
参議院 農林水産委員会(参考人質疑)
6月23日 参議院 農林水産委員会(参考人質疑)
2026年6月23日 参議院 農林水産委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。
★Youtube録画 hhttps://www.youtube.com/watch?v=Ewtr9nAn3sc
★ツイキャスアーカイブ https://twitcasting.tv/norikorock2019/movie/837161944
令和8年6月23日 (火曜日)参議院農水委員会【未定稿より転載】
〇石垣のりこ君
立憲民主・無所属の石垣でございます。
今日は、3人の参考人の先生方、貴重なご意見、それぞれのお立場からありがとうございました。まずは、田畑を耕す人がいてこその農政ということもありますので、まさに現場で田畑を耕していらっしゃる長谷川参考人から伺いたいと思います。長谷川参考人が述べていらっしゃった大規模化、農地集約、非常に頭打ちになっているというお話、先ほど引用もされていらっしゃいましたけれども、先日、6月16日の日本農業新聞にも掲載されていました。「担い手農地受け入れ急減」ということで、若干紹介させていただきますと、中小農家が離農などで手放した農地について、大規模農家の受入れ余力が急速に低下していることが東京大学安藤光義教授の分析で分かったと。既存農家の規模拡大だけで農地を維持することは困難で、農家数の維持、増加が欠かせない実態が浮き彫りになったということが報じられております。こうしたことに関して、長谷川参考人の周辺、ご自身も含めて、実感としてどのように捉えていらっしゃるか、まずはお願いいたします。
○参考人(長谷川敏郎君)
意見陳述でも述べましたが、本当に町の中心地も荒廃農地が増えてくると。かつては、10年、20年前には、作らない農地が出れば、どこでも大規模農家とか法人が受けてくれる、そういうことがありましたが、今はもう中心地の条件のいいところしかもうできないよという形になってきている。そして、それも含めて今受けられないよという状態になっているということです。山の中の、あれですけれども、それでも中心市街地というのがあるんですけれども、そこの周りの皆さんも、少しずつ、一反、二反作っていた田んぼができないということで大規模農家に頼んでいた。しかし、そこはもう条件が悪いので返された。だから、自分の主食も農地に住んでいても作れない、こういう事態も生まれていると思っています。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。その上で、今回の食糧法の改正においては、最終的にやはり農家の皆さんが営農継続が可能な改正であるかどうかということになるんだと私は思っております。そうした意味で、今回の食糧法改正は単独でもちろん審議はされておりますけれども、これ、西川参考人がご指摘されていらっしゃったと思いますが、水田政策の見直しと本来はセットで行っていくべきだと。もちろん、議論は今進んではいるけれども、その全体像、具体的な数字なども明らかにならないうちに、この食糧法の改正だけが先んじて今ここで議論されているということに関してどのような問題点があるのかということを、それぞれの参考人に伺いたいと。まずは西川参考人からお願いいたします。
○参考人(西川邦夫君)
ご質問ありがとうございます。今のご質問のご趣旨は、改正食糧法の審議と、それから水田政策の見直しですね、そちらを併せて議論するべきではないかというふうな、それに、セットにしない場合どういった問題が起こってくるのかというふうなご趣旨だというふうに思っております。もちろん、理想といたしましてはそちらをセットで議論するべきだというふうには考えておりますが、ただ一方で、食糧法の方はやはり法律によって規定されているものではございますけれども、その水田政策の見直しの方につきましては、これは法律事項なのかどうかと。先ほど長谷川参考人も、今回の法改正によって水活(水田活用直接支払交付金)の根拠がなくなってしまうんじゃないかというふうなご懸念をされておりましたけれども、そこは国会の場でその議論することが、その水田政策とセットで議論することができるのかどうかというのはちょっと少し考えていく必要があるかなと。ですので、なかなかそれによってどういうふうなメリットが発生するのかというのはちょっとお答えすることがやや難しいかなというふうには思っております。
○参考人(長谷川敏郎君)
水田政策と食糧法とのセットでという話ですけれども、水田活用支払交付金については予算措置で行われている事業です。ゲタ対策とかナラシ対策は、経営基盤強化法だとか、そうした法律に基づく法定補助でやられている問題です。そういう意味では、その制度をゲタとかナラシでいろいろこう変えていく、単価を変えていく、そういうことは法の審議でされるんでしょうけれども、今政府が、例えば産地交付金で、大豆だとか麦だとか、その飼料作物に対して払っている産地交付金の問題をどうするかというのは、まさに政府の姿勢の問題になってきます。だから、そのことがこの主要食糧法では大きく問われてくるという形で、私はあえて水田活用支払交付金の法的根拠がなくなるのではないかという不安を述べさせていただきました。
○参考人(武本俊彦君)
ご質問ありがとうございます。なかなか難しい問題なんですけれども、冒頭申し上げたかと思うんですけれども、食糧法という法律は、基本的には生産者が作った米を生産段階から流通、加工、消費までどうやって円滑に流していくかという、そういう法律なんですね。元々は別に、稲作農家がどうあるべきかという話は、食管法時代から視野には実は入っていない法律なんです。それを入れるべきだというのは立法論として当然あり得るわけだと思うんですけれども、長い間、何十年と、でき上がった米の流通をどうやって円滑に進めるかということで、いろんな意味での蓄積を深めてきた法律ですので、それはそれで整理をするというのは一つの考え方であります。水活とか水田農業の話は、すぐれてその農業生産のあり方に関する、それを法律で規定するかどうかという話になりますから、根っこは食糧法の話ではなくて、実はその食料・農業・農村基本法の世界に入っていく話だろうと思うんですね。だから、本来ならば、基本法で主食である米について需給調整をした方がいいと思うのか、それとも市場原理で全部任せていくのがいいのかというそもそも論が本当はあってしかるべきだろうと思うんですよ。その上で、経営の安定を図るためにどこまでやっていくんだというのをやるのは食糧法の世界では実はなくて、その基本法の世界でがんがん議論するべきで、理念的な整理をした上で、あとはテクニカルな話としての価格安定法とか経営安定何とか法という形を仕組んでいくというアプローチを取るべきだと。だから今回、水田政策についてかなり政府は抜本的に見直しをされるということであるならば、論理的には根っこのその法律制度をどうするんだという議論をまずはやるべきだと思うんですよね。その上で、予算の絡みだとかいろんな絡みがあるから、そこをどうするかというのはその次のステップになるのであって、その理念、思想の話をきちんとやらないと、話が、つまり、今後の日本農業が食糧法のレベルでどうのこうのでは実はなくて、本当に稲作を始めとする、その農業者がいなくなっちゃうんじゃないかという危機的状況にあるわけだから、それはもう基本法で議論するのが筋。そうすると、そのときに必然的に問われるのは、効率的かつ安定的な農業経営が農業構造の大宗を占める望ましい農業構造を目指すというような考え方でいけるかどうか。先ほどおっしゃったような、安藤さんなんかが言っているのは、いや、それはもたないんじゃないかということですね。だから、総力戦でとにかく日本の農業を守るというか、存続するようなシステムに変えるべきじゃないかというのを、彼は紳士だからああいう言い方をされているんだろうと思うんですよ。だから、そことの議論なので、一応、食糧法の話で、何でもかんでも食糧法で議論した方がいいということはやらなくてもいいんじゃないかなというのが私の考え方であります。以上です。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。今ご指摘いただいたところ、本当にそのとおりだと思うんですけれども、でも一方で、今回の食糧法の改正の中には、生産者による需要に応じた生産ということが明示されているわけで、どうしてもこの生産者の部分の供給の面の責任ということを考えざるを得ない法の中身になってしまっているわけなんですね。なので、私も、元々の基本法のところの理念と考え方、水田政策の考え方がしっかりしないと、この部分もどんどんブレていくんだろうなというふうに私自身も考えております。先ほど武本参考人からは、三者の関係はこの需要、供給、価格という一方方向だけじゃないということと、あわせて、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するセーフティーネット措置を講じるというような具体的なご指摘もありましたので、多分こういうところと併せて今回の食糧法の改正を考えていかないといけないのだなというふうに改めて思いました。その上で、西川参考人に伺いたいんですけれども、需要に応じた生産とは生産調整に代わって農林水産省が用いている用語であり、行われている政策の実態は生産調整と変わらないというようなことを「農村と都市をむすぶ」2024年の11月号で語っていらっしゃるわけですね。生産調整を実施して供給量を絞った上で、流通過程で価格転嫁を行っていくという考え方は、合理的な価格形成の議論の枢要点である、非常に重要な点であると。最終的に、ただ消費者にその価格が受け入れられるかどうかに懸かっているわけで、価格転嫁の実現の可能性、その成否が、消費者の購買力という生産者や流通業者にとってはいかんともし難い部分に委ねられてしまっているのであるというふうに指摘されていらっしゃいます。この点、需要に応じた生産をすることで、農家、生産者の営農継続可能な収入が得られるかどうかというところのポイントがまさにここにあるのではないかと思いますが、この点に対してご意見をお願いいたします。
○参考人(西川邦夫君)
ご質問ありがとうございました。ご指摘のように、価格転嫁が実際に、何といいますか、成功するかというのは、やはり消費者の購買力にかなり大きく依存してくるというふうに考えております。ただ、以前に比べますと、やはりデフレからインフレに転換したというふうなこともありまして、消費者が価格転嫁を、これが積極的に受け入れているかどうかということはおいておいて、受け入れる余地というのは以前に比べたら大きくなっているのかなというふうに考えております。その上で、生産調整において今回その措置が緩和されるというふうなことでございますけれども、生産者の作付け決定にはかなりその柔軟性が以前に比べたら与えられてくるというふうに評価をしております。その中で、やはり生産者の作付け決定が一定程度柔軟化されていくことで生産性の上昇にも寄与していくと。生産性が上昇していきますと生産コストの削減も期待されると思いますので、それによって消費者に対してよりリーズナブルな農産物の供給というのも可能になってくるのかなというふうには考えているところでございます。
○石垣のりこ君
ありがとうございます。その生産性に関しても限界があるということを具体的な数字を示して、西川参考人は示してもいらっしゃいますので、その限界点がどこまであるのか。その田んぼで二毛作を一期にする、できるような気候の条件でもありませんし、多収品種を採用したところで、更に肥料代が掛かってはコスト最終的に掛かった意味もないと思いますし、その限界点がどこにあるのかという見据えた上で全体の議論をしていかなければならないと思います。かつ、付加価値の高いものを生産していくということを結構、農林水産省おっしゃるんですけれども、特に米、麦、大豆においては、ほぼ毎日口にするようなものの価格というのは、付加価値が高いものだけを要求するわけではないと思いますので、どこまでやはり許容範囲なのかということも含めて、先ほど言ったこのセーフティーネットも含めた議論が私は必要だというふうに考えております。今日は、3人の参考人の皆様に貴重なご意見いただきまして、ありがとうございました。以上でございます。