参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会

6月17日 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会
2026年6月17日 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会で質問しました。ぜひ録画をご視聴ください。 
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令和8年6月17日 (水曜日)参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会【未定稿より転載】

〇石垣のりこ君

立憲民主・無所属会派の石垣のりこでございます。この委員会では初めての質問になります。よろしくお願いいたします。まず、松本大臣に伺いますが、大臣は、個人情報保護委員会の所管大臣であり、かつデータを積極的に活用する側のデジタル担当大臣でもいらっしゃいます。言い換えれば、個人情報の活用に関して、ブレーキとアクセル、つまり、それを両方兼ね備えているお立場にあるということで、ある意味、利益相反ともいうべき兼務にあると思うのですが、この点についてまずはお考えを聞かせていただければと思います。

○国務大臣(松本尚君)

ありがとうございます。利益相反になるかどうかということについては、ちょっとなかなか急には通告もなかったのでお答えしにくいんですけれども、ブレーキとアクセルを上手に、何というんですかね、踏みながら前に進む上手な運転の仕方が私自身はできるというつもりでこの任に当たっております。

○石垣のりこ君

ブレーキを踏みながら進んでいくということが果たしてできているのかどうなのかということになるんですけれども、個人情報保護委員会は、いわゆる三条委員会でありまして、専門的な立場から中立公平な判断を行うことが求められている委員会でございます。任命権者である総理がいらっしゃるわけではないので、具体的にその判断は伺えないのは残念でありますけれども、この点も踏まえながら、個人情報保護法の改正案について質問してまいります。これまでの議論から確認しておきたい点が2点ございます。1つは、適正なデータ利活用の推進の名の下に作られてきた、いわゆる統計特例の「統計」の意味についてでございます。これ、一般的に、統計と聞きますと、国勢調査とか、GDPであるとか、何かの生産量であるとか、時系列の折れ線グラフですとか棒グラフなどを思い浮かべると思うんですが、この統計特例の「統計」というのは、主としてAI開発における統計であるという理解でよろしいでしょうか。

○国務大臣(松本尚君)

この統計作成等の定義に該当する限り、統計情報の作成もAI開発もひとしく統計作成等の特例の対象となるということでございます。今委員ご指摘のありました一般的な統計ということでいえば、大量の情報から当該情報を構成する要素に係る情報を抽出して分類、比較その他の解析を行うことによって当該大量の情報の傾向又は性質に係る情報、これを作成する行為と、法的にはこのようになっておりまして、個人情報保護委員会が規則で定めるものがこの法律の中の統計作成ということです。AI開発というのは、この行為に含まれるということでございます。このような規定ぶりというのは、現行法もそうなんですけれども、他の法令、例えば著作権法においても、大量の情報から当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うというふうにもされておりまして、こういった法律等の書きぶりを踏まえて書かれているというふうに承知をしております。

○石垣のりこ君

定義というか、もちろんそういう範囲を含むということだと思うんですが、6月4日の衆議院予算委員会におきまして、長妻委員の質疑の中で松本大臣が、「この法律の大きな立て付けの説明として、今回は、統計作成、いわゆるAIの開発のみに利用するというふうに限定した上で、それを作成しやすいように、一般論として、このデータを出しましょうというふうになっております」というふうに、AIがメインであるということをご本人がおっしゃっているわけですよね。なので、一般的にはこの統計特例というと、もうちょっとアナログなイメージも含めた統計をイメージされる方が多いんじゃないかと思いますが、基本的には実質このAI作成が中心にあるということは認識しておいた方がよいのではないかと思います。その上で、AI開発におきまして、現行法でも、法改正の前の現行法でも、民間企業なら独自のAIを開発したり、政府だったら最近話題になっておりました「源内」をつくるなど、自社の社員、職員で作業が完結できるわけもなく、専門業者に委託をしているケースがほとんどではないかと思います。この委託の場合は、仮に要配慮個人情報であったとしても、改めて本人の同意は必要なく、統計限定でもなく、委託先に情報提供できるということでよいでしょうか。確認です。

○国務大臣(松本尚君)

委託に基づきましては、委託先がAIモデルの開発を行う場合は、例えば、基本的には委託先は、委託元が保有する個人情報しか学習データとしては利用できません。委託元の事業の一環として委託先が自由にAIモデルの開発を行うことはできないということになります。これは実は公表の必要はありません。一方で、本特例に基づいて複数の提供元から個人情報の提供を受けることは可能であり、自社の事業として、自分の事業として自由にAIモデルの開発を行うことは可能になっております。これは公表しなければいけません。ですから、委託かあるいは特例に基づいてデータを扱うかということは実は違っていて、本特例の方が公表しなければいけないし、どちらかというと透明性はこっちの方が高くなっているんだという理解と承知をしております。

○石垣のりこ君

いや、本人の了解を取って、いわゆる情報を持っている人がほかのところに渡すことができるかどうか、その渡すところの関係として、委託先だったら、現状、自分たちが保有している要配慮個人情報を含む個人情報を一応提供すること、もちろんNDAを結んだりとかいろんな条件はありますよ、ことができるかどうかという話を今質問をしたということでございます。業務の一部ということで、委託の場合は可能だというふうに私は回答は事前にはいただいておりました。若干ちょっと違う観点から大臣に今お答えいただきましたけど、その公表の話はちょっと後ほどまた関係してまいります。現時点でも、行政、事業者から委託を受けたAI開発会社が要配慮個人情報を含む個人情報をAIなどによって学習させているという可能性というのは、これはあるということでございます。法改正のこの統計特例、今回問題になっていますが、この統計特例の対象となる、「本人同意なく第三者に提供できる要配慮個人情報を含む個人情報」について伺いますね。今回の法改正で、統計作成等のみを目的として提供する場合であれば、要配慮個人情報を含む個人情報を本人の同意なく提供することができる、いわゆる統計特例の新設がなされます。これまでの国会質疑では主に医療情報等の提供について議論されてきたんですが、この統計特例等は医療、公衆衛生に関する分野に限定されるものではございません。統計特例による統計作成等について、その統計の内容、利用分野に法令上の限定はあるのか。例えば、治安維持、防衛、防犯、テロ対策、経済安全保障などを目的とする統計作成等は、この統計特例から、本人同意なき個人情報の利用も含めて、除外されているのかどうか、お答えください。

○国務大臣(松本尚君)

お答えいたします。本特例に関する法令上の要件、義務を満たす限り統計の内容や利用分野に限定はなく、委員ご指摘の目的であったとしても、今、例えば治安維持、防犯等々おっしゃいましたが、こういったものであったとしても、本特例の対象から除外されるのではありません。個人に関する情報に当たらない情報まで加工されるということを前提とした特例でございますので、個人の権利利益を害するおそれは少ないということを制度的に担保しつつこの特例を設けているということはご承知いただきたいと思います。

○石垣のりこ君

では、警察庁ですとか公安調査庁、内閣情報調査室、今後新設される国家情報会議及び国家情報局、そのほかの行政機関が保有する個人情報について、これ、統計特例による提供対象からこれ除外する規定もないですよね。

○国務大臣(松本尚君)

今のお話も、行政機関等が保有する個人情報を利用目的外で提供することができる場合を今回拡大をしてAIの作成等に用いれるということにしたわけでございまして、AI開発のための提供についてもその対象に含めることとしておりますが、特定の行政機関等を除外する規定というのは、今委員おっしゃったとおり、今の委員の質問に対しては除外する規定はございません。

○石垣のりこ君

更に確認してまいります。車両番号認証システム、いわゆるNシステムによって取得した情報、これは個人情報にはなるんでしょうか。

○国務大臣(松本尚君)

委員おっしゃっているのはNシステムのことだと思いますけれども、個人情報保護法上、車両の搭乗者の、ごめんなさい、搭乗者ですね、搭乗者の容貌、姿態が写っている画像により特定の個人を識別する場合に関しては、個人情報にこれは該当するものと考えております。

〇石垣のりこ君

識別できれば個人情報に該当することもあるということでございます。続いて、高速道路のサービスエリアやマンションであるとか商業施設などの監視カメラに写った個人の映像、これは個人情報に該当するか否か、お答えください。

○国務大臣(松本尚君)

個人情報保護法上は、民間等の監視カメラに映っている映像により特定の個人を識別、記録することができる場合には、先ほどと同様、個人情報に該当いたします。

○石垣のりこ君

と、ここまで、あらゆる官民の保有する要配慮個人情報を含む個人情報が、統計特例で、本人の同意なく統計目的であればそのまま提供され得るということを確認しました。また、個人情報か否かという点も幾つか例を挙げてお示しいたしました。次に、直接的な要配慮情報ではない情報であったとしても、個人特定の鍵になるということを示す事例をご紹介したいと思います。これ、今月2日、6月2日にLUUP(ループ)の電動キックボードで、2023年度改正以来、法改正以来初めての死亡事故が起きました。LUUP側としては、安全対策を強化するに当たって、警察から交通違反情報の提供を受けて、自社の利用者の情報と照合して違反をした人の利用停止などを行っているということが告知されていました。それを知ったとき、交通違反の情報を民間事業者に提供すること、これ要配慮情報ですよね、できるのか、疑問に思いまして警察に問い合わせたところ、誰が交通違反をしたかの情報は提供していないが、交通違反を起こした日時、場所、違反した車両番号をLUUP側に提供しているという回答がありました。一方、LUUP側は、この車両をその時間に利用している人の情報、住所、氏名、携帯番号、また免許証であるとかクレジットカードの情報などを持っていますから、誰が交通違反を起こしたか把握できるということだったわけですね。それで利用停止などの措置を行っているということです。これ、交通違反の情報は当然要配慮情報に当たりますが、車体番号など個人情報でもない情報と要配慮個人情報でもない住所、氏名といった異なる複数の情報を重ねると要配慮個人情報ができてしまうわけです。確認ですけれども、このようにしてできた要配慮個人情報は、統計特例としては提供は可能でしょうか。

〇国務大臣(松本尚君)

委員ご指摘の交通違反情報というのは、行政機関、これによると警察になりますけれども、行政機関等に対する規律における統計作成目的に係る例外規定により民間業者に提供できるかという質問と理解をしております。提供先の民間業者が、個人に対するサービスを制限する目的、今回だったらLUUPはもう貸さないというような話だと思いますが、そういった目的でデータを利用する場合、統計情報の作成等を行う目的以外でデータを利活用することになりますから、交通違反情報等を民間事業者に提供することはできなくなるというふうに理解をします。他方で、提供先の民間事業者が当該交通違反情報を専ら統計作成等の目的に利用する場合であれば、行政機関はこの例外規定に基づいて当該情報を提供することが可能になるということでございます。

〇石垣のりこ君

多分受け取っていらっしゃる意図が、把握されていらっしゃらないと思うんですけれども。要配慮個人情報でもない、先ほど申し上げた違反を起こした車体番号と、これは、車体を持っている、管理している、ここだったらLUUP側の持っている住所とか氏名の番号、そして、その人がいつ何を、どの車両を使ったか分かっているという情報、これを合わせたときに要配慮個人情報ができるわけですよね。その人が事故を、交通違反を起こしたということが分かると。合わせたときにできる、これは違反を起こしたという要配慮個人情報に該当すると思うんですが、このようにでき上がった情報も、これは統計特例だったら出せるということになるんでしょうか。

○政府参考人(佐脇紀代志君)

ご質問の趣旨を理解しているかどうかにもよるのでありますけれども、行政機関等から民間事業者がある情報を受け取り、その結果、民間事業者の手元で犯罪歴その他の情報になったときに、当該民間事業者がその情報を他の事業者に提供し、その提供先がAI開発を含む統計作成等を行っている場合には、その受け取った民間事業者はAI開発等に限定して使う事業者に提供することを本特例は認めることになります。

〇石垣のりこ君

要配慮情報も統計特例だったら全部通るということだと思うんですね。もちろん、いろんな条件は課すということではありますけれども、基本的にできるということなんです。このように、要配慮個人情報ではないような、ごくごく、それこそ私たちの名前であるとか、たまには住所ということもあるかもしれませんけれども、住んでいる地域とか、他人にある程度知られても分かるような、既に皆さんがご存じのような情報を重ねていくことで要配慮個人情報ができ上がってしまうということもあるわけですね。要配慮個人情報そのものを今回は大量に、本人同意が必要がないので、今まで以上に、これ、汎用AI、いわゆるChatGPTであるとかGeminiであるとか、そういうものなどにも読み込ませて学習させてAIモデルを作成してしまうことができるというのが今回の統計特例なわけです。これ、統計の名の下に作成されたAIモデルに読み込まれた個人情報がそのまま出てこないという条件を満たしていたとしても、そのときは出てこないかもしれないけれども、特に汎用AIというのは進化していきます。アメリカのアンソロピックは、AIが自らを進化させる自己改良が実現する可能性も言及していますし、AIの進化ペースに安全性の研究が追い付けるか分からないという懸念すら今示している段階です。このような状況で、今回の個人情報保護法の改正、特に統計特例によって、多くの人が個人情報を登録して利用している、例えばネット通販、やったことがないという人の方が少ないかもしれません。マッチングアプリ、登録している人もいるでしょう。レンタカー借りている方もいるでしょう。こうした様々な便利ツールにつながっている個人情報が、統計の名の下に大量に読み込まれていくことによって、個人の行動パターン、趣味、嗜好、そのほか様々な機微に触れる情報も含めて特定されていく可能性が非常に高くなっていくということです。これ、個人の権利利益が損なわれないようにします、しますというふうに、もう掛け声はおっしゃるんですけれども、実際はこういう汎用AIに読み込ませていくことも含めて認めているわけですから、その実効性が担保されているか甚だ疑問でしかありません。その場では不利益になるか利益になるか判断しかねることもあるわけですから、不利益になることには使っていないといったとしても、真逆の方向に進んでいくことも否定できないわけです。今回は、さらに、本人の同意を必要としない要配慮個人情報を使って作られたAIを網羅的に、個人情報保護委員会をはじめ、把握することすら基本的には今放棄しているわけですよね。一応そのチェックはしていくとはおっしゃっていますけど、確実にチェックする機関というのは現時点でないわけです。これ、ザル法どころか、もう筒状態ですよ。何もない状態で擦り抜けていくわけですよ。今回の個人情報の保護法のこの特例、統計特例というのはこういう危険性をはらんでいるということを、まずここにいる委員の皆さんにもしっかりとご認識をいただきたいと思います。

続いて、ほかにいろんな問題がありますので、時間の許す限り伺っていきたいと思いますけれども、続いて、顔特徴データ等の取扱いについて伺います。今回の個人情報改正案には、顔特徴データ等については、利用停止請求が違法行為等の有無を問わず可能とする規定があります。しかしながら、そもそも本人が自分の顔特徴データが提供されたことを把握すること自体が困難ではないでしょうか。ちょっと想像していただきたいんですけれどもね。

また、顔認証データの取扱いに関する一定の事項の周知を義務化するという規定はあるんですけれども、具体的にどのように周知することを想定しているのか。また、仮に顔特徴データを取得するカメラの場所、申立て先を把握できたとしても、提供先ごとに利用停止請求を行わなければならないとなると、せっかく設けられた利用停止等請求の要件緩和ですとかオプトアウト制度に基づく第三者提供を禁止するという項目は実効性が乏しいのではないかと言わざるを得ません。この点、お答えください。

○国務大臣(松本尚君)

本法案においては、顔特徴データについては、委員ご指摘の利用停止請求の緩和要件に加えて、その取扱いに関する一定の事項の周知、これを義務付けることとしております。そして、その周知の具体的な方法については、十分な透明性を確保しなければなりませんから、カメラを設置する施設の入口に周知事項を掲示する等、原則として本人が訪れると想定される場所に掲示しなければならない旨、これを規定することを想定しております。全ての事業者に対して利用停止請求、あっ、ごめんなさい、複数の事業者が顔特徴データを同時に取り扱っている場合に、その利用停止請求を望む人は一つ一つ全部に当たらなきゃいけないということが当然生じるわけですけれども、これはやむを得ないことというふうに思いますけれども、手続きが本人にとって過重な負担とならないように配慮しなければならないということも法の中で定めているところでございまして、できるだけ、複数の事業者が絡む場合は一元的な窓口を設置するなどを想定して進めてまいりたいと思っております。

○石垣のりこ君

監視カメラがあります、それが顔認証の能力も兼ね備えたものであったとしたら、そこに、今撮影をしています、あなたの顔認証があるものがこのカメラです、もし不服申立てがある場合にはここにご連絡ください、例えばですよ、そういうものを全部のカメラに付けていく。問題があって、嫌だと思ったらそのところに連絡をする。今総括の窓口をつくっていただくみたいなご提案もありましたけれども、それを個人がやるのかどうか、やれるのかどうか。どんだけの業者があるのかも分からないわけですよね。その上で、じゃ、頑張って、利用停止をしてほしいと、嫌だと、顔認証を私は使ってほしくない、取得してほしくないといった場合に、停止するためには本人の顔特徴テータと照合する必要が生じるわけですよ。そうすると、利用停止請求や削除請求の過程でかえって本人の行動履歴等が把握されるという、これ矛盾が生じませんか。本人は個人情報を出したくない、顔認証をされたくないと思うけど、その自分の情報を相手にわざわざ渡して行動履歴が分かるような状態じゃないと削除できない、そういうことになりませんか。

○国務大臣(松本尚君)

少なくとも、監視カメラについては、顔認証ですから、監視カメラを例に出すというとなるとちょっと話は変わってくると思います。あくまでも顔認証をするためのときに周知をするということでございますので、そこは確認をしておきたいんですけれども。今のご質問については、本人が顔特徴データの利用停止を請求した場合、事業者は、請求に対応する過程で本人の顔特徴データを抽出し、把握しなければなりません。最終的に、その特徴データは利用が停止されて消去されることになります。事業者は、利用停止請求に応じるために抽出、把握したデータを、それを使って他の目的に利用することは当然できませんから、消してくれと言われて、その顔の状況というのを利用者が確認しても、それをもって、それが分からなきゃ消せませんから、それで消すと。それは、そのことがもし、誰がどんな顔をしているかというのが分かったことをほかに使うということはそもそもできませんから、これはもう禁じられている話なので事業者が利用停止請求に対応すること。そういうふうな環境の下で、事業者が利用停止請求に対応することによって本人の権利利益を守られるということですから、これは、その消す作業で本人の特徴が分かったら、それを悪用してはならないのは当たり前の話ですから、そこで何か矛盾が生じるのではないかということにはならないのではないかと思います。

○石垣のりこ君

悪用するかどうかじゃなくて、自分の情報を誰かに把握されたくないと思って申請をするのにもかかわらず、その業者がそれを作業をすることによって、それは最終的に個人情報を、より、あっ、この人こういう行動をしているんだということが分かるような状況になってしまいますよねということを申し上げているんです。悪用するかどうかの話ではありません。あと、監視カメラだとお話が別になるということでしたけど、もちろん監視カメラ、先ほどちょっと確認しましたけれども、写っているものがその本人であるという認証ができればそれは個人情報にはなり得るというお話でありましたから、それの利用に関してどういうふうにするかということの問題は生じるんじゃないんでしょうか。このように、せっかく設けられているオプトアウトだったり利用停止請求の要件緩和でありますけれども、実効性が乏しいというか、使えないのではないかということが今の答弁からもご理解いただけたのではないかと思います。また、法案の条文を見ていただくと、その作業に余りにもお金が掛かる場合には対応できないことは仕方がないという旨が書いてあったり、あとは、公共の利益に反するような、掲示することによって反するような場合にはその対象外になるというような規定も設けられておりますので、これ、せっかくの制度も、顔特徴データ取得側の事業者のこの抜け道みたいなものがきれいに舗装されたメインストリートみたいな状況になって、どうぞここで請求があっても抜けられますよみたいな状況になっているということ自体も、ちょっとこれはいかがなものかということは申し上げておきたいと思います。

続きまして、AI等で読み込んだ情報の削除について伺います。AI開発のために提供された個人情報について、提供元からまずは提供されたデータの、まあ原本と言ったらいいでしょうか、それを読み込ませたデータがあるとまずは考える、まあ2つ、元々は同じものですけれども。で、このAIに読み込ませた後の個人情報、個人データは、個人情報が出てこない状態になっているというのが統計特例を適用した本人同意なしの要配慮個人情報を含む個人情報の利用の条件になっていますけれども、これ、個人情報保護委員会はそれを確認する具体的な方法というのはあるんですか。

○国務大臣(松本尚君)

開発された後のAIモデルに個人情報が残る事態というのは、完全に個人の状態、データ等、排斥された後のことでございますから、基本的に想定していないものと承知しておりますけれども、仮に違反が疑われた場合にあっては、個人情報委員会において、データの内容とか開発の手法、復元防止のどんな措置を講じていたか、あるいは開発されたAIモデルの挙動、総合的に判断して調査と認定をしていくということになります。これは事後でやることになりますけれども、違反が疑われなくても定期的にモニタリングをするということは我々としても常々言っているところでございますので、そういったモニタリングを通して適切にデータが扱われるかどうかということはチェックを掛けていくということになります。

○石垣のりこ君

それ、まず、いわゆる公示されているというか、示されている、表示されているものからの確認という話を伺いました。そこの契約上に特に問題がなければ、そこから更に踏み込んで、どのように具体的に積極的に個人情報保護委員会が、触ってみなきゃ分からないわけですよね、そこまでまず踏み込むことができるのかどうなのか、この点における疑問もあります。そもそも、このAIモデルで学習された個人情報について、この当該情報が学習済みモデルに残っていないということを確認する一般的な技術的方法というのは存在するのでしょうか。

○国務大臣(松本尚君)

お答えします。AIモデルに係る学習手法には様々なものが存在しておりまして、個人情報が存在していないことを画一的に常に証明できる一般的な技術はありません。AI開発に用いられたデータの内容、具体的な開発の手法、復元防止のための措置など、考慮して判断する必要がこれはあろうかというふうに思っております。先ほど申し述べましたけど、AI開発である限り、開発されたAIモデルに個人情報が残る事態というのは基本的に我々は想定していないと承知をしておりますが、仮に違反が疑われた場合は、当然しっかりと対応することはもう言うまでもございません。

〇石垣のりこ君

問題が起きてからじゃないと、疑わしい事例というのはまずそもそもどうやって把握するかという問題はあると思うんですね。で、問題が起きてからじゃないと対応しないと。問題が起きたというのはどういうときかといったら、その要配慮個人情報を含む重大な機微に触れる情報が外に漏れるなり何なり、何らかの被害が出ている状況という、深刻な状況になっているような場合が想定されます。このこと自体も問題ですし、そもそもそのAIに読み込ませた情報から個人情報が全く消えているということが確認できる確立された、今おっしゃいましたけれども、いつどんな場合においても確認できる方法はないということでありますから、個人の権利利益が侵害されない範囲で対応していますというのはあまりにも安易な無責任なご発言ではないかと私は思います。この学習済みモデルから生成された派生モデル又はファインチューニングモデルについても統計特例で提供された個人情報削除の確認対象になるのかどうか、お答えいただきたいと思います。既につくられた学習済みモデルから更にちょっとまた進化させてつくった、あくまでもこれも統計特例の範囲の中で作成するモデル、又は自社モデルと連結した形で、これもあくまでも統計特例の範囲の中でという限定付きでつくられたモデルについてお答えいただきたいと思います。

〇国務大臣(松本尚君)

派生モデル等については、これは新しく別のAIモデルを開発する場合も当然含まれるんですけれども、大量の個人情報を扱う場合ですから、この個人に関する情報に当たらない状態、要は個人の情報が排斥された状態まで加工をするということが求められることは当然でございますし、そのほか、特例にいろいろな縛りが掛かっていますが、それが適用されることも同様でございます。

○石垣のりこ君

ということで、どんどん広がっていくわけですよね。最初、提供しました、こういうAIモデルをつくります、1つできました、で、そこで終わりじゃなくて、またそれを活用して何らかの統計目的という名前のAIがつくられていく。で、その先、どんどんどんどん広がっていったときに、どこまで個人情報保護委員会はちゃんとチェックができるんですか。問題が起きなければ結局分からないですよね。把握すら、入口ちゃんとチェックしないわけですから。本当に無責任だと思うんですね。このように、本当に悪用をされないのか、目的外利用されていないのか、安全に管理されているのか分からない状況で、センシティブなこの生情報を扱う統計特例の適用条件、適切に守られているのか。いろんな条件付していますとおっしゃいますけれども、この技術的に確認することも困難であるにもかかわらず、統計特例の利用に当たって個人情報保護委員会による事前審査もない、事前認証制度も設けられていない。まず、なぜ設けなかったのか教えてください。

○国務大臣(松本尚君)

統計作成等を行う事業者の各種の義務を課すことを前提にして、事前の審査、認証制度は求めないということにいたしました。理由は、もうこれは保護と適正な利活用、個人情報の保護と適正な利活用の両立を図ることが旨とする改正であるからにほかなりません。先ほど、私、一番最初のご質問に答えたように、車運転するのにアクセルとブレーキ踏まないと運転できませんけれども、ある意味、事故を起こすのは怖いからといってアクセルをいつまでも踏まなければ前には進めませんから、今回の特例というのは、入口でハードルを設けるか、出口でハードルを設けるかの問題からすれば、出口のハードルを高くして、入口のハードルを低くして、このAIの開発競争に負けないようにしようというところはあるというふうに思います。これを、もし国民の皆さん全体で、いやいや、日本はそういった競争に参加しなくていいんだということでご判断いただけるのであればこういった特例は必要ないというふうにも思いますけれども、今それが許される世界的な環境かどうかということは十分にご判断をいただきたいというふうに思っております。

〇石垣のりこ君

何か随分違う点からご答弁されたと思うんですけど、別にAIの活用をするなとも言っていませんし、日本が遅れている状況においてできる分野からきちんと発展をさせていくことも重要だと思いますし、様々な個人情報も含めて利活用することによってより多くの利益を生んでいくということは非常に重要だと思います。そういう可能性を秘めているということは十二分に承知しています。しかし、だからといって、この要配慮個人情報を含む個人情報が、本人の承認なしに、余りにもずさんな管理の下に活用されていくというか、もう搾取されていくような状態であるのは、それはまた違う話であります。適正な利活用とおっしゃっていますけれども、不適切なこれは利活用になっているのではないかという問題提起なんですね。アクセルを全く踏まなくていいか、ブレーキを全く踏まなくていいかという話ではもちろんありませんが、両方同時に踏みながらは何もできないわけですよ。だからこそ、冒頭で、大臣が同じお一人というご自身の存在でありながら、両方踏まなきゃいけないお立場にあるということの問題点を指摘したわけなんですね。いろんな問題点はあるんですけれども、要配慮個人情報をやっぱり汎用AIに読み込ませちゃいけないんです。これをまずスルーにしているという段階で問題があるということ。で、これが致し方がないということ自体は、本当にこれからのAIの進歩を見ていると、匿名であったり仮名であったりしてもかなり危険なこともあり得ると思います。クローズにどの程度できるかというこの技術的な課題というのは非常に大きいんですけれども、汎用AIにまず読み込ませていただきたくないということを本当はこれはお願いをしたいんですけれども、是非守っていただきたいんですけれども、なかなかそのところはご理解はいただけないのかとは思いますが。統計特例を利用した要配慮個人情報を含む個人情報の提供元、提供先の間での取決めだけでは、非常にこの規則の遵守の実効性に疑問が残るということを再三申し上げました。これ、やはりこの適用に当たっては、統計特例の適用に当たっては、個人情報保護委員会又は第三者委員会による監査制度、これが必要になってくるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

○国務大臣(松本尚君)

まず確認をしておきたいと思いますが、先ほどから委員、汎用性AIに個人情報を読み込ませるということをお話しいただいておりますが、これは、この特例はAIをつくるための特例であって、もうでき上がっている汎用性のAIに個人情報を読み込ませることはしませんから、まずそこは誤解を解いていただきたいと、その上で質問をいただきたいというふうに思います。さて、今の監査制度の、設けるべきではないかということでございますけれども、個人情報の保護と適正な利活用を図る観点から各種の義務を課す、これは、先ほど申しました事後の、出口の部分のハードルに相当すると思いますが、こういった義務をきちんと課しながら国が適切に介入することで両方のバランスを取ろうということでございます。提供先、データの提供先とそれから提供元でしっかり合意を行ってもらうということは非常に重要なことで、これは我々も再三、衆議院も含めて答弁をさせていただいておりますけれども、その中で、この合意内容については、具体的にこういうレベルで合意をしてくださいということは今後ガイドラインで示したいというふうに思っております。その上で、なおかつ個人情報保護委員会としては、相談があったり、個人の何か訴えがあったり、あるいは告発があったり等々した場合には当然対応していくということになりますが、まずはこの合意の部分でしっかりと我々としては適切な合意ができるように誘導していく、そのためのガイドラインを作成するという予定をしております。

○石垣のりこ君

今大臣が、生成AIも含む汎用AIに読み込ませることはないと、あくまでも統計特例、AIを作成する上で個人情報を読み込ませていくのだとおっしゃいましたけど、6月の12日の内閣委員会、衆議院の方ですが、これも長妻委員とのやり取りの中で、「大臣にお伺いするんですが、今回の統計特例で、名前、住所付病歴を提供する、提供先がそれを欲しいと言って提供元も了解した場合、法律で認められているわけでございますが、その場合、例えば生成AI、一般に使われている生成AIにも読み込ませるということはできるんでしょうか?」という質問に対して松本大臣は、「生成AIにも読み込ませるかどうかというご質問ですけれども、できるかできないかといえばできるということです」とお話しされているじゃないですか。これ違うんですか。

○国務大臣(松本尚君)

できるかできないかの技術的な問題についてはできると思いますけれども、今回はそういった目的でこの特例をつくっているわけではございませんので、AIを作成するための特例ということですから、そこは切り分けてお考えいただきたいと思います。

○石垣のりこ君

いや、だから、AIを作成するためにこういう汎用AIに読み込ませる必要があるんだということだって目的のところに入れ込めばやれるということですよね。そういうことじゃないんですか。

○ 国務大臣(松本尚君)

その場合は、目的の段階で、それは目的としてその必要はないよねということで提供元がきちんとチェックをすればそういう必要なくなりますから、少なくとも大事なことは、このデータの提供元と提供先が適切に合意をするということが非常に重要になってくると思いますので、先ほど申しましたように、その点についてきちんとガイドラインでどういった合意をすべきかということはしっかりと示してまいりたいと思っております。

○石垣のりこ君

そこで、提供先が、いや、汎用AIに読み込ませることによって私たちはこの統計を作りたいんです、AIをつくりたいんですというふうに話したことに関して、提供元は、いやいや、それだと困るよというような判断というのはどうやってできるんですか。どうやって担保できるんですか。それが、いや、提供元だって、ああ、確かにそういう必要があるよねって認めたら、読み込ませることも含めて目的になるんですよね。

○国務大臣(松本尚君)

そもそも論として、AIをつくろうとしているのに、生成AIがもう既にあるんですから、別にそれは必要がないというふうに思うんですけれども。

〇石垣のりこ君

生成AIも一つしかないわけじゃなくて、いろんな生成AIありますよね。目的に特化したものもできてくるかもしれませんし、そのいろんな汎用性も含めて、自分たちがより使いやすい生成AIをつくりたいという、そういう目的であれば、今あるこの汎用AIにいろんなことを読み込ませて、そういう能力も含めた上で、いただいた要配慮個人情報も含むデータを読み込ませることによって私たちはAIをつくりたいんですと、そういう要望に対して反論できることなんてないじゃないですか。それは、提供元がもちろん、いや、それは困ると言ったらもちろん駄目ですよ。ですけど、可能性として大臣はこれで読み込ませることはできると言っているわけですから、お互いが納得したらそれできるんですよね。

○政府参考人(佐脇紀代志君)

ご指摘の生成AIに読み込ませるということにつきましては、恐らく、開発のための一般的に使えるAI基盤モデルのようなものを事業者が調達し、それを使って社内で利用する特殊なAIモデルをつくるという場合に、基盤モデルに内蔵されている様々なパラメーターを自社用に加工する際に提供を受けた個人情報を使う可能性があるというその限りにおいて、つまり、まさに自社の中での基盤モデルを使った開発における利用ということはございます。それを、生成AIの通常のその利用の局面における読み込ませるということと混同のないようにご説明をするという趣旨で大臣がご答弁したことかと思いますけれども、そのような使い方はあろうかと思います。

○石垣のりこ君

いや、だから、あくまでも作成の段階でできたものを更に一応いただいた情報を読み込ませるって話じゃないです。作成の段階で、既存のものも含めた、今だから言ったChatGPTだ、Geminiだ、ほかにもいろいろありますけれども、を使うと、そこに読み込ませるということも含めて私たちはこういう生成AIをつくりたいんです、あっ、生成というかAIをつくりたいんですということを基に、本人の了解を取らないで要配慮個人情報をも含むそういう情報をそのまま使うことができるというのが今回の法案だというところで。ちょっと最後まで質問は行きませんでしたけれども、ここまでの話の中でも、皆さんにもこの法案がどれだけ問題があるものであるかということをご理解いただけたと思います。実はすごいもっとほかにも論点がございます。時間が全然足りないぐらい本当にひどい法案です。憲法13条に基づく個人の尊厳というものを大事にしている個人情報保護委員会といいながら、残念ながら個人の尊厳が守られない法の立て付けになっているということ、是非ともこれはもう一旦廃案にしていただく、それか大きくきちんと問題点を取り込んだ形でもう1回出し直しをしていただく、その必要性がある法案だということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。