪事実確認の事務は法務省が仮に役割分担として行うことにして、人員をしっかり増員した上で一つ新たな組織を法務省の下に設けるということも考えられたのではないかと思いますけど、この点、いかがですか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答え申し上げます。本法律案をお認めいただいた暁には、こども家庭庁において、民間教育保育等事業者の認定、監督、犯罪事実確認書の交付、情報管理の監督等の業務を行うこととなります。犯罪事実確認書の交付のため、法務省から情報提供を受ける必要は、これはございますけれども、これらは、子どもに対する性暴力を防止する仕組み、すなわち教育保育事業者への規制に必要な事務であるため、こども家庭庁が担当することが適当であると考えてございます。

○石垣のりこ君
従事予定者の方から戸籍謄本が送られてきて、で、照合をして、ところまではあれですけれども、でも、その犯歴を持っているのが法務省、検察庁ということになりますので、そこの作業はそこでやらざるを得ないわけですよね。その部分の人員の負担というのが、やっぱりここ、委託できないから大変なんじゃないんですかという話を今申し上げたところでございます。ここもしっかりと今後検討をしていただきながら、作業を効率的に行えるところはいいんですけれども、変に効率的にしようと思ったり、省略することによって、マイナンバーのひも付けじゃないですけれども、いろんな支障が生じているわけですね。こういうことがあってはならない話なので、ちゃんと仕組みを構築していく必要があると思いますので、是非その点、こども家庭庁さんが今法案の所管ということでしっかりとやっていただきたいと思います。もう一言、じゃ、お願いします。

○国務大臣(加藤鮎子君)
犯罪事実確認の対象となる従事者数につきましては、委員のご指摘のとおり、相当数に上ると考えられます。今後、従事者数の見込みを更に精査をするとともに、事業者において一定の準備期間を確保できる適切な時期までに、必要な業務を的確かつ効率的に処理できるシステム構築や業務委託の範囲、監督のあり方等について検討してまいりますが、こども家庭庁におきましても相応の体制が必要になると考えておりますので、その確保に向けて尽力をしてまいります。

○石垣のりこ君
こども家庭庁として法務省さんの人員増やしてくださいよというのをどの程度言えるのかあれですけれども、内閣の中で連携を取っていただいて、しっかりと対応していただきたいと思います。続いては、認定事業者について伺います。今回、民間教育保育等事業者は手挙げ方式で認定を受けることになりますが、法案が施行されればですね、認定を希望する事業者が新たに整えなければならないことというのがあると思います。これを具体的に教えてください。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。本法律案では、認可外保育施設や学習塾などの民間教育保育等事業者であっても、直接義務が掛かる学校設置者等と同等の児童対象性暴力等を防止するための措置が実施をできる場合に認定をする仕組みとなってございます。具体的な実施体制でございますけれども、相談体制の構築などの安全確保措置を実施していることですとか、対象従事者の犯罪事実確認を適切に実施する体制を備えていること、また、高度なプライバシー情報である犯罪事実確認記録等を扱うことになりますので、これを適正に管理するための措置を実施していること、こういったことを確認をして、これらの体制が確保されていればその旨の認定を行うこととしております。

○石垣のりこ君
認定を受けようとすると、もちろんそれによって信頼も増すということはあるんですけれども、事業者へ掛かる負担というのが結構あるということだと思います。ましてや、個人情報の扱いに関しては、まあ一定程度今行われているとは思うんですけれども、さらに、やはりこの犯罪、犯歴情報の扱いがあるということで、より高度なこの情報管理が求められるということで、この点の負担というのは増える可能性というのは否定できないということでいいでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。認定事業者におかれては認定の表示によりまして保護者等にアピールをすることができるといった利益があるということも踏まえまして、手数料については納付を求めることとしております。その金額については、一般的な手数料の考え方にも基づきまして、実費を勘案して政令で定める額というふうにしてございます。現時点で具体的な金額申し上げることは難しいですけれども、当然、事業継続が危ぶまれるような額であってはいけないというふうに思っております。また、この法案については、認定の更新制というものではなく、認定を申請する1事業者当たり手数料は1回の納付ということにしてございます。こういった仕組みを使いながら、認定への理解を高めていきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
次の質問のお答えをしていただいていたようですけれども、個人情報の取扱いについての今ちょっと更問いをさせてもらいました。要配慮個人情報ということで、個人情報保護法第2条第3項に規定されるということで、今通常扱っている個人情報よりも、やっぱり犯歴を扱うということで、より事業者の情報管理体制を強化しなければならないということで、今以上にこの情報管理という点で負担が増えるんじゃないんですかということを私は今質問申し上げて、で、その先の、手数料がどのくらいになるんですかということに対しての今お答えをいただいておりました。ちょっと行き違いありましたけれども、是非この点も事業者の皆さんに周知をしていただきたいなというふうに思います。手数料の件も今お話しいただきました。まだ具体的な金額は分からないということですが、この点も、メリットはあるといえども、これが手挙げ方式とはいえども、大きな負担にならないような金額の中で、ちゃんと納得のいくような金額設定にしていただきたいと思います。民間教育保育等事業者の中に、障害者総合支援法に規定する居宅介護、同行援護、行動擁護などのヘルパー派遣型の障害福祉サービス事業が含まれております。確かに、障がい児も利用できますので対象となるということは理解するんですが、これ、実際にこういう事業者の方は、自分たちが対象になるという認識というのはほぼ今ないのではないかと思うんですね。これ、対象になっているという周知というのはどのように行っていくんでしょうか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。本法律案の対象となる事業の事業者団体などに対しまして、障がい児に対するサービスを運営している事業者の団体も含めまして、法案の検討段階から説明会を開催をしたり、また閣議決定後も周知を行うなど、機会を捉えて周知を行ってきたところでございます。ただ、委員おっしゃるように、この障害者総合支援法に規定する事業、大人の障がい者それから障がい児、両方を、利用されるような事業者が多い中で、そういった方々にこの本事業の認定という、本事業の理解を高めていくということは非常に重要だというふうに思っております。本法律案の成立後も、担当の部局とも連携をしながら、会議等広く事業者が参加をする場における発信も含めて、積極的な周知を図っていきたいというふうに考えております。

○石垣のりこ君
丁寧に対応していただくということで、登録されているメールに送ってそれで終わりではなくて、事あるごとにいろんな申請書などもあるんでしょうから、窓口できちんとお話をしていただく、あとは書面で送る等のご対応をしっかりとしていただきたいと思います。対応していただくのはいいんですが、これらの事業の主な利用者というのは、大人の障がいを持った方となると。そうすると、その中でお子さんも対象としている事業者の方が、これ取らなきゃいけないようなことになるんだったら、子どもの今対象になっている人は少ないから、もうやめてしまった方が、もろもろ先ほどの情報管理の面も含めて負担も多いし、いろんな人が入ってきたときに逐一犯罪から犯歴確認しなきゃいけないから大変だから、子どもは、じゃ、うちの事業者ではもうやめようかというような認定を、ことを認識をされるような事業者が増えてしまうのではないかという懸念があるかと思います。これ、まずは事実確認として、障がい児は対象としないこととすれば、認定を受ける必要はないということでよろしいですか。

○政府参考人(藤原朋子君)
お答え申し上げます。本法律案では、子どもに対して教育、保育等を提供する事業を対象としてございます。障害者総合支援法上の事業を行う者のうち、本法律案で民間教育保育等事業者として認定の対象になるのは障がい児に対するサービスを行う者に法律上限定をしており、障がい児に対してサービスを提供しない事業者については認定の対象にはならないところでございます。

○石垣のりこ君
ということで、それでなくても、人手不足の業界、なかなか対応してくれる事業者が少ない中で、こういう制度を導入することによって対象から外してしまうというような事業者が出てこないかということ。また、保育所を始めとして、福祉事業に従事する従業者、賃金もなかなか平均賃金に至らない場合とか、あと人手不足が深刻な業種です。仕事に就くに当たって逐一戸籍提出して犯歴の確認をされるとなると、特にそこに、別に自分は犯歴ないんだけどなというような方でも、面倒だと、だったらもうちょっと違う仕事にしようかというようなふうに気持ちが向く可能性というのも否定できないと思います。こういう事態を生じさせないために、加藤大臣、何かこうどういうふうに対応したらいいのかというお考えはございますでしょうか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答えを申し上げます。子どもへの性暴力を防止していくためには、障がい児にサービスを提供する事業者を含め、少しでも多くの民間教育保育等事業者に本制度の認定を取得いただくことが重要であると考えております。そのため、施行までに分かりやすい広報素材やマニュアルを作成することなどにより認定制度の意義や手続をしっかり情報発信をすることで、多くの対象事業者に認定制度に参画をいただけるよう、関係業界団体や所管省庁とも連携をしながら働きかけをしてまいります。

○石垣のりこ君
この法案の、子どもを性犯罪から守るという、これに対して異論を唱える方はいらっしゃらないと思いますけれども、犯歴のある人は対象業種に応募しても犯歴確認されて就職できないということが認知されると、普通に考えると、対象事業種に応募しないようになっていくのではないかということが想定されます。そうなると、本法案の対象となる業種で働こうとする犯歴のない人が、犯歴の確認のために戸籍謄本を取得する手間及び手数料を支払うということになっていくと考えられます。つまり、この制度が浸透していくと、犯歴確認するのはほぼ犯歴のない人になるということになると思うんですが、この点をどう考えていらっしゃるのか。また、戸籍謄本の取得費用、負担軽減をしていきたいというご意見先ほどございましたけれども、例えば免除とか補助するような措置というのは考えられないんでしょうか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答え申し上げます。本法案は、子どもを性暴力から守るための措置を事業者に義務付けるなどし、そのための重要な手だてとして性犯罪歴を確認する仕組みを創設するものでございますが、他方で、事実上の就業制限になるものでもあり、委員のご指摘のとおり、犯罪事実確認の対象は結果として大方性犯罪のない方が中心となると、このように認識はしてございます。いずれにしましても、犯罪事実確認の負担軽減は重要な課題と認識をしておりまして、本法律案において、既に提出した戸籍謄本等は原則再提出を不要とするなどの規定を盛り込んでいるところでございます。これに加えまして、戸籍謄本等の取得には各市町村の条例で定められる手数料が必要とはなりますが、手数料が無料となる戸籍電子証明書の活用を可能とするなど、今後、手続の詳細やシステムを検討する際には負担軽減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

○石垣のりこ君
その点、ご検討をお願いしたいと思います。続いて、予防措置について伺います。本法案の第5条1項について、児童との面談等は具体的にどのようなことを想定しているのかということ、誰がどのぐらいの頻度でどのような内容で行うと考えているのか。これ、子どもの年齢によって面談ということが可能であるかないかということもあると思います。及び、もう1点伺いたいのは、今回講ずべき措置とされているこの相談体制の整備に関してなんですけれども、この相談体制で得られた情報ということをしっかりと精査して一つのデータとして予防的措置、いろんな現状把握のための一つのデータとして活用していくということも考えてみてはどうかというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答え申し上げます。児童との面談等につきましては、本法律案第5条第1項に規定する教員等による児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置、そして具体的には内閣府令で定めることとしておりますが、例えば定期的な面談ですとかアンケート調査などを念頭に置いているところでございます。当該措置の実施者、頻度、内容につきましては、関係省庁や業界団体等とも相談をしながら検討をしてまいるところではございますが、例えば、面談の実施者を担任以外の者にするですとか、児童の年齢、発達段階や発達の特性に応じた内容とする、また、例えば児童から話が聞くことが難しい場合には保護者との面談を実施するなど、現場に即したより良い方法を検討してまいりたいと考えております。実態把握というご指摘の点につきましては、例えば保育所では、保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン、これに基づき、性的虐待と疑われる事案が確認された場合には、正確に状況を把握し、市町村等に速やかに情報提供することをお願いをしているところでございますし、また、性的虐待が行われたと判断された場合には、国に対する情報共有もお願いをしているところでございます。国における実態把握のあり方につきましては、今後、関係省庁や業界団体等とも相談をしながら研究を進めてまいります。

○石垣のりこ君
今もう進路相談であるとか、そんな相談のタイミングというのはあると思うんですけれども、更にプラスアルファしてこの法案に即した相談体制の構築というのは、まあそれは事業者の負担もそうですし、これ時間的に確保ができるのか、人員的に確保できるのかというのを具体的に考えていくと、かなり懸念がございます。今後、しっかりとこの点をやはり仕組みとしてちゃんと事業者の方にも理解していただきながら、そして子どもたちがちゃんと相談しやすいような体制、本当にどういうふうに構築できるかってこれ大きな課題だと思いますので、しっかりとやっていただきたいと思います。ちょっと時間になってしまいましたので、最後1問飛ばしまして、本法案が成立しますと、2年と6か月を超えない範囲で施行期日を迎えるわけです。現職の教員等も対象です。配置転換の提案もございますけれども、これ、どの程度機能するのか、はっきり言って見通せない状況です。これまで教育現場で働いてきた先生が犯歴ありと分かって、退職せざるを得なくなった人が出る可能性というのももちろんこれ否定できません。もしかするとこの犯歴についてご家族にも話していないような場合もあるかもしれません。これ、罪は罪とはいえ、それで償った上で今仕事をされているにもかかわらず、本法案が施行されることで退職を選択する、あるいは選択せざるを得ない人に対して精神的なケア、相談窓口、また再就職の支援などのフォローが必要と考えますが、この点、加藤大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤鮎子君)
お答え申し上げます。本法律案が成立した場合、特定性犯罪事実該当者は、学校設置者等及び認定を受けた民間教育保育等事業者において対象業務に従事させることは望ましくないという意識が定着することにより、ご指摘のとおり、犯歴がある対象業務従事者において自らの意思で辞職するということもあろうかと思います。そのような者が教育保育以外の分野で更生できることは大事なことであるというふうに思いますので、就労支援を所管している厚生労働省とも連携をしつつ、適切な窓口や施策につながることができるように周知等を行ってまいりたいと、このように考えております。

○石垣のりこ君
時間が参りましたので、今後の内閣府令やガイドラインでどのように運用が定められているのかしっかりと注視をしていくことを申し上げまして、質問を終わります。